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月光の花嫁
メイドコンプリート
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再びリリアが取っている宿の部屋へ戻る。倒れていたウサ耳女性をベッドに寝かしつけた後、大地を外に待たせながら全ての治療を終わらせた。
再び衣服を着せ直すのだが普段から見慣れない服のせいで着せるのが難しくて四苦八苦しているとフルネールが後ろから手解きしてくれた。
最近はフルネールに色々過ぎたことばかりされるけれど、二人目の母のように優しく教えてくれると毎日大好きだと思っていた女神様なのだと改めてリリアは思う。
無事に衣服を着せて大地が見ても問題ないと判断したリリアは彼を部屋の中へ招き入れる。
「この人はどうして倒れていたのでしょう?だいぶ疲弊していましたから……追われていたのだと思いますが、パッと見た感じ奴隷の紋様は見当たりませんでした」
治療時に紋様が刻まれそうな大体の位置を確認したがそれらしいのはなかった。
「結構傷ついていたよな。殺されそうなところから何とか逃げ出せた。と言う感じか?」
リリアの手により外傷や打撲、縄の跡はすでに治療されて消えていた。ただ、どのみち傷跡などを見てもあまり分からない大地はリリアの話から推測するしかない。
今、大地自身が言った言葉が正しい場合、かなりの厄介ごとを巻き込んでしまった可能性がある。でも今更リリアが追い出すような真似は絶対にしないのもわかりきっている事だ。
「とりあえずいつ起きるか分かりませんし、ハンナさんにこの方の看病もお願いしようと思います。たぶん栄養とって休めばよくなると思いますから」
どんな時でも飯さえ食えれば何とかなる。元の世界でも異世界でも同じだな!
その考え方はどうなのでしょう?
あれ?聞こえてた?
はい。駄々洩れでした!……それはそうと今日もレヴィアちゃんとお出かけしてきていいですか?
ん?今日もか。
はい。あ!もしかして私が居なくて寂しいですか?胸が恋しいですか?
お前どさくさに紛れて何言ってんの!?俺から触れた事なんてねぇだろ!ったく。俺は大丈夫だからレヴィアをよろしくな。
はい♪
「リリアちゃん。ごめんなさい。私とレヴィアちゃんはちょっと用事があるのでここで失礼しますね」
「あ。はい!」
フルネールとレヴィアが出て行ったあと入れ替わる様にハンナが部屋へとやってきた。
「リリア様。御用とはなんでしょう……ダイチ様?あ!まさか先ほどの続きを……!?」
ハンナがリリアから大地へと目を移して驚いた後、顔を赤らめて目を閉じる。
「ねぇよ!俺はそこの人をベッドまで運んだだけだ」
大地の言葉にベッドへ目を向けると見知らぬ女性が寝ていると分かり、ハンナは震える声で大地とリリアに尋ねた。
「……ま、まさか三人で致すのでしょうか……」
「だからしねぇよ!!」
このやり取りはどこかの女神が言いそうなことだと思いながら大地はそれでも否定する。するとハンナが一つ咳払いをした。
「すみません。今のはフルネール様からお話の流れがこうなるから今の様に返してくださいって言われまして」
アイツ何やってんの!?
