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温泉の中の金と銀
香り亀の臭いにはご用心
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クラリスとレヴィアはセントトータスへと対峙していた。一見、速攻で倒し終わるものかと思われたがセントトータスの非常に硬い甲羅を二人は砕くことが出来ないでいた。
「もう!なんなのよこれは!!」
レヴィアが巨大なハンマーを氷で作り上げてガツンガツンと振り下ろし続けるというシュールな絵を作り続けている。
少し前に一瞬で終わらせようとレヴィアが巨大な氷の槍を上空に作り上げて放った所から始まった。その氷の槍はセントトータスの甲羅に当たったのだがヒビが入ることもなく期待した結果にはならず、続いてクラリスが力を込めてぶっ叩いたのだがこれも意味をなさなかった。
元々雑魚のセントトータスを一撃で終わらせられなかった事からレヴィアの頭に血が上り様々な氷魔法をぶつけた。小さい氷塊を連続で放ったり、氷柱を真上から落としたり、氷のツララを地面から出して串刺しにしようとしたり。だが、何れもセントトータスを傷付ける事すら出来なかったのだ。
そこでクラリスから「継続的に叩いて割る方がいいのかな?」と言われたことで叩きやすそうなハンマーを作ったのだ。
「凄く……硬い」
同じくひたすら拳を叩きつけているが怯む様子をまったくと言っていいほどに見せない。唯一の救いはこのモンスターが首と手足を甲羅の中に引きこもってくれて攻撃をしてこないことだ。
どんな戦いかたをしてくるかわからないのが怖くもあるが……。そもそもセントトータスがランクBなのはその無害さゆえだ。歩く速度は遅く辺鄙な山にしかいない。そんな事でランクはある程度あっても討伐依頼では出てこない。ただ逆を言えばそれ故にモンスターの情報がかなり少ないのだ。
「……何か……変な匂いしない?」
クラリスが気づいたように聞くとレヴィアもその匂いが気になりだし、クラリスもレヴィアも手を止めた。
「この匂いは何かしら?」
少し甘いような匂いが漂ってきた。
うんともすんとも言わないモンスターに辟易していたこともあって叩いた手を休めるのには十分な理由になると考えたクラリスは手を止めて匂いのもとを探す事にした。
しかし、その手を休める理由は呆気なく終わってしまう。ものの数秒で匂いを放つ発生源を匂いの濃さで突き止めたのだ。その場所はセントトータスの甲羅からだ。
「ここから……?」
呟いたクラリスはとても嫌な予感がした。何かが起きようとしている。それはレヴィアにはない嗅覚だ。ハンターとして日々戦ってきたクラリスだからこそ危険を敏感に察知する。
「レヴィアちゃん!ここから離れるよ」
クラリスがその言葉を発したタイミングでセントトータスは甲羅が火花を散らすと一気に爆発した。
爆音と爆風と爆炎が辺りを包みその衝撃に二人は短い悲鳴をあげる。何かの魔法かどうかすらわからなかった。気づいた時には吹っ飛んでいたのだ。
「痛い、何が起きたの~?」
目を回す程度ですんだレヴィアと違いクラリスは地面に体を打ち付けた痛みに耐えていた。それでも立ち上がりながら回りを見た。
「大変!火が!!」
草木が燃えていた。爆発の火が燃え移ったのだ。このままじゃここら一帯が丸焼けの大惨事になってしまう。
しかし、セントトータスが攻撃を止めることはない。
「甘い香り……」
その臭いを感じた瞬間、クラリスは横に飛び退いた。その直後にセントトータスからクラリスがいた位置まで一直線に爆発が生じた。
「レヴィアちゃん、甘い匂いがしたらその場所から離れて!」
クラリスはようやく敵の攻撃方法を見極めることができた。
敵の攻撃の正体は恐らく可燃性ガスによる爆発だ。甘い匂いで獲物を引き寄せ爆発して仕留める罠を張るのだろう。だが、皮肉にも戦いであればその匂いで攻撃は見極められる。
ただ、一つだけ想定外の事がある。それは敵の攻撃頻度だ。ガスを出してから火花を散らすこの二つの動作によって攻撃を繰り出した後にインターバルがあると踏んだのだが、それが無いようで絶え間なく爆発を起こしてくる。
「もう、なんなのよー!」
怒りを露にしながらレヴィアは爆風に正面から突っ込んで手に氷を纏ってクラリスのように拳を振るう。だけど音が鳴り響くだけでダメージが通っている様子は見えない。
「きゃぁっ!」
またもや爆発に巻き込まれたクラリスが悲鳴をあげながら吹き飛んだ。致命傷にならないが浴衣はだいぶボロボロになってきてしまっている。
しかし、その浴衣よりもここまでこけにされたことで堪忍袋の緒が切れたクラリスがゆらりと立ち上がった。
「レヴィアちゃん。火を消すことって……出来る?」
「え?……それは簡単だけど今消してもすぐに燃やされちゃうんじゃない?」
「それじゃあお願いね。今からこのモンスターを全力でなぐるから……」
拳に魔力を集中させながらセントトータスへと近づいていくと、セントトータスはクラリスのやべぇ気配を察知したのか甲羅ががたがた動き出す。甲羅に入ったまま逃げようとしているのだ。
クラリスの握った拳、その先に真っ赤な球体が出来ている。よく見るとそれは小さな太陽の様に燃え盛っていた。
「奇遇だよね。あなたも私も火を使うなんて……。でも回りが燃えるから気を遣って使わなかったのにあなただけ使うのはずるいよね?」
小さな太陽は液体のように変化すると拳へとまとわりついた。その灼熱の余波がクラリスの回りの地面を燃やしていく。
さらに一歩近づくと逃げることを諦めたセントトータスは甲羅を回し始めた。何かの攻撃かとも思われたが甲羅を起き上がらせて硬い面をクラリスに向ける。そして、セントトータスの背面からモンスターの一部が射出されて甲羅を支えた。
「大丈夫、怖がらないで。手しか使わないし音速をちょっと越えるだけだから……」
セントトータスの目の前についたクラリスは既に拳の間合いだ。
魔法と技術を組み合わせる者は少なくない。例えば弓矢で射る時に矢に風属性魔法を纏わせ風の刃を形成したり。例えば剣に地属性魔法を纏わせて巨大な鋼鉄の剣を形成したり。例えば靴に水属性魔法を纏わせて水上を歩いたり。
これらを大きい区別では魔技と呼ばれ、細かくなってくると魔法剣や魔法弓と呼ぶ者もいる。
クラリスがこれから使う魔技は扱いが難しく未熟ゆえに自分の回りが燃えてしまうのだ。だが、この魔技は非常に強力な効果をもたらす。
「いくよ!」
クラリスが拳を振るった。
その拳はセントトータスの甲羅に到達する前に音の壁を突破して破裂音を響かせる。そして拳が甲羅へ衝突した瞬間、纏った焔が爆発した。
しかし、クラリス自身はその爆炎も爆風も浴びるが本の少しだけでとどまる。それは爆発規模が小さい訳ではない。爆発の殆どを圧縮して拳の先へ放ったからだ。
音速を越える拳の威力と圧縮された爆発を受けたセントトータスの甲羅にはどでかい穴が空いた。
「ふぅ」
とクラリスが一息入れるがパチパチとする音が近くから聞こえてくる。魔技の余波で更に燃えてしまっているのだろう。早くレヴィアに火を消してもらわなければ。
「クラリス……あなた大丈夫なの?」
レヴィアが心配そうに聞いてきた。確かに音速で動かせば肉体への被害は計り知れないものがあるが、クラリスが持つ亜人の肉体。それを魔力で覆ったからこそ成せる魔技なのである。
「大丈夫だよ。私の体はやわじゃないから」
元気に言葉を返すとレヴィアが首をかしげてもう一度聞く。
「服が燃えてるみたいだけど熱くないの?」
「え?……きゃあ!早く消してーー!!」
燃え移っていた火が浴衣を少しずつ焦がしていくのを見て慌ててレヴィアに泣きつく。その直後、大きな水の塊が落ちてきて回りの火を即座に水浸しにした(クラリス含む)。
「あ、ありがとう」
回りの火が消えたのは嬉しいが浴衣が肌に張り付いてしまって体のラインが強調されてしまった。しかも、浴衣がボロボロになってしまっている。何度も受けた爆発の影響で所々に空いた穴からクラリスの肌を除かせる。こんなはしたない姿を人に見られたくない。大地には特にだ。
「これじゃあダイチさんの前にでれないよぉ……」
これがモンスターとの戦いに勝利した言葉だった。
「もう!なんなのよこれは!!」
レヴィアが巨大なハンマーを氷で作り上げてガツンガツンと振り下ろし続けるというシュールな絵を作り続けている。
少し前に一瞬で終わらせようとレヴィアが巨大な氷の槍を上空に作り上げて放った所から始まった。その氷の槍はセントトータスの甲羅に当たったのだがヒビが入ることもなく期待した結果にはならず、続いてクラリスが力を込めてぶっ叩いたのだがこれも意味をなさなかった。
元々雑魚のセントトータスを一撃で終わらせられなかった事からレヴィアの頭に血が上り様々な氷魔法をぶつけた。小さい氷塊を連続で放ったり、氷柱を真上から落としたり、氷のツララを地面から出して串刺しにしようとしたり。だが、何れもセントトータスを傷付ける事すら出来なかったのだ。
そこでクラリスから「継続的に叩いて割る方がいいのかな?」と言われたことで叩きやすそうなハンマーを作ったのだ。
「凄く……硬い」
同じくひたすら拳を叩きつけているが怯む様子をまったくと言っていいほどに見せない。唯一の救いはこのモンスターが首と手足を甲羅の中に引きこもってくれて攻撃をしてこないことだ。
どんな戦いかたをしてくるかわからないのが怖くもあるが……。そもそもセントトータスがランクBなのはその無害さゆえだ。歩く速度は遅く辺鄙な山にしかいない。そんな事でランクはある程度あっても討伐依頼では出てこない。ただ逆を言えばそれ故にモンスターの情報がかなり少ないのだ。
「……何か……変な匂いしない?」
クラリスが気づいたように聞くとレヴィアもその匂いが気になりだし、クラリスもレヴィアも手を止めた。
「この匂いは何かしら?」
少し甘いような匂いが漂ってきた。
うんともすんとも言わないモンスターに辟易していたこともあって叩いた手を休めるのには十分な理由になると考えたクラリスは手を止めて匂いのもとを探す事にした。
しかし、その手を休める理由は呆気なく終わってしまう。ものの数秒で匂いを放つ発生源を匂いの濃さで突き止めたのだ。その場所はセントトータスの甲羅からだ。
「ここから……?」
呟いたクラリスはとても嫌な予感がした。何かが起きようとしている。それはレヴィアにはない嗅覚だ。ハンターとして日々戦ってきたクラリスだからこそ危険を敏感に察知する。
「レヴィアちゃん!ここから離れるよ」
クラリスがその言葉を発したタイミングでセントトータスは甲羅が火花を散らすと一気に爆発した。
爆音と爆風と爆炎が辺りを包みその衝撃に二人は短い悲鳴をあげる。何かの魔法かどうかすらわからなかった。気づいた時には吹っ飛んでいたのだ。
「痛い、何が起きたの~?」
目を回す程度ですんだレヴィアと違いクラリスは地面に体を打ち付けた痛みに耐えていた。それでも立ち上がりながら回りを見た。
「大変!火が!!」
草木が燃えていた。爆発の火が燃え移ったのだ。このままじゃここら一帯が丸焼けの大惨事になってしまう。
しかし、セントトータスが攻撃を止めることはない。
「甘い香り……」
その臭いを感じた瞬間、クラリスは横に飛び退いた。その直後にセントトータスからクラリスがいた位置まで一直線に爆発が生じた。
「レヴィアちゃん、甘い匂いがしたらその場所から離れて!」
クラリスはようやく敵の攻撃方法を見極めることができた。
敵の攻撃の正体は恐らく可燃性ガスによる爆発だ。甘い匂いで獲物を引き寄せ爆発して仕留める罠を張るのだろう。だが、皮肉にも戦いであればその匂いで攻撃は見極められる。
ただ、一つだけ想定外の事がある。それは敵の攻撃頻度だ。ガスを出してから火花を散らすこの二つの動作によって攻撃を繰り出した後にインターバルがあると踏んだのだが、それが無いようで絶え間なく爆発を起こしてくる。
「もう、なんなのよー!」
怒りを露にしながらレヴィアは爆風に正面から突っ込んで手に氷を纏ってクラリスのように拳を振るう。だけど音が鳴り響くだけでダメージが通っている様子は見えない。
「きゃぁっ!」
またもや爆発に巻き込まれたクラリスが悲鳴をあげながら吹き飛んだ。致命傷にならないが浴衣はだいぶボロボロになってきてしまっている。
しかし、その浴衣よりもここまでこけにされたことで堪忍袋の緒が切れたクラリスがゆらりと立ち上がった。
「レヴィアちゃん。火を消すことって……出来る?」
「え?……それは簡単だけど今消してもすぐに燃やされちゃうんじゃない?」
「それじゃあお願いね。今からこのモンスターを全力でなぐるから……」
拳に魔力を集中させながらセントトータスへと近づいていくと、セントトータスはクラリスのやべぇ気配を察知したのか甲羅ががたがた動き出す。甲羅に入ったまま逃げようとしているのだ。
クラリスの握った拳、その先に真っ赤な球体が出来ている。よく見るとそれは小さな太陽の様に燃え盛っていた。
「奇遇だよね。あなたも私も火を使うなんて……。でも回りが燃えるから気を遣って使わなかったのにあなただけ使うのはずるいよね?」
小さな太陽は液体のように変化すると拳へとまとわりついた。その灼熱の余波がクラリスの回りの地面を燃やしていく。
さらに一歩近づくと逃げることを諦めたセントトータスは甲羅を回し始めた。何かの攻撃かとも思われたが甲羅を起き上がらせて硬い面をクラリスに向ける。そして、セントトータスの背面からモンスターの一部が射出されて甲羅を支えた。
「大丈夫、怖がらないで。手しか使わないし音速をちょっと越えるだけだから……」
セントトータスの目の前についたクラリスは既に拳の間合いだ。
魔法と技術を組み合わせる者は少なくない。例えば弓矢で射る時に矢に風属性魔法を纏わせ風の刃を形成したり。例えば剣に地属性魔法を纏わせて巨大な鋼鉄の剣を形成したり。例えば靴に水属性魔法を纏わせて水上を歩いたり。
これらを大きい区別では魔技と呼ばれ、細かくなってくると魔法剣や魔法弓と呼ぶ者もいる。
クラリスがこれから使う魔技は扱いが難しく未熟ゆえに自分の回りが燃えてしまうのだ。だが、この魔技は非常に強力な効果をもたらす。
「いくよ!」
クラリスが拳を振るった。
その拳はセントトータスの甲羅に到達する前に音の壁を突破して破裂音を響かせる。そして拳が甲羅へ衝突した瞬間、纏った焔が爆発した。
しかし、クラリス自身はその爆炎も爆風も浴びるが本の少しだけでとどまる。それは爆発規模が小さい訳ではない。爆発の殆どを圧縮して拳の先へ放ったからだ。
音速を越える拳の威力と圧縮された爆発を受けたセントトータスの甲羅にはどでかい穴が空いた。
「ふぅ」
とクラリスが一息入れるがパチパチとする音が近くから聞こえてくる。魔技の余波で更に燃えてしまっているのだろう。早くレヴィアに火を消してもらわなければ。
「クラリス……あなた大丈夫なの?」
レヴィアが心配そうに聞いてきた。確かに音速で動かせば肉体への被害は計り知れないものがあるが、クラリスが持つ亜人の肉体。それを魔力で覆ったからこそ成せる魔技なのである。
「大丈夫だよ。私の体はやわじゃないから」
元気に言葉を返すとレヴィアが首をかしげてもう一度聞く。
「服が燃えてるみたいだけど熱くないの?」
「え?……きゃあ!早く消してーー!!」
燃え移っていた火が浴衣を少しずつ焦がしていくのを見て慌ててレヴィアに泣きつく。その直後、大きな水の塊が落ちてきて回りの火を即座に水浸しにした(クラリス含む)。
「あ、ありがとう」
回りの火が消えたのは嬉しいが浴衣が肌に張り付いてしまって体のラインが強調されてしまった。しかも、浴衣がボロボロになってしまっている。何度も受けた爆発の影響で所々に空いた穴からクラリスの肌を除かせる。こんなはしたない姿を人に見られたくない。大地には特にだ。
「これじゃあダイチさんの前にでれないよぉ……」
これがモンスターとの戦いに勝利した言葉だった。
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