13 / 281
異世界でも家を建てるにはお金が必要
家よりも女心を
しおりを挟む
翌日。いつも通りに石畳のベッドから起きた大地は空を見上げる。まだまだ薄暗い空は太陽が昇り始めた時間なのだ。
今日こそいいことがありますように。
そう心の中で願うのも日課になりつつある。
そんな大地に二つの影が近づいた。
「よお。マジでここで寝てるのな?」
その声からわかるギルド長の声を聞いて大地は振り返る。
広がったような鼠色の髪の毛と大地より堀が深い顔。子供が見たら泣いてしまうかもしれないほどの鋭い眼光。見た感じ百戦錬磨のような佇まい。一言でいえば野獣のような男だ。
そのギルド長と一緒に歩いているのが受付嬢のユーナだった。
「あー、昨日も結局お金は稼げなかったので……」
昨日のことの顛末はリリアからギルド長に話が通っている。もっとも、作り話にされているのが落ちだろう。それに非公式であり、且つ、倒した証明すら出来ないほど粉微塵に消し飛んだ為、公式上は『撃退』としてとるほかなかった。
……因みにあの後リリアにも土下座することになったのだ。討伐対象の証明が行えなくなったことで彼女の依頼は失敗となってしまったのだから。そのリリアは笑顔で許して――くれなかった。
何故か楽しそうに「どうしようかな~」などと聖女だけど小悪魔めいたことを言い出してしまい、大地を冷や汗の渦へと叩き込むのだ。どうしてこんな子になってしまったのか。甚だ遺憾であり疑問である。
ただ、依頼のほうの雲行きはというと撃退という形になったのにお咎めもなく、むしろ『さすが聖女様だぜ』という一人で撃退したことになった賞賛のほうが強かった。俺とがんばったグラネスもまとめて日陰者扱いだ。哀れよのう。
「あー。まぁここで寝ててもいいけど、匂うぞお前……」
これで3種類の人から言われてしまった。まぁそうだろうよ!昨日全力疾走でリリアのところに向かったんだから汗だってかくし!リリアに変な攻められ方したから余計に汗かいたし!でも家も金もないから風呂入れないし!
「また、滝に飛び込んでくる……」
字ずらが完全に命を捨てるようなものだけど……ただ体洗うだけだから!おっさんのサービスシーンだから!!
「いや、とりあえずまた俺たちの家で風呂つかうか?」
ん?……また?……ん?……俺たちの?
ギルド長の隣にはユーナがいるわけで、今は早朝なわけで……つまり。
「あー、二人は結婚しているのか」
「ん?ああ。言ってなかったな。妻のユーナだ」
なるほど、つまりユーナさんは人妻っと。これはいけない。ある種の人間から人気が増えてしまう。
「いや、流石に頻繁に借りるわけにはいかないから、滝に打たれてくるよ」
変な煩悩を捨て去るにもちょうどいいしね。だが、まさにあれは美女と野獣かな?
「お、そうか。滝から戻ってきたら話しがあるからギルドの奥の部屋に来てくれ」
そう言い残してギルド内へと二人は入っていった。
何か報酬でももらえるんだろうか?或いは俺が塵にした海龍で大目玉か?どちらにしてもとりあえず滝に落ちてくるか。
しっかり滝行を終えた大地はその帰りにリリアと偶然にもばったり会った。彼女は神様へのお祈りを済ませたところだという。
「ダイチさんは……また滝ですか?」
「ああ。また滝だ」
まだ2回目だというのにそれでわかってしまうのは恐らく俺の行動パターンが少ないからだろう。
ああ、そう言えば少し聞きたいこともあったから丁度いいし聞いておくか。
「なぁ一つ聞いてもいいか?」
「はい?なんでしょう?」
歩きながら首をかしげるリリアは視線を大地に移したままだ。
「家っていくらくらいで建てれるんだ?」
しかし、この質問でリリアの足が止まった。
「い、家ですか?な、なんで……?」
必要な理由ってそんなにあるか?ま、俺の場合はゆったりするためだからな。
前を歩きすぎた大地も止まり、振り返り、リリアに近づいて目を見て話す。
そう、人と話すときはちゃんと目を見ないとちゃんと伝わらない。特に大事な話ならなおのこと!!
