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王族からは逃げられない
ドリンク休憩はこれ一本
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モンスターを全滅させたところで一度休憩をとる事にした。
「ダイチさんも飲みますか?」
今リリアが飲んでいる飲み物は魔力を回復する効果がある。
もともと魔力は自然に回復していくもので基本的には8時間の睡眠をとる事で十分回復されると言われている。だが、睡眠等で体を休める行動をとらない場合、その2倍は時間がかかると見る方がよい。
そこで、今リリアが飲んでいるドリンク。魔力モドリンクというまさかのネーミングセンスで販売されているのだが、効果は素晴らしく、並みの魔法使いなら1本飲めば全快する。
因みにフルネールに聞いたところ中身は青く味はブルーハワイ味だそうだ。
因みにの因みに同じ種類のドリンクとして、傷を癒す『怪我モドリンク』という緑色のメロン味と、疲れを癒す『体力モドリンク』という赤色のイチゴ味が有るそうだ。
「いや、俺は特に魔力不足は感じてないから大丈夫だ」
「え?たぶん私より魔力消費してますよね?」
「そうなのか?あまり実感ないんだが」
「ん~そうですねぇ。大地さんの魔法の消費量はリリアちゃんの3倍くらいですね」
軽く言ってのけるフルネールの言葉にリリアは流石に青ざめる。
リリアの魔力量は並みの魔法使いを軽く陵駕する。そのリリアが今回、自分の半分程の魔力を消費したのだ。その3倍の量を大地は消費したとフルネールは言う。
「それはすごく大変じゃないですか!」
魔力の消費について一つだけ注意点がある。短い間隔で自分の総魔力の三分の二を一気に減らしてはいけない。これを行ってしまうと体内のバランスが一気に崩れてしまい体調に悪影響を与えてしまうのだ。
「ダイチさん!早くこれを飲んでください!」
すでにリリアが半分飲んだと思われる魔力モドリンクを大地に押し付けるように渡そうとしてくる。
大地さんチャンスですよ!関節キッスの……チャンスですよ!!
何がチャンスか!っていうか俺このドリンク飲まないとヤバいのか?
それは別に飲まなくても全然問題な……あ!いえ!飲まないと死にます!
おおう、明らかな嘘をありがとよ。
えー。私の馬鹿ぁ。もう少しだったのに……。
はぁ。何を言っているんだ。っていうか飲まなくていいならその方がいいだろう。
……まぁ、大地さんの魔力量は女神との契約によって非常に高くなっているんですよね。
「いや、俺は大丈夫だからリリアの魔力をしっかり回復してくれ」
「でも、もしダイチさんが魔法を使って魔力が三分の二ほど減っていましたら倒れてしまうんですよ!」
そうなのか?
ええ。短い感覚で体内の魔力を一気に減らすと力が入らなくなって倒れて、体全体が痙攣して、最後には意識が飛びますね。
こわ。それ死ぬ奴か?
えーっと、場合によっては?でも、大地さんの魔力量ならほぼ起きないでしょうね。
そ、そうか。
「心配してくれてありがとな。でも俺はかなり魔力があるらしいから大丈夫だ」
「……本当に大丈夫なんですか?」
それでも心配そうに見てくるリリアは食い下がるように飲みかけのドリンクを差し出してくる。
「同じように自分は大丈夫だって言ってた人が倒れるの見たことがあります。だから……」
ここまで心配するのは俺もそうなるかもしれないってことか。
もう、せっかくだし貰っちゃえばいいじゃないですか?リリアちゃんとの間接キスですよ!!それとも照れてるんですか?
アホか。今時、間接キスの一つや二つで照れたりしねえよ!
まぁ大地さんは汚い大人なのでそうでしょうけど。
おおう、その言い方悪意たっぷりだな。
でも、リリアちゃんは違います!大地さんが飲んだら囁いて恥ずかしがるリリアちゃんを拝むチャンスですよ!!
俺が汚い大人なら、お前は汚い女神だ。そんなこと聞いたら余計に飲むわけにはいかないな。
むー、女神に向かって汚いとは何ですか。仕方ない。プランBでいきますか。大地さんが動いてくれないから。
なんで俺が悪いみたいになってるんだ……?
