身代わりの恋人関係

栗原さとみ

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  週末の金曜日、いつもはLINEで陸斗の部屋に行く時間をやり取りして会いに行っていたが、今日は電話をすることにした。

「陸斗、今日話したいことがあるの。部屋に行ってもいい?」

「ああ、勿論。俺も話したいことがあったから。」

「そうなの…でも、今日は私に先に話しをさせて?」

「ああ、待っている」

・・・

  この部屋に来るのは最後になってしまうかもしれない。少し泣きそうだ。気を持ち直して、インターフォンを押した。

「入って」

「うん」

「それ…?」手に持つ袋を指差して言う。

「うん、夕食作ってもいい?」

「なんか嬉しい。由奈の手料理か。」

「期待はしないでね。家族以外の誰かに作るの初めてだから。」

「由奈の初めてには縁があるな?」と笑う。

「もう。恥ずかしい事言うのはやめて」

たぶん赤く染まった頬を押さえて中へ入っていった。

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