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9 いつの間にか計画始動!
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次の日はさすがに生徒会に行かなけれならず、私とバルティ様は朝の登校からランチ、そして生徒会と常に一緒に行動した。
二日目ともなればさすがに周りも分かってくる。私とバルティ様が特別な関係(を、実際は装っているだけだけども)だと。
それはディーノ殿下にしてもそうだ。生徒会長には執務机と年間の書類や決済書をまとめた書棚のついたちょっとしたスペースが設けられ、後は円卓に椅子が並べてあって、副会長以下はそこで仕事をする。
ちょっと距離があるところで和気あいあいと仕事をする所を(そう見せているのだが)ディーノ殿下は非常におもしろくなさそうに見てくる。
(かわいそうかしらね、わざわざ見せ付けるのは……でも、私はお断りしているしファリア嬢には『ひとまずそのままいちゃついてくださいませ』と言われているし……)
計画はファリア嬢主導で進められている。ディーノ殿下の婚約者なのだから、そこに不満はない。
バルティ様ものりのりで、軽く私の肩に触れたり、それを謝った後に微笑みあったりと、まぁよくぞ嫌味眼鏡がこんなことができるとはという腹芸ぶりを見せている。
まるで恋をして別人のように優しくなったように笑い、なんだかんだと細かく気を使って、迷惑に感じない程度に迎えにきてくれる。
嫌味眼鏡と裏で呼ばれるくらい、不器用で真っ直ぐに正論で殴る人だと思っていたが、案外器用だな、なんて思って書類を眺める横顔を見つめていたら、こちらを見てふと笑い返してきた。
ばっ、と私の方が見ていたのが恥ずかしくて顔を逸らしてしまう。恥ずかしすぎて頰が赤い。悪戯がバレた時のように心臓がバクバクする。
がた! と、音を立ててディーノ殿下が立ち上がり、大股に此方に近付いてくる。怒っているのが丸分かりだ。ちょっと怖い。
「バルティ。ユーリカとはどういう関係だ」
襟首を掴みかねない形相で、ディーノ殿下がバルティ様に詰め寄る。
薄ら笑いを浮かべたバルティ様は、此方に一度、任せろ、とばかりに目配せすると、ディーノ殿下の前で両手を上げた。
「見て、分からないのですか? ディーノ」
「バルティ、おまえ……まさか」
「あぁ、そうですよ。だからユーリカ嬢は諦めてください。お前にはファリア嬢という素晴らしい婚約者がいるでしょう?」
「ユーリカは私の真実の愛だ!」
「だが、フラれた。話はそこで終わるんです。……ディーノ、これは親友であり従兄弟として忠告する。目を覚ませ、理想を他人に押し付けるな」
「私がいつ……!」
コンコン、とちょうどいいタイミングで部屋のドアがノックされた。
返事を待たずに入ってきたのは、ファリア嬢。淑女の笑みを浮かべながら、口元をおさえて笑う。
「殿下、お声が外まで聞こえてましてよ。少しは弁えてください」
二日目ともなればさすがに周りも分かってくる。私とバルティ様が特別な関係(を、実際は装っているだけだけども)だと。
それはディーノ殿下にしてもそうだ。生徒会長には執務机と年間の書類や決済書をまとめた書棚のついたちょっとしたスペースが設けられ、後は円卓に椅子が並べてあって、副会長以下はそこで仕事をする。
ちょっと距離があるところで和気あいあいと仕事をする所を(そう見せているのだが)ディーノ殿下は非常におもしろくなさそうに見てくる。
(かわいそうかしらね、わざわざ見せ付けるのは……でも、私はお断りしているしファリア嬢には『ひとまずそのままいちゃついてくださいませ』と言われているし……)
計画はファリア嬢主導で進められている。ディーノ殿下の婚約者なのだから、そこに不満はない。
バルティ様ものりのりで、軽く私の肩に触れたり、それを謝った後に微笑みあったりと、まぁよくぞ嫌味眼鏡がこんなことができるとはという腹芸ぶりを見せている。
まるで恋をして別人のように優しくなったように笑い、なんだかんだと細かく気を使って、迷惑に感じない程度に迎えにきてくれる。
嫌味眼鏡と裏で呼ばれるくらい、不器用で真っ直ぐに正論で殴る人だと思っていたが、案外器用だな、なんて思って書類を眺める横顔を見つめていたら、こちらを見てふと笑い返してきた。
ばっ、と私の方が見ていたのが恥ずかしくて顔を逸らしてしまう。恥ずかしすぎて頰が赤い。悪戯がバレた時のように心臓がバクバクする。
がた! と、音を立ててディーノ殿下が立ち上がり、大股に此方に近付いてくる。怒っているのが丸分かりだ。ちょっと怖い。
「バルティ。ユーリカとはどういう関係だ」
襟首を掴みかねない形相で、ディーノ殿下がバルティ様に詰め寄る。
薄ら笑いを浮かべたバルティ様は、此方に一度、任せろ、とばかりに目配せすると、ディーノ殿下の前で両手を上げた。
「見て、分からないのですか? ディーノ」
「バルティ、おまえ……まさか」
「あぁ、そうですよ。だからユーリカ嬢は諦めてください。お前にはファリア嬢という素晴らしい婚約者がいるでしょう?」
「ユーリカは私の真実の愛だ!」
「だが、フラれた。話はそこで終わるんです。……ディーノ、これは親友であり従兄弟として忠告する。目を覚ませ、理想を他人に押し付けるな」
「私がいつ……!」
コンコン、とちょうどいいタイミングで部屋のドアがノックされた。
返事を待たずに入ってきたのは、ファリア嬢。淑女の笑みを浮かべながら、口元をおさえて笑う。
「殿下、お声が外まで聞こえてましてよ。少しは弁えてください」
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