「でも、本当に断るんですね」
ハンナが聞いた流れがそのままくる事でクスクスと笑い始める。
「そりゃそうだろうよ……」
少しだけ英雄と呼ばれる男がどういう人物か分かった事で嬉しくなりながらも本業に意識を戻す。
「改めましてリリア様。こちらの方の看病をさせて頂ければいいのですね?」
そうしてコツコツと地面を歩く音を立てながらベッドへ近づいていく――時に足をもつれさせてコケた。
「おっと!」
大地が倒れそうになったハンナへすかさず手を伸ばしハンナの手をキャッチ……しそこねた。そのせいで大地がドスンと音を立てて先に転んでしまい、そこにハンナが乗っかる様に倒れ込んだ。
ハンナは大地を下敷きにした事で痛みはなかった。だが代わりに接近しすぎたことへの恥ずかしさで耳まで真っ赤になるのだが、すぐに顔を青ざめさせた。
「わわ。ハンナさん大丈夫ですか!?」
リリアがそう声をかけた事でハンナは急いで退こうとする。なにせ今下敷きにしているのはリリアの大事な客と言ってもいい大地なのだ。本来ならメイドを首にされていてもおかしくないような失敗である。だから慌てた。慌てたから地面についた手に力を込める方向がズレてしまい、手が地面を滑るように動いてしまった。その結果、ハンナは自身の体を大地へ押し付けるような形になってしまったのだ。
「わー。ごめんなさい!ごめんなさい!」
更なる失態で焦りは増すばかりだ。大地としては下手に動けば『こちらから彼女に触れた』という事実を作ってしまいかねないし、そう言った話は直ぐに広まってしまうだろう。
そうなればリリアからは「ダイチさんってそういう人なんですね?」とか、アーデルハイドからは「リリアに近づくのはちょっとやめてもらえないか?あ、私にも5メートル以上離れてくれよ?」とか、フルネールからは「ダイチさんならいつかやると思ってました」等と言われてしまう……気がする。
今大地が出来る事は声をかける事だけだ。
「あー。大丈夫だから落ち着いてくれ、ゆっくりでいいから立ち上がってくれればいいよ」
珍しく大地が失言をしたのが分かっただろうか。ハンナは大地の言葉で少しだけ冷静さを取り戻しその場で立ち上がる。そのハンナの動きの途中で大地は気づき何かが見える前に自分の視界を両手で完璧に隠すのだった。
「はい。ありがとうございま……す。ダイチ様?どうされました?」
それにまだ気づかないハンナは立ち上がったまま首をかしげる。大地の行動が理解出来ていないのだ。それ故に大地は目を隠しながら上半身だけ起き上がるとようやく視界を覆っていた両手を離すのだった。
「いや……何でもないから気にしないでほしい」
渡りきった。大地は一歩間違えれば通報案件となる極細い綱を渡りきったのである。女の子を立つように促しておきながらスカートの中を覗けば……更なる変態扱いは避けられない。
女の子に触れてラッキーだとか、女の子の下着が見えてYES!だって思えるのは自分の身が100%安全だとわかっている時だけだ。
或いは先が分かっていない子供の時代だけなのだ。コレがきっと大人になるという事だと大地は苦々しく思う。
「ダイチ様。本当に申し訳ございません。なんとお詫びしたらよろしいでしょうか」
立ち上がった大地にハンナは深々と頭を下げた。少し声が震えているのは怖がっていることの表れだろう。リリアが王女で聖女という事はその連れである大地にした事を考えれば処罰される。そう思っているようだ。
だが……大地からしたら処罰なんてとんでもない。むしろ金を出して『こちらをお納めください』と言って渡してもいいくらいだ。……金ないけど。
「大丈夫ですよ!ダイチさんはそんな事で怒ったりしませんよ!」
リリアがさも当然だと言う様に言いきった。実際にリリアが被害にあってはいないので割って入ってくるのは少し違うようにも思えるが……とはいえリリアの言う通りで怒ってはいない。しかもここで便乗すれば下心がないとアピールすることもできる。
持つべきは聖女様だと心の中で思いながらリリアの言葉に便乗する様に大地は頷いた。
「ああ。リリアの言う通りだ。怒ってないから頭をあげてくれるか?」
ハンナはゆっくりと頭を上げた。恐る恐るといった様子で動いていた。それは大地の顔を見るまでは怖かったのかもしれない。でも、大地の顔を見た途端にホッとした。普段しないような粗相をしたにもかかわらず二人が言っている事が本当だと大地の表情からわかったからだ。
「あの……ありがとうございます」
「お礼を言われるのもなかなか複雑だな」
頬を指でかきながらベッドで眠る女性へ視線を移して大地は言った。
「とりあえず彼女のことを俺からも頼むよ」
隣でリリアも頷いていることもありハンナは綺麗にお辞儀しながら「かしこまりました」と快く引き受けてくれたのだった。
再び衣服を着せ直すのだが普段から見慣れない服のせいで着せるのが難しくて四苦八苦しているとフルネールが後ろから手解きしてくれた。
最近はフルネールに色々過ぎたことばかりされるけれど、二人目の母のように優しく教えてくれると毎日大好きだと思っていた女神様なのだと改めてリリアは思う。
無事に衣服を着せて大地が見ても問題ないと判断したリリアは彼を部屋の中へ招き入れる。
「この人はどうして倒れていたのでしょう?だいぶ疲弊していましたから……追われていたのだと思いますが、パッと見た感じ奴隷の紋様は見当たりませんでした」
治療時に紋様が刻まれそうな大体の位置を確認したがそれらしいのはなかった。
「結構傷ついていたよな。殺されそうなところから何とか逃げ出せた。と言う感じか?」
リリアの手により外傷や打撲、縄の跡はすでに治療されて消えていた。ただ、どのみち傷跡などを見てもあまり分からない大地はリリアの話から推測するしかない。
今、大地自身が言った言葉が正しい場合、かなりの厄介ごとを巻き込んでしまった可能性がある。でも今更リリアが追い出すような真似は絶対にしないのもわかりきっている事だ。
「とりあえずいつ起きるか分かりませんし、ハンナさんにこの方の看病もお願いしようと思います。たぶん栄養とって休めばよくなると思いますから」
どんな時でも飯さえ食えれば何とかなる。元の世界でも異世界でも同じだな!
その考え方はどうなのでしょう?
あれ?聞こえてた?
はい。駄々洩れでした!……それはそうと今日もレヴィアちゃんとお出かけしてきていいですか?
ん?今日もか。
はい。あ!もしかして私が居なくて寂しいですか?胸が恋しいですか?
お前どさくさに紛れて何言ってんの!?俺から触れた事なんてねぇだろ!ったく。俺は大丈夫だからレヴィアをよろしくな。
はい♪
「リリアちゃん。ごめんなさい。私とレヴィアちゃんはちょっと用事があるのでここで失礼しますね」
「あ。はい!」
フルネールとレヴィアが出て行ったあと入れ替わる様にハンナが部屋へとやってきた。
「リリア様。御用とはなんでしょう……ダイチ様?あ!まさか先ほどの続きを……!?」
ハンナがリリアから大地へと目を移して驚いた後、顔を赤らめて目を閉じる。
「ねぇよ!俺はそこの人をベッドまで運んだだけだ」
大地の言葉にベッドへ目を向けると見知らぬ女性が寝ていると分かり、ハンナは震える声で大地とリリアに尋ねた。
「……ま、まさか三人で致すのでしょうか……」
「だからしねぇよ!!」
このやり取りはどこかの女神が言いそうなことだと思いながら大地はそれでも否定する。するとハンナが一つ咳払いをした。
「すみません。今のはフルネール様からお話の流れがこうなるから今の様に返してくださいって言われまして」
アイツ何やってんの!?
「でも、本当に断るんですね」
ハンナが聞いた流れがそのままくる事でクスクスと笑い始める。
「そりゃそうだろうよ……」
少しだけ英雄と呼ばれる男がどういう人物か分かった事で嬉しくなりながらも本業に意識を戻す。
「改めましてリリア様。こちらの方の看病をさせて頂ければいいのですね?」
そうしてコツコツと地面を歩く音を立てながらベッドへ近づいていく――時に足をもつれさせてコケた。
「おっと!」
大地が倒れそうになったハンナへすかさず手を伸ばしハンナの手をキャッチ……しそこねた。そのせいで大地がドスンと音を立てて先に転んでしまい、そこにハンナが乗っかる様に倒れ込んだ。
ハンナは大地を下敷きにした事で痛みはなかった。だが代わりに接近しすぎたことへの恥ずかしさで耳まで真っ赤になるのだが、すぐに顔を青ざめさせた。
「わわ。ハンナさん大丈夫ですか!?」
リリアがそう声をかけた事でハンナは急いで退こうとする。なにせ今下敷きにしているのはリリアの大事な客と言ってもいい大地なのだ。本来ならメイドを首にされていてもおかしくないような失敗である。だから慌てた。慌てたから地面についた手に力を込める方向がズレてしまい、手が地面を滑るように動いてしまった。その結果、ハンナは自身の体を大地へ押し付けるような形になってしまったのだ。
「わー。ごめんなさい!ごめんなさい!」
更なる失態で焦りは増すばかりだ。大地としては下手に動けば『こちらから彼女に触れた』という事実を作ってしまいかねないし、そう言った話は直ぐに広まってしまうだろう。
そうなればリリアからは「ダイチさんってそういう人なんですね?」とか、アーデルハイドからは「リリアに近づくのはちょっとやめてもらえないか?あ、私にも5メートル以上離れてくれよ?」とか、フルネールからは「ダイチさんならいつかやると思ってました」等と言われてしまう……気がする。
今大地が出来る事は声をかける事だけだ。
「あー。大丈夫だから落ち着いてくれ、ゆっくりでいいから立ち上がってくれればいいよ」
珍しく大地が失言をしたのが分かっただろうか。ハンナは大地の言葉で少しだけ冷静さを取り戻しその場で立ち上がる。そのハンナの動きの途中で大地は気づき何かが見える前に自分の視界を両手で完璧に隠すのだった。
「はい。ありがとうございま……す。ダイチ様?どうされました?」
それにまだ気づかないハンナは立ち上がったまま首をかしげる。大地の行動が理解出来ていないのだ。それ故に大地は目を隠しながら上半身だけ起き上がるとようやく視界を覆っていた両手を離すのだった。
「いや……何でもないから気にしないでほしい」
渡りきった。大地は一歩間違えれば通報案件となる極細い綱を渡りきったのである。女の子を立つように促しておきながらスカートの中を覗けば……更なる変態扱いは避けられない。
女の子に触れてラッキーだとか、女の子の下着が見えてYES!だって思えるのは自分の身が100%安全だとわかっている時だけだ。
或いは先が分かっていない子供の時代だけなのだ。コレがきっと大人になるという事だと大地は苦々しく思う。
「ダイチ様。本当に申し訳ございません。なんとお詫びしたらよろしいでしょうか」
立ち上がった大地にハンナは深々と頭を下げた。少し声が震えているのは怖がっていることの表れだろう。リリアが王女で聖女という事はその連れである大地にした事を考えれば処罰される。そう思っているようだ。
だが……大地からしたら処罰なんてとんでもない。むしろ金を出して『こちらをお納めください』と言って渡してもいいくらいだ。……金ないけど。
「大丈夫ですよ!ダイチさんはそんな事で怒ったりしませんよ!」
リリアがさも当然だと言う様に言いきった。実際にリリアが被害にあってはいないので割って入ってくるのは少し違うようにも思えるが……とはいえリリアの言う通りで怒ってはいない。しかもここで便乗すれば下心がないとアピールすることもできる。
持つべきは聖女様だと心の中で思いながらリリアの言葉に便乗する様に大地は頷いた。
「ああ。リリアの言う通りだ。怒ってないから頭をあげてくれるか?」
ハンナはゆっくりと頭を上げた。恐る恐るといった様子で動いていた。それは大地の顔を見るまでは怖かったのかもしれない。でも、大地の顔を見た途端にホッとした。普段しないような粗相をしたにもかかわらず二人が言っている事が本当だと大地の表情からわかったからだ。
「あの……ありがとうございます」
「お礼を言われるのもなかなか複雑だな」
頬を指でかきながらベッドで眠る女性へ視線を移して大地は言った。
「とりあえず彼女のことを俺からも頼むよ」
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