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迷って腐って浄化して
白の呪い
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「いったい何が……」
大地は唖然としていた。白いのはモンスターだとわかる。そのモンスターが放ったでかい光弾を幽霊と思われる少女が防いでいたのだ。脳内は混乱で満ちていた。
そんな大地を他所にフルネールと既に抱っこから下りているレヴィアが今の状況に顔を青ざめていた。
今もモンスターの光弾を女の子の防御魔法は防ぎ続けている。拮抗しているようにも見えなくないが、実際のところ女の子はモンスターの攻撃をギリギリ防いでるに過ぎない。少しでも魔法の力を弱めれば一気に光に飲み込まれてしまう。
少し、また少しと女の子の防御魔法が押され始めた。力の差が出始めたのだ。だが、今の今までよく防げてたともいえる。下手をしたらぶつかった直後に防御魔法が破壊されていてもおかしくはなかった。そうならなかったのはひとえに女の子の人間を助ける思いの強さの力だ。そして今の押され気味の状況でさえ、魔法が削られながらも諦めずに堪えているのもその思いがあるからである。
女の子が辛そうな苦痛の声を漏らす。死にたくはない死しなせたくはないから……。
「ぜったいたすけるの!いっぱいのひとたちにめいわくかけたから……!」
女の子は覚えたての言葉を苦しそうに並べる。苦しい中だからこそ……心が折れそうになるからこそ言葉を綴った。それは少しつたないけれど……自分を奮起させる――言葉。
「すこしでもにんげんをたすけるんだー!!」
その思いが爆発したように女の子の力が増す。モンスターの光弾に押されていたのが止まり、少しずつ……少しずつだが押し返し始めた。
だがモンスターもそれに焦ったように力を強めた。攻撃と防御のぶつかり合いが苛烈になっていく。光と音が暗い森の中で一層の激しさを増した瞬間、二つの激突は破裂したように消えた。
女の子が護りきったのだ。カイもその仲間も……そして自分も。それを見たフルネールとレヴィアがほっとした表情に変わった。
「大地さん!皆さんを護ってあげてください!噂の女の子も幽霊じゃないとわかったでしょう!」
フルネールが捲し立てて急かす勢いで言った。
もちろん大地も女の子が幽霊じゃないと納得している。地に足がついているし、薄く光っているけど浮いてはいなさそう。何よりしっかりと言葉を喋っていたのだ。
「ああ。そうだな!」
大地は飛び出すと女の子を護るように前へ立つ。
改めて女の子を見る。ショートヘアーで茶色の毛。服は白い上服に下は膝丈までの赤いスカート……まるで巫女服のような。それに薄く光っているのはこの服だった事もわかった。
「カイ達を護ってくれてありがとな」
近くで見ても普通の女の子だ……怖がることはない。その安堵から大地は女の子の頭の上に手を置いた。
だが考えてみてほしい。行きなり目の前に来たおっさんが自分の頭に手を置いてきたのだ。恐怖か嫌悪感で泣かれてもおかしくない事案である。
大地も内心『やべっ』と思ったが後の祭り……なのだが、大地の強さを知ってか知らずかその女の子はほっとした表情に変わっていった。
「……うん!」
女の子は最終的に元気よく返事をする。
とても可愛らしい女の子だ……だれだこの子を幽霊だなんて言った奴は!?