「なんでってそりゃあ住むためだよ」
大地の視線はリリアの瞳をとらえている。
そのリリアは動揺しているのか上目遣いのまま瞳がやや揺れ動く。よく見ると顔も真っ赤に染めている。なんで?
「な、ななな、す、す住むって。わ、わわわ。私と!?」
リリアの回路がオーバーヒートを起こした。
は?え?えっ!??
心の中で驚くが、目の前で真っ赤になってしまったリリアを見て大地に動揺が走り始める。
「ち、ち違うぞ!そういう意味で言ったんじゃないからな!!」
今の状況と見てみると、30のおっさんが16の少女に告白したように見えるかもしれない。
「えと、えとえとえととととと」
大地の否定はパニックを起こしつつあるリリアの脳には届かない。目をぐるぐるさせながら選べない言葉を模索して同じ言葉を繰り返すしかできていない。
こうなった以上、小手先の言葉じゃどうにもならないだろう。
だから大地はいつも通りの直球勝負にでた。
「リリア!」
フラフラしだしたリリアの肩をガシッと大地はつかむ。
「ひゃい!」
大事な話をするときのお約束。先程と同じだ。それはしっかり相手の目を見ること。
大地とリリアの目が再び交差する。一人は真剣なもので、一人は頬を上気させている。
「よく聞いてくれ」
「は、はい……」
「君の――」
リリアの顔が耳まで真っ赤に染まった。
恥ずかしく今にも逃げ出したい気持ちをグッとこらえて健気にも彼女は大地の言葉を待つ。
「勘違いだ」
「はい。かんち……勘違いですか?」
――が、食い違いという現実を突きつけられたリリアは一瞬にして正気に戻った。
「いや、俺は一人で住めてぐーたら出来る家が欲しいだけなんだよ。宿屋でも過ごせるけれどやっぱ家はいい。リリアはそうおもわ……リリア?」
ちゃんと誤解は解けたはずなのだが、リリアの顔が赤いままである。まだ照れているのだろうか?とそう考えたが様子が何か違うことに気づき、大地は首をかしげながら様子を伺っていると、そのリリアから一言。
「ダイチさん。少ししゃがんでもらってもいいですか?」
やや俯いたまま抑揚のない声だがこんな雰囲気はリリアから初めて感じてきた。なんというか圧がすごいような。
そのため、大地はいうことを聞くようにしゃがみ、「これでいいか?」と伺った瞬間――。
「ばかあああああああああああ!!」
と周りの人々が初めて聞くリリアの大声にびっくりしながら、その直後に轟くバチーン!!という頬を張り倒す音を聞くことになったのだった。
――余談だが、顔を赤くはらした大地をギルド長が盛大に笑う声もギルド内に響いたと言う。
今日こそいいことがありますように。
そう心の中で願うのも日課になりつつある。
そんな大地に二つの影が近づいた。
「よお。マジでここで寝てるのな?」
その声からわかるギルド長の声を聞いて大地は振り返る。
広がったような鼠色の髪の毛と大地より堀が深い顔。子供が見たら泣いてしまうかもしれないほどの鋭い眼光。見た感じ百戦錬磨のような佇まい。一言でいえば野獣のような男だ。
そのギルド長と一緒に歩いているのが受付嬢のユーナだった。
「あー、昨日も結局お金は稼げなかったので……」
昨日のことの顛末はリリアからギルド長に話が通っている。もっとも、作り話にされているのが落ちだろう。それに非公式であり、且つ、倒した証明すら出来ないほど粉微塵に消し飛んだ為、公式上は『撃退』としてとるほかなかった。
……因みにあの後リリアにも土下座することになったのだ。討伐対象の証明が行えなくなったことで彼女の依頼は失敗となってしまったのだから。そのリリアは笑顔で許して――くれなかった。
何故か楽しそうに「どうしようかな~」などと聖女だけど小悪魔めいたことを言い出してしまい、大地を冷や汗の渦へと叩き込むのだ。どうしてこんな子になってしまったのか。甚だ遺憾であり疑問である。
ただ、依頼のほうの雲行きはというと撃退という形になったのにお咎めもなく、むしろ『さすが聖女様だぜ』という一人で撃退したことになった賞賛のほうが強かった。俺とがんばったグラネスもまとめて日陰者扱いだ。哀れよのう。
「あー。まぁここで寝ててもいいけど、匂うぞお前……」
これで3種類の人から言われてしまった。まぁそうだろうよ!昨日全力疾走でリリアのところに向かったんだから汗だってかくし!リリアに変な攻められ方したから余計に汗かいたし!でも家も金もないから風呂入れないし!