「リリアちゃん」
「フルネールさん?」
フルネールがリリアに近づくといつも通り?リリアの耳元に唇を近づけ、彼女だけに聞こえるように囁く。
「それを渡したらリリアちゃんとの……間接キスになりますよ?いいんですか~?」
最後の方を少しねっとりと扇情的な言い方をする。すると、フルネールの物言いか、はたまた『キス』という言葉か。どちらの理由かはリリア以外わからないが、そのリリアの顔が一瞬で赤く染まるのだ。
「えと……その……でも!」
短い葛藤の末、それでも倒れてほしくないという思いが勝ったらしく大地へドリンクを渡したい意思をフルネールに見せる。
ああもう!いじらしくて可愛いですねー!もう、飲んであげた方がいいんじゃないですか?
俺の魔力は十分なんだろ?んでリリアは結構減っているんだろ?なら、リリアの魔力をしっかり回復させてやらないとダメだろ。
……そうですけど、残念です。
残念がるなよ……。
大地が脳内の会話で疲労感を覚えているなか、フルネールはリリアへの耳打ちを続けた。
「大丈夫ですよ。大地さんの魔力量は女神の私が保証します。ですから、リリアちゃんはしっかり魔力を回復するために自分で飲んでください」
それでようやくリリアは納得したのか小さく「はい」と返事をして魔力モドリンクを飲み干すのだった。
そんな一幕を終わらせるとアーデルハイドが近づいてきた。
「見事な魔法だな。魔法で武器を出し入れしているのか」
その口ぶりは貴方の魔法はすべてわかっているよ。という風であった。
「しかし、あんな武器を作れる国があるのか……」
一部マンガやゲームの世界からパクってきてるし、それはどうだろう?
「あー、俺のは創造魔法というらしくてな。取り出してるんじゃないんだ」
「なっ……」
美人は驚いていても美人である。これぞ格言だな。
「それは本当なのか……?」
アーデルハイドか驚く理由はいくつかある。その最たるは創造魔法ということになるが、大地が隠さずに言ってきたことも驚く理由の一つだ。
本当に創造魔法出会った場合、誰にも言わずに隠し通すものだ。出なければ最悪、暗殺者に狙われる可能性すらあるのだから。それほど貴重で危険視される魔法なのである。
「ああ。女神がそう言ってたからそうだと思うぞ?」
なにも隠さずに言う目の前の男は馬鹿なのだろうか?いや……もしかしたら何もわかっていない可能性もある。というか、もう一つ気になる事を言っていた。
「女神様……だと?会ったことあるのか?」
「直接この魔法貰ったからな」
あの後ろにいるのが女神なんだがな!
呼びました?
女神に会ったと言ったらアーデルハイドが驚いてるぞ?
えっへん!私はだいたいの人から信仰されてますからね!あ、でも、アーデにはまだ私が女神って言わないでくださいね?
ん?いいけど、なにか理由があるのか?
ありますよ!その理由は……。
理由は?
黙っていた方が面白くなりそうだからです!!
……はい。
何時ものフルネールに何も言えなくなった大地は何かを考えるように固まっているアーデルハイドに語りかける。
「おーい。大丈夫か?」
「すまない。ダイチの武器や魔法を見る限り嘘は言っていないのだろう」
「王女様に嘘だなんてとんでもない」
大袈裟に言う大地に少しだけクスリと笑うアーデルハイド。
「一つだけ忠告しておくよ。あまりその魔法について他者に知られない方がいい。君を悪用しようとするか消そうとするか。そう言う権力をもった輩が現れるぞ?」
「それは怖いな、気を付けるとしよう。でも、アーデルハイドになら言っても大丈夫だろ?」
お父様、お母様、そして、お兄様ほどではないにしろ自分もそう言った権力は当然持っている。大地は自分の事を『王女』と呼ぶのだから、もちろん、その事はわかっているはずなのだ。
「それは私を信頼して言ってくれているのかな?」
「ん?ああ。最初はリリアが信頼しているから信じる程度だったが、今は信頼してもいいかな。と思っている」
「それはどうして?」
先程の戦いの中、リリアだけじゃなくフルネールや俺を見て安否を確かめてたり、ピンチになったときに全員を助けるために何かしようとしていたのを見ているからだ。
もちろん、戦闘能力に秀でてなければできないがアーデルハイドの動きは問題なさそうで……というより、明らかに視線配りや動きは大地など足元にも及ばないのだ。
何にせよアーデルハイドは自分だけ逃げずに仲間を大事にする人間。と言うことがわかってしまったので大地としては信頼できるだろうと感じている。
――が、大地は汚い大人なのでちゃんとした理由は話さずに適当な一言で終わらせた。
「ただの勘だ」
「ダイチさんも飲みますか?」
今リリアが飲んでいる飲み物は魔力を回復する効果がある。
もともと魔力は自然に回復していくもので基本的には8時間の睡眠をとる事で十分回復されると言われている。だが、睡眠等で体を休める行動をとらない場合、その2倍は時間がかかると見る方がよい。
そこで、今リリアが飲んでいるドリンク。魔力モドリンクというまさかのネーミングセンスで販売されているのだが、効果は素晴らしく、並みの魔法使いなら1本飲めば全快する。
因みにフルネールに聞いたところ中身は青く味はブルーハワイ味だそうだ。
因みにの因みに同じ種類のドリンクとして、傷を癒す『怪我モドリンク』という緑色のメロン味と、疲れを癒す『体力モドリンク』という赤色のイチゴ味が有るそうだ。
「いや、俺は特に魔力不足は感じてないから大丈夫だ」
「え?たぶん私より魔力消費してますよね?」
「そうなのか?あまり実感ないんだが」
「ん~そうですねぇ。大地さんの魔法の消費量はリリアちゃんの3倍くらいですね」
軽く言ってのけるフルネールの言葉にリリアは流石に青ざめる。
リリアの魔力量は並みの魔法使いを軽く陵駕する。そのリリアが今回、自分の半分程の魔力を消費したのだ。その3倍の量を大地は消費したとフルネールは言う。
「それはすごく大変じゃないですか!」
魔力の消費について一つだけ注意点がある。短い間隔で自分の総魔力の三分の二を一気に減らしてはいけない。これを行ってしまうと体内のバランスが一気に崩れてしまい体調に悪影響を与えてしまうのだ。
「ダイチさん!早くこれを飲んでください!」
すでにリリアが半分飲んだと思われる魔力モドリンクを大地に押し付けるように渡そうとしてくる。
大地さんチャンスですよ!関節キッスの……チャンスですよ!!
何がチャンスか!っていうか俺このドリンク飲まないとヤバいのか?
それは別に飲まなくても全然問題な……あ!いえ!飲まないと死にます!
おおう、明らかな嘘をありがとよ。
えー。私の馬鹿ぁ。もう少しだったのに……。
はぁ。何を言っているんだ。っていうか飲まなくていいならその方がいいだろう。
……まぁ、大地さんの魔力量は女神との契約によって非常に高くなっているんですよね。
「いや、俺は大丈夫だからリリアの魔力をしっかり回復してくれ」
「でも、もしダイチさんが魔法を使って魔力が三分の二ほど減っていましたら倒れてしまうんですよ!」
そうなのか?
ええ。短い感覚で体内の魔力を一気に減らすと力が入らなくなって倒れて、体全体が痙攣して、最後には意識が飛びますね。
こわ。それ死ぬ奴か?
えーっと、場合によっては?でも、大地さんの魔力量ならほぼ起きないでしょうね。
そ、そうか。
「心配してくれてありがとな。でも俺はかなり魔力があるらしいから大丈夫だ」
「……本当に大丈夫なんですか?」
それでも心配そうに見てくるリリアは食い下がるように飲みかけのドリンクを差し出してくる。
「同じように自分は大丈夫だって言ってた人が倒れるの見たことがあります。だから……」
ここまで心配するのは俺もそうなるかもしれないってことか。
もう、せっかくだし貰っちゃえばいいじゃないですか?リリアちゃんとの間接キスですよ!!それとも照れてるんですか?
アホか。今時、間接キスの一つや二つで照れたりしねえよ!
まぁ大地さんは汚い大人なのでそうでしょうけど。
おおう、その言い方悪意たっぷりだな。
でも、リリアちゃんは違います!大地さんが飲んだら囁いて恥ずかしがるリリアちゃんを拝むチャンスですよ!!
俺が汚い大人なら、お前は汚い女神だ。そんなこと聞いたら余計に飲むわけにはいかないな。
むー、女神に向かって汚いとは何ですか。仕方ない。プランBでいきますか。大地さんが動いてくれないから。
なんで俺が悪いみたいになってるんだ……?