「フルネール、怪我人の治療を頼む!」
「はい!」
二つ返事で承諾したフルネールがマリンとオーガスに近づく。カイよりもそっちの怪我が重いと判断したのだ。
「レヴィア、俺以外を護れ!」
「わかったわ」
レヴィアは頷くと女の子の隣まで歩き、大地の代わりに頭に手を乗せるとゆっくり撫でる。
「よく頑張ったわね」
あやすように優しく言うレヴィアの表情は柔らかかった。そんな顔をするレヴィアに知り合いなのか?と聞きたかったがそれどころではなくなってしまった。白い人型のモンスターが動いたのだ。
モンスターは大地を見た瞬間、動きを止めていた。そして様子を見る。それは大地を驚異として認めているからである。
しかしモンスターが動いた。大地の注意がレヴィアへ向いたと判断したのだ。腕を勢いよく伸ばし胸を貫こうとする。
「おっさん、気を付けてくれ!そいつは生物をリビングデッド化することができる!」
カイが叫ぶと同時に大地は剣を召喚して簡単に防ぐ。
「ほぉ。しっかり調査をしたんだな」
その腕を切り落とそうと大地は剣を振るった。刃は確かに腕を通り抜けた。斬った感触もある。しかし、モンスターの腕は繋がったままだった。
「どうなってんだこりゃ……」
続いて二度三度斬りつけるが切り落とすことはできない。大地は狙いを腕からモンスターの胴体へと変えて真横に切り裂いた。
だが、斬った感触だけが残る。それがあまりにも歪で気持ち悪い。
「フルネール!こいつどうなってんだ!?気持ち悪いんだけど!!」
相手の攻撃を防ぎながら合間に斬りつけるがその過程と結果が伴わなくて大地は叫んだ。
「もう、人使いが荒いんですから!」
マリンとオーガスの治療が終わってカイの傷を癒そうとしたタイミングで呼ばれたフルネールは文句をいいながら白い人型のモンスターへと改めて目を向けた。
「あ、あー……これは、なるほど……」
一人納得しているフルネールに大地は視線をモンスターに向けたまま次の言葉を待つ。
「大地さん。これは普通のモンスターじゃありません。モンスターを核にした呪いの集合体です」
「呪いの集合体!?なんじゃそりゃ?」
「そのまんまの意味ですよ!幾つかの呪いをモンスターへ集めたようです……いえ、これはモンスターも複数集められているような気もしますね」
呪いと聞いて思うのは立った一人の人物。
「しかもかなり協力なのでその辺の人じゃ解呪することはできません」
「それならリリアさんに頼むしかないってことか?」
カイが思わずそう口を挟んだ。聖女であれば能力不足なんてことにはならない。そう思っての事だ。
「そうですね。でも、大地さんでもいけます」
「俺が!?」
フルネールの指名に大地が驚いた。
「はい。奴隷の紋様を解呪するのと一緒ですよ!」
フルネールはそう言ったあと「頑張って!」といい笑顔で応援してくる。具体的なアドバイスま無いことで文句はあるがその笑顔でなにも言えずに大地は自身の体を発光させた。
大地は唖然としていた。白いのはモンスターだとわかる。そのモンスターが放ったでかい光弾を幽霊と思われる少女が防いでいたのだ。脳内は混乱で満ちていた。
そんな大地を他所にフルネールと既に抱っこから下りているレヴィアが今の状況に顔を青ざめていた。
今もモンスターの光弾を女の子の防御魔法は防ぎ続けている。拮抗しているようにも見えなくないが、実際のところ女の子はモンスターの攻撃をギリギリ防いでるに過ぎない。少しでも魔法の力を弱めれば一気に光に飲み込まれてしまう。
少し、また少しと女の子の防御魔法が押され始めた。力の差が出始めたのだ。だが、今の今までよく防げてたともいえる。下手をしたらぶつかった直後に防御魔法が破壊されていてもおかしくはなかった。そうならなかったのはひとえに女の子の人間を助ける思いの強さの力だ。そして今の押され気味の状況でさえ、魔法が削られながらも諦めずに堪えているのもその思いがあるからである。
女の子が辛そうな苦痛の声を漏らす。死にたくはない死しなせたくはないから……。
「ぜったいたすけるの!いっぱいのひとたちにめいわくかけたから……!」
女の子は覚えたての言葉を苦しそうに並べる。苦しい中だからこそ……心が折れそうになるからこそ言葉を綴った。それは少しつたないけれど……自分を奮起させる――言葉。
「すこしでもにんげんをたすけるんだー!!」
その思いが爆発したように女の子の力が増す。モンスターの光弾に押されていたのが止まり、少しずつ……少しずつだが押し返し始めた。
だがモンスターもそれに焦ったように力を強めた。攻撃と防御のぶつかり合いが苛烈になっていく。光と音が暗い森の中で一層の激しさを増した瞬間、二つの激突は破裂したように消えた。
女の子が護りきったのだ。カイもその仲間も……そして自分も。それを見たフルネールとレヴィアがほっとした表情に変わった。
「大地さん!皆さんを護ってあげてください!噂の女の子も幽霊じゃないとわかったでしょう!」
フルネールが捲し立てて急かす勢いで言った。
もちろん大地も女の子が幽霊じゃないと納得している。地に足がついているし、薄く光っているけど浮いてはいなさそう。何よりしっかりと言葉を喋っていたのだ。
「ああ。そうだな!」
大地は飛び出すと女の子を護るように前へ立つ。
改めて女の子を見る。ショートヘアーで茶色の毛。服は白い上服に下は膝丈までの赤いスカート……まるで巫女服のような。それに薄く光っているのはこの服だった事もわかった。
「カイ達を護ってくれてありがとな」
近くで見ても普通の女の子だ……怖がることはない。その安堵から大地は女の子の頭の上に手を置いた。
だが考えてみてほしい。行きなり目の前に来たおっさんが自分の頭に手を置いてきたのだ。恐怖か嫌悪感で泣かれてもおかしくない事案である。
大地も内心『やべっ』と思ったが後の祭り……なのだが、大地の強さを知ってか知らずかその女の子はほっとした表情に変わっていった。
「……うん!」
女の子は最終的に元気よく返事をする。
とても可愛らしい女の子だ……だれだこの子を幽霊だなんて言った奴は!?
「フルネール、怪我人の治療を頼む!」
「はい!」
二つ返事で承諾したフルネールがマリンとオーガスに近づく。カイよりもそっちの怪我が重いと判断したのだ。
「レヴィア、俺以外を護れ!」
「わかったわ」
レヴィアは頷くと女の子の隣まで歩き、大地の代わりに頭に手を乗せるとゆっくり撫でる。
「よく頑張ったわね」
あやすように優しく言うレヴィアの表情は柔らかかった。そんな顔をするレヴィアに知り合いなのか?と聞きたかったがそれどころではなくなってしまった。白い人型のモンスターが動いたのだ。
モンスターは大地を見た瞬間、動きを止めていた。そして様子を見る。それは大地を驚異として認めているからである。
しかしモンスターが動いた。大地の注意がレヴィアへ向いたと判断したのだ。腕を勢いよく伸ばし胸を貫こうとする。
「おっさん、気を付けてくれ!そいつは生物をリビングデッド化することができる!」
カイが叫ぶと同時に大地は剣を召喚して簡単に防ぐ。
「ほぉ。しっかり調査をしたんだな」
その腕を切り落とそうと大地は剣を振るった。刃は確かに腕を通り抜けた。斬った感触もある。しかし、モンスターの腕は繋がったままだった。
「どうなってんだこりゃ……」
続いて二度三度斬りつけるが切り落とすことはできない。大地は狙いを腕からモンスターの胴体へと変えて真横に切り裂いた。
だが、斬った感触だけが残る。それがあまりにも歪で気持ち悪い。
「フルネール!こいつどうなってんだ!?気持ち悪いんだけど!!」
相手の攻撃を防ぎながら合間に斬りつけるがその過程と結果が伴わなくて大地は叫んだ。
「もう、人使いが荒いんですから!」
マリンとオーガスの治療が終わってカイの傷を癒そうとしたタイミングで呼ばれたフルネールは文句をいいながら白い人型のモンスターへと改めて目を向けた。
「あ、あー……これは、なるほど……」
一人納得しているフルネールに大地は視線をモンスターに向けたまま次の言葉を待つ。
「大地さん。これは普通のモンスターじゃありません。モンスターを核にした呪いの集合体です」
「呪いの集合体!?なんじゃそりゃ?」
「そのまんまの意味ですよ!幾つかの呪いをモンスターへ集めたようです……いえ、これはモンスターも複数集められているような気もしますね」
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カイが思わずそう口を挟んだ。聖女であれば能力不足なんてことにはならない。そう思っての事だ。
「そうですね。でも、大地さんでもいけます」
「俺が!?」
フルネールの指名に大地が驚いた。
「はい。奴隷の紋様を解呪するのと一緒ですよ!」
フルネールはそう言ったあと「頑張って!」といい笑顔で応援してくる。具体的なアドバイスま無いことで文句はあるがその笑顔でなにも言えずに大地は自身の体を発光させた。
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※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
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