「また、滝に飛び込んでくる……」
字ずらが完全に命を捨てるようなものだけど……ただ体洗うだけだから!おっさんのサービスシーンだから!!
「いや、とりあえずまた俺たちの家で風呂つかうか?」
ん?……また?……ん?……俺たちの?
ギルド長の隣にはユーナがいるわけで、今は早朝なわけで……つまり。
「あー、二人は結婚しているのか」
「ん?ああ。言ってなかったな。妻のユーナだ」
なるほど、つまりユーナさんは人妻っと。これはいけない。ある種の人間から人気が増えてしまう。
「いや、流石に頻繁に借りるわけにはいかないから、滝に打たれてくるよ」
変な煩悩を捨て去るにもちょうどいいしね。だが、まさにあれは美女と野獣かな?
「お、そうか。滝から戻ってきたら話しがあるからギルドの奥の部屋に来てくれ」
そう言い残してギルド内へと二人は入っていった。
何か報酬でももらえるんだろうか?或いは俺が塵にした海龍で大目玉か?どちらにしてもとりあえず滝に落ちてくるか。
しっかり滝行を終えた大地はその帰りにリリアと偶然にもばったり会った。彼女は神様へのお祈りを済ませたところだという。
「ダイチさんは……また滝ですか?」
「ああ。また滝だ」
まだ2回目だというのにそれでわかってしまうのは恐らく俺の行動パターンが少ないからだろう。
ああ、そう言えば少し聞きたいこともあったから丁度いいし聞いておくか。
「なぁ一つ聞いてもいいか?」
「はい?なんでしょう?」
歩きながら首をかしげるリリアは視線を大地に移したままだ。
「家っていくらくらいで建てれるんだ?」
しかし、この質問でリリアの足が止まった。
「い、家ですか?な、なんで……?」
必要な理由ってそんなにあるか?ま、俺の場合はゆったりするためだからな。
前を歩きすぎた大地も止まり、振り返り、リリアに近づいて目を見て話す。
そう、人と話すときはちゃんと目を見ないとちゃんと伝わらない。特に大事な話ならなおのこと!!
「なんでってそりゃあ住むためだよ」
大地の視線はリリアの瞳をとらえている。
そのリリアは動揺しているのか上目遣いのまま瞳がやや揺れ動く。よく見ると顔も真っ赤に染めている。なんで?
「な、ななな、す、す住むって。わ、わわわ。私と!?」
リリアの回路がオーバーヒートを起こした。
は?え?えっ!??
