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王族からは逃げられない
不思議な鉱石
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「鉱石ですか?」
そうリリアが首をかしげて呟く。
「ほら見てみろよ。赤や青、黄色に緑と鮮やかに光っているからな。俺の世界には無かったものだ」
壁にくっついている色鮮やかな推奨ね親指を向けて言うと、リリアは得意気に語り出す。
「あれも魔石の一種なんですよ。正確には属性石と呼ばれてますね」
「属性石?」
一気にファンタジー感が増す響きに少しだけ心を踊らせる。
「この竜の谷には魔力が溢れています。その魔力を浴び続けると属性石が光り始めるんです」
ふむ。確かによく見るとにたような石はあるが、そちらは灰色で光ってもいないな。
「なるほどな。光の色が違うのは属性によるものか?」
「はい!私たちの世界には火、水、地、風、光、闇の属性があって、この事を六属性と言います」
俺はフルネールからもらった能力?魔法?以外で魔法は使えるのか?
無理です!大地さんには他の魔法は荷が重いので使用できません♪
そんな楽しそうに言わなくても……。
因みに与えたのは能力ですが、創造魔法なので扱いは魔法ですよ!それも、世界で認識されていない無属性です!レアです。やったね♪
ひとまずテンションが高いフルネールは置いておいて大地はリリアとの会話を再開する。
「ふむふむ、光具合によって属性石の属性が分かるとかそんなところか?」
「すごいです!そうなんですよ。赤が火、青が水と言った感じです。よくわかりますね」
目をキラキラしながらリリアが讃えてくれるのが照れ臭く思うと同時にだましているようでどこか罪悪感なるものを感じる。
「俺の居た世界でそういう属性についての物語は色々とあったからな。何となく照らし合わせて見ただけでな、俺自身はそこまですごくはないんだ」
「そうなんですか?」と言うリリアの表情は何となく大地の否定が気に入らないのか不貞腐れる程ではないが少しだけものを言いたそうな顔をする。
「あの属性石って何かに使えたりはしないのか?」
「属性石は色んな物に使えるんですよ。例えば水の属性石なら冷却効果があったりします」
前にリリアが風邪を引いたときに持っていった冷たくなる枕とかに使われていたのだろうか。
「ダイチさんが持ってきてくれた暖かくなる布や冷たい枕がそうですね。ただ、あれには少ししか属性石が使われていませんけど」
ああ、やっぱりそうなのか。
「その属性石を使えば俺も魔法が使えたりするか?」
「属性石では難しいです。あくまで属性にあった効果を付与するだけなので」
「そうか。少し期待したんだが無理か……」
創造魔法が使えてもファイヤー!見たいなものは無理か。
そんなふうに少しがっかりしている大地を励まそうとリリアは言葉に熱を込めて言う。
「で、でも!他の魔石なら魔法が使えるものもありますよ!もっと谷の奥に行かないとないでしょうし、加工もしないといけませんけど……もし見つかればダイチさんも魔法を使えるようになりますよ!!」
それは本当か!?フルネール!
え、ええ。本当ですけどそんなに別の魔法が使いたいんですか?
……たぶん1~2使ったら満足するレベルだろうけど、魔法っぽい魔法は一度使ってみたいんだよ。
「それは少しワクワクする情報だな。ありがとな」
大地がお礼を言うとリリアは嬉しそうに「えへへ」と笑顔を見せる。
……でも大地さん。魔石が見つかっても加工に結構なお金がかかりますよ?
え?そうなの?
はい、魔石だけでも希少で高価な物なんですが、加工にかなりの技術が必要ですので必然的に高くなるんです。
……因みにおいくらで?
私たちの国での話になりますが、非常に弱い魔法の一番安い加工でも……五十万は下回らないかと。
……そんなにするの?一生無理じゃないか?
はい、基本的に持っている人は貴族かSランクのハンターくらいですね。
「あの、どうしたんですか?」
リリアが大地の気落ちしている表情を見て心配しながら声をかける。
「いや、魔石を手にいれても加工してもらうのに値段が張りそうだなって思ってな」
大地は言ってからしまったと思った。せっかく色々楽しそうに教えてくれるリリアの笑顔に影をさすことになるんじゃないかと。だが、リリアの表情は笑顔から崩れていない。
「それならきっと大丈夫です!ダイチさん強いですし……依頼をこなして直ぐにお金持ちになると思いますよ!」
まぶしい程の無邪気な笑顔で言ってくるリリアだ。しかし、強い=お金持ちとならない事を覚えてほしいところだ。何せいくら強かろうが、女神と一緒だろうが、現状、俺の手持ちは無い。0。無一文なのだから。
大地さん。持たざる者って何かカッコいいですね!
その実態は地面で寝る生活だけどな。あと、持ってないのは金だけだけどなぁ。
そうですか……あ!いえ、そうですね!力と女はありますからね!
……いや、その言い方だと女を抱え込んでいる様に聞こえるんだが?そんなことしてねぇだろ。
そんな事言っても毎日私と一緒に寝ているじゃないですか~?
地面でな!色っぽい事は何もしてねぇだろ!
リリアちゃんもベッドに連れ込んだのに?
あれは熱で倒れそうだったからだ!
もう、身近にこんないい女達が居るのに。ギルドにいるハンター達も羨ましがってるはずですよ?
そいつらも一度お前におちょくられれば考え方を180度一気に変えるだろうよ。
「ダイチさん?」
「ああ、すまない。そうだな、依頼こなしていけばその内、魔法が使える魔石も手に入るか」
「あ、因みに魔法が使える魔石を魔法石と言います」
その捻りの無い名前を聞いて少しだけ大地は笑みをこぼす。
「そのまんまの名前だな」
「ですね」
リリアは一言だけで返すものの、無邪気な笑みを絶やしてはいなかった。
そうリリアが首をかしげて呟く。
「ほら見てみろよ。赤や青、黄色に緑と鮮やかに光っているからな。俺の世界には無かったものだ」
壁にくっついている色鮮やかな推奨ね親指を向けて言うと、リリアは得意気に語り出す。
「あれも魔石の一種なんですよ。正確には属性石と呼ばれてますね」
「属性石?」
一気にファンタジー感が増す響きに少しだけ心を踊らせる。
「この竜の谷には魔力が溢れています。その魔力を浴び続けると属性石が光り始めるんです」
ふむ。確かによく見るとにたような石はあるが、そちらは灰色で光ってもいないな。
「なるほどな。光の色が違うのは属性によるものか?」
「はい!私たちの世界には火、水、地、風、光、闇の属性があって、この事を六属性と言います」
俺はフルネールからもらった能力?魔法?以外で魔法は使えるのか?
無理です!大地さんには他の魔法は荷が重いので使用できません♪
そんな楽しそうに言わなくても……。
因みに与えたのは能力ですが、創造魔法なので扱いは魔法ですよ!それも、世界で認識されていない無属性です!レアです。やったね♪
ひとまずテンションが高いフルネールは置いておいて大地はリリアとの会話を再開する。
「ふむふむ、光具合によって属性石の属性が分かるとかそんなところか?」
「すごいです!そうなんですよ。赤が火、青が水と言った感じです。よくわかりますね」
目をキラキラしながらリリアが讃えてくれるのが照れ臭く思うと同時にだましているようでどこか罪悪感なるものを感じる。
「俺の居た世界でそういう属性についての物語は色々とあったからな。何となく照らし合わせて見ただけでな、俺自身はそこまですごくはないんだ」
「そうなんですか?」と言うリリアの表情は何となく大地の否定が気に入らないのか不貞腐れる程ではないが少しだけものを言いたそうな顔をする。
「あの属性石って何かに使えたりはしないのか?」
「属性石は色んな物に使えるんですよ。例えば水の属性石なら冷却効果があったりします」
前にリリアが風邪を引いたときに持っていった冷たくなる枕とかに使われていたのだろうか。
「ダイチさんが持ってきてくれた暖かくなる布や冷たい枕がそうですね。ただ、あれには少ししか属性石が使われていませんけど」
ああ、やっぱりそうなのか。
「その属性石を使えば俺も魔法が使えたりするか?」
「属性石では難しいです。あくまで属性にあった効果を付与するだけなので」
「そうか。少し期待したんだが無理か……」
創造魔法が使えてもファイヤー!見たいなものは無理か。
そんなふうに少しがっかりしている大地を励まそうとリリアは言葉に熱を込めて言う。
「で、でも!他の魔石なら魔法が使えるものもありますよ!もっと谷の奥に行かないとないでしょうし、加工もしないといけませんけど……もし見つかればダイチさんも魔法を使えるようになりますよ!!」
それは本当か!?フルネール!
え、ええ。本当ですけどそんなに別の魔法が使いたいんですか?
……たぶん1~2使ったら満足するレベルだろうけど、魔法っぽい魔法は一度使ってみたいんだよ。
「それは少しワクワクする情報だな。ありがとな」
大地がお礼を言うとリリアは嬉しそうに「えへへ」と笑顔を見せる。
……でも大地さん。魔石が見つかっても加工に結構なお金がかかりますよ?
え?そうなの?
はい、魔石だけでも希少で高価な物なんですが、加工にかなりの技術が必要ですので必然的に高くなるんです。
……因みにおいくらで?
私たちの国での話になりますが、非常に弱い魔法の一番安い加工でも……五十万は下回らないかと。
……そんなにするの?一生無理じゃないか?
はい、基本的に持っている人は貴族かSランクのハンターくらいですね。
「あの、どうしたんですか?」
リリアが大地の気落ちしている表情を見て心配しながら声をかける。
「いや、魔石を手にいれても加工してもらうのに値段が張りそうだなって思ってな」
大地は言ってからしまったと思った。せっかく色々楽しそうに教えてくれるリリアの笑顔に影をさすことになるんじゃないかと。だが、リリアの表情は笑顔から崩れていない。
「それならきっと大丈夫です!ダイチさん強いですし……依頼をこなして直ぐにお金持ちになると思いますよ!」
まぶしい程の無邪気な笑顔で言ってくるリリアだ。しかし、強い=お金持ちとならない事を覚えてほしいところだ。何せいくら強かろうが、女神と一緒だろうが、現状、俺の手持ちは無い。0。無一文なのだから。
大地さん。持たざる者って何かカッコいいですね!
その実態は地面で寝る生活だけどな。あと、持ってないのは金だけだけどなぁ。
そうですか……あ!いえ、そうですね!力と女はありますからね!
……いや、その言い方だと女を抱え込んでいる様に聞こえるんだが?そんなことしてねぇだろ。
そんな事言っても毎日私と一緒に寝ているじゃないですか~?
地面でな!色っぽい事は何もしてねぇだろ!
リリアちゃんもベッドに連れ込んだのに?
あれは熱で倒れそうだったからだ!
もう、身近にこんないい女達が居るのに。ギルドにいるハンター達も羨ましがってるはずですよ?
そいつらも一度お前におちょくられれば考え方を180度一気に変えるだろうよ。
「ダイチさん?」
「ああ、すまない。そうだな、依頼こなしていけばその内、魔法が使える魔石も手に入るか」
「あ、因みに魔法が使える魔石を魔法石と言います」
その捻りの無い名前を聞いて少しだけ大地は笑みをこぼす。
「そのまんまの名前だな」
「ですね」
リリアは一言だけで返すものの、無邪気な笑みを絶やしてはいなかった。
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