「リリアちゃん」
「フルネールさん?」
フルネールがリリアに近づくといつも通り?リリアの耳元に唇を近づけ、彼女だけに聞こえるように囁く。
「それを渡したらリリアちゃんとの……間接キスになりますよ?いいんですか~?」
最後の方を少しねっとりと扇情的な言い方をする。すると、フルネールの物言いか、はたまた『キス』という言葉か。どちらの理由かはリリア以外わからないが、そのリリアの顔が一瞬で赤く染まるのだ。
「えと……その……でも!」
短い葛藤の末、それでも倒れてほしくないという思いが勝ったらしく大地へドリンクを渡したい意思をフルネールに見せる。
ああもう!いじらしくて可愛いですねー!もう、飲んであげた方がいいんじゃないですか?
俺の魔力は十分なんだろ?んでリリアは結構減っているんだろ?なら、リリアの魔力をしっかり回復させてやらないとダメだろ。
……そうですけど、残念です。
残念がるなよ……。
大地が脳内の会話で疲労感を覚えているなか、フルネールはリリアへの耳打ちを続けた。
「大丈夫ですよ。大地さんの魔力量は女神の私が保証します。ですから、リリアちゃんはしっかり魔力を回復するために自分で飲んでください」
それでようやくリリアは納得したのか小さく「はい」と返事をして魔力モドリンクを飲み干すのだった。
そんな一幕を終わらせるとアーデルハイドが近づいてきた。
「見事な魔法だな。魔法で武器を出し入れしているのか」
その口ぶりは貴方の魔法はすべてわかっているよ。という風であった。
「しかし、あんな武器を作れる国があるのか……」
一部マンガやゲームの世界からパクってきてるし、それはどうだろう?
「あー、俺のは創造魔法というらしくてな。取り出してるんじゃないんだ」
「なっ……」
美人は驚いていても美人である。これぞ格言だな。
「それは本当なのか……?」
アーデルハイドか驚く理由はいくつかある。その最たるは創造魔法ということになるが、大地が隠さずに言ってきたことも驚く理由の一つだ。
本当に創造魔法出会った場合、誰にも言わずに隠し通すものだ。出なければ最悪、暗殺者に狙われる可能性すらあるのだから。それほど貴重で危険視される魔法なのである。
「ああ。女神がそう言ってたからそうだと思うぞ?」
なにも隠さずに言う目の前の男は馬鹿なのだろうか?いや……もしかしたら何もわかっていない可能性もある。というか、もう一つ気になる事を言っていた。
「女神様……だと?会ったことあるのか?」
「直接この魔法貰ったからな」
あの後ろにいるのが女神なんだがな!
呼びました?
女神に会ったと言ったらアーデルハイドが驚いてるぞ?
えっへん!私はだいたいの人から信仰されてますからね!あ、でも、アーデにはまだ私が女神って言わないでくださいね?
ん?いいけど、なにか理由があるのか?
ありますよ!その理由は……。
理由は?
黙っていた方が面白くなりそうだからです!!
……はい。
何時ものフルネールに何も言えなくなった大地は何かを考えるように固まっているアーデルハイドに語りかける。
「おーい。大丈夫か?」
「すまない。ダイチの武器や魔法を見る限り嘘は言っていないのだろう」
「王女様に嘘だなんてとんでもない」
大袈裟に言う大地に少しだけクスリと笑うアーデルハイド。
「一つだけ忠告しておくよ。あまりその魔法について他者に知られない方がいい。君を悪用しようとするか消そうとするか。そう言う権力をもった輩が現れるぞ?」
「それは怖いな、気を付けるとしよう。でも、アーデルハイドになら言っても大丈夫だろ?」
お父様、お母様、そして、お兄様ほどではないにしろ自分もそう言った権力は当然持っている。大地は自分の事を『王女』と呼ぶのだから、もちろん、その事はわかっているはずなのだ。
「それは私を信頼して言ってくれているのかな?」
「ん?ああ。最初はリリアが信頼しているから信じる程度だったが、今は信頼してもいいかな。と思っている」
「それはどうして?」
先程の戦いの中、リリアだけじゃなくフルネールや俺を見て安否を確かめてたり、ピンチになったときに全員を助けるために何かしようとしていたのを見ているからだ。
もちろん、戦闘能力に秀でてなければできないがアーデルハイドの動きは問題なさそうで……というより、明らかに視線配りや動きは大地など足元にも及ばないのだ。
何にせよアーデルハイドは自分だけ逃げずに仲間を大事にする人間。と言うことがわかってしまったので大地としては信頼できるだろうと感じている。
――が、大地は汚い大人なのでちゃんとした理由は話さずに適当な一言で終わらせた。
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