心の中で驚くが、目の前で真っ赤になってしまったリリアを見て大地に動揺が走り始める。
「ち、ち違うぞ!そういう意味で言ったんじゃないからな!!」
今の状況と見てみると、30のおっさんが16の少女に告白したように見えるかもしれない。
「えと、えとえとえととととと」
大地の否定はパニックを起こしつつあるリリアの脳には届かない。目をぐるぐるさせながら選べない言葉を模索して同じ言葉を繰り返すしかできていない。
こうなった以上、小手先の言葉じゃどうにもならないだろう。
だから大地はいつも通りの直球勝負にでた。
「リリア!」
フラフラしだしたリリアの肩をガシッと大地はつかむ。
「ひゃい!」
大事な話をするときのお約束。先程と同じだ。それはしっかり相手の目を見ること。
大地とリリアの目が再び交差する。一人は真剣なもので、一人は頬を上気させている。
「よく聞いてくれ」
「は、はい……」
「君の――」
リリアの顔が耳まで真っ赤に染まった。
恥ずかしく今にも逃げ出したい気持ちをグッとこらえて健気にも彼女は大地の言葉を待つ。
「勘違いだ」
「はい。かんち……勘違いですか?」
――が、食い違いという現実を突きつけられたリリアは一瞬にして正気に戻った。
「いや、俺は一人で住めてぐーたら出来る家が欲しいだけなんだよ。宿屋でも過ごせるけれどやっぱ家はいい。リリアはそうおもわ……リリア?」
ちゃんと誤解は解けたはずなのだが、リリアの顔が赤いままである。まだ照れているのだろうか?とそう考えたが様子が何か違うことに気づき、大地は首をかしげながら様子を伺っていると、そのリリアから一言。
「ダイチさん。少ししゃがんでもらってもいいですか?」
やや俯いたまま抑揚のない声だがこんな雰囲気はリリアから初めて感じてきた。なんというか圧がすごいような。
そのため、大地はいうことを聞くようにしゃがみ、「これでいいか?」と伺った瞬間――。
「ばかあああああああああああ!!」
と周りの人々が初めて聞くリリアの大声にびっくりしながら、その直後に轟くバチーン!!という頬を張り倒す音を聞くことになったのだった。
――余談だが、顔を赤くはらした大地をギルド長が盛大に笑う声もギルド内に響いたと言う。
0
お気に入りに追加
153
あなたにおすすめの小説
この称号、削除しますよ!?いいですね!!
布浦 りぃん
ファンタジー
元財閥の一人娘だった神無月 英(あずさ)。今は、親戚からも疎まれ孤独な企業研究員・27歳だ。
ある日、帰宅途中に聖女召喚に巻き込まれて異世界へ。人間不信と警戒心から、さっさとその場から逃走。実は、彼女も聖女だった!なんてことはなく、称号の部分に記されていたのは、この世界では異端の『森羅万象の魔女(チート)』―――なんて、よくある異世界巻き込まれ奇譚。
注意:悪役令嬢もダンジョンも冒険者ギルド登録も出てきません!その上、60話くらいまで戦闘シーンはほとんどありません!
*不定期更新。話数が進むたびに、文字数激増中。
*R15指定は、戦闘・暴力シーン有ゆえの保険に。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
王命を忘れた恋
須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』
そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。
強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?
そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。
強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
嫌われ聖女さんはとうとう怒る〜今更大切にするなんて言われても、もう知らない〜
𝓝𝓞𝓐
ファンタジー
13歳の時に聖女として認定されてから、身を粉にして人々のために頑張り続けたセレスティアさん。どんな人が相手だろうと、死にかけながらも癒し続けた。
だが、その結果は悲惨の一言に尽きた。
「もっと早く癒せよ! このグズが!」
「お前がもっと早く治療しないせいで、後遺症が残った! 死んで詫びろ!」
「お前が呪いを防いでいれば! 私はこんなに醜くならなかったのに! お前も呪われろ!」
また、日々大人も気絶するほどの魔力回復ポーションを飲み続けながら、国中に魔物を弱らせる結界を張っていたのだが……、
「もっと出力を上げんか! 貴様のせいで我が国の騎士が傷付いたではないか! とっとと癒せ! このウスノロが!」
「チッ。あの能無しのせいで……」
頑張っても頑張っても誰にも感謝されず、それどころか罵られるばかり。
もう我慢ならない!
聖女さんは、とうとう怒った。
『王家の面汚し』と呼ばれ帝国へ売られた王女ですが、普通に歓迎されました……
Ryo-k
ファンタジー
王宮で開かれた側妃主催のパーティーで婚約破棄を告げられたのは、アシュリー・クローネ第一王女。
優秀と言われているラビニア・クローネ第二王女と常に比較され続け、彼女は貴族たちからは『王家の面汚し』と呼ばれ疎まれていた。
そんな彼女は、帝国との交易の条件として、帝国に送られることになる。
しかしこの時は誰も予想していなかった。
この出来事が、王国の滅亡へのカウントダウンの始まりであることを……
アシュリーが帝国で、秘められていた才能を開花するのを……
※この作品は「小説家になろう」でも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる