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一房さんに会おう
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冒険者ギルドでの大騒動の後、古参の狼との約束はギルマスが取り持ってくれる運びとなった。
当然ロベリアが歌の件を忘れてくれる筈もなく、ギルド内で歌を披露しましたとも・・くっ記憶を闇に葬りたい。
それから程無くして、ギルドでの黒歴史ダメージ冷めやらぬうちに、シーア国の魔導士の皆さんとの顔合わせになった。会合場所は図書館。
で、僕の今日の装いですが・・・黒地に刺した銀糸の枝に、金の金糸雀が止まって華麗にさえずっていますね・・。
留守番して歌を聞けなかったラダさんの、歌が聞きたい!のアピールの様です。
あぁ、これで屋敷でのリサイタルも決定か・・とほほ、頑張ります。
こちらの参加者は、僕と宰相さん、魔導士長さん、騎士団長さん、もちろん護衛でシキさんヒガさんも一緒だ。
シーアの側は魔導士は4人。
とは言え侍従さんやら、銘々の護衛騎士達、図書館職員さんもいるし、結構な大人数だ。広い図書館で正解だね。
クリアゼの魔導士は、ゆったりローブが定番だけど、シーア国ではカソリック神父みたいな衣装なんだね。
キッチリ、カッチリって感じ。
肩から下げている帯が他の人は白なのに黒が一人。あれがケネスさんか。
衣装も同じように見えて、刺繍など細かい所に違いがある様だ。
シーアの魔導士は鍛えるのが普通なのかな?大柄で筋肉質、皆がっちりしてる。
厳格な雰囲気が、全然魔術師らしくない昔の教会騎士みたいだ。
一緒の護衛騎士と並んでも、どっちが騎士だかわからない程だ。
ケネスさんは、癖の無い濃いグレーの髪を中央で分け、首元ですっぱり切り揃えたすっきりとした髪型だ。
確かに左の前髪に一房黒が入って、飾り石が付いている。
切れ長の瞳はアメジスト色、透き通った紫だ、この世界の人達は、ほんと目が綺麗だね、いつも見とれちゃう。
色気漂う大人の男って感じの方だね。
おぉ、僕を見る目線もかっこいい。
いいなー、あんな雰囲気のある大人になりたい。
「初めまして『黒』の夜空です。翻訳のお手伝いをさせて頂きます。宜しくお願い致します。」
「初めまして。シーア国筆頭魔導士ケネスと申します。『黒』の賢者、夜空殿にお会いできて光栄です。」
あれ?ケネスさん跪いてちゃったよ?
僕が小さいから、目線合わせてくれたのかな?
いやぁ、周りの空気がざわついてる気配がするから、どうも違うっぽい。
「・・夜空殿。」僕の手を取る。
「はい。」どうしたらいいの、これ?
ケネスさんは、迷いなく僕の手の甲に口づけた。
「夜空殿がこの様に愛らしい方だとは思ってもみませんでした。数多の求婚のお申し出がありますでしょうが、是非私もその末席に加えて頂きたい。」
・・・要約すると・・え?
求婚?
えぇー嘘ぉ!
動揺しすぎて真っ赤なのが自分でもわかる。思わず獣化しそう。
え?僕お嫁さんなの?お婿さんなの?
いや違うそうじゃなくて、どうしたらいいの?誰か助けて!
そうだ・・ロベリアに・・。
はっ!・・でも、この事ロベリアが知ったら、「うちの子はやらん!」とか言って、単身シーアに殴り込み駆けそうな気が・・・・。
それは不味い!
周りの見渡せば、クリアゼの皆も一瞬同じ事を考えたのだろう蒼白になってる。
シーアの人達も突然の事に大慌てだ。
「ケッ、ケネス様!何を!」
「何とは?見ての通り求婚を申し込んでいる。この様な清廉な魔力の夜空殿を好ましく思っての事だが?どの国に属さない賢者殿相手に貴族的な根回しと手順など意味がなかろう。」
わあ理論整然、ド直球。
あの・・とりあえず手は離してもらっていいですか・・?
当然ロベリアが歌の件を忘れてくれる筈もなく、ギルド内で歌を披露しましたとも・・くっ記憶を闇に葬りたい。
それから程無くして、ギルドでの黒歴史ダメージ冷めやらぬうちに、シーア国の魔導士の皆さんとの顔合わせになった。会合場所は図書館。
で、僕の今日の装いですが・・・黒地に刺した銀糸の枝に、金の金糸雀が止まって華麗にさえずっていますね・・。
留守番して歌を聞けなかったラダさんの、歌が聞きたい!のアピールの様です。
あぁ、これで屋敷でのリサイタルも決定か・・とほほ、頑張ります。
こちらの参加者は、僕と宰相さん、魔導士長さん、騎士団長さん、もちろん護衛でシキさんヒガさんも一緒だ。
シーアの側は魔導士は4人。
とは言え侍従さんやら、銘々の護衛騎士達、図書館職員さんもいるし、結構な大人数だ。広い図書館で正解だね。
クリアゼの魔導士は、ゆったりローブが定番だけど、シーア国ではカソリック神父みたいな衣装なんだね。
キッチリ、カッチリって感じ。
肩から下げている帯が他の人は白なのに黒が一人。あれがケネスさんか。
衣装も同じように見えて、刺繍など細かい所に違いがある様だ。
シーアの魔導士は鍛えるのが普通なのかな?大柄で筋肉質、皆がっちりしてる。
厳格な雰囲気が、全然魔術師らしくない昔の教会騎士みたいだ。
一緒の護衛騎士と並んでも、どっちが騎士だかわからない程だ。
ケネスさんは、癖の無い濃いグレーの髪を中央で分け、首元ですっぱり切り揃えたすっきりとした髪型だ。
確かに左の前髪に一房黒が入って、飾り石が付いている。
切れ長の瞳はアメジスト色、透き通った紫だ、この世界の人達は、ほんと目が綺麗だね、いつも見とれちゃう。
色気漂う大人の男って感じの方だね。
おぉ、僕を見る目線もかっこいい。
いいなー、あんな雰囲気のある大人になりたい。
「初めまして『黒』の夜空です。翻訳のお手伝いをさせて頂きます。宜しくお願い致します。」
「初めまして。シーア国筆頭魔導士ケネスと申します。『黒』の賢者、夜空殿にお会いできて光栄です。」
あれ?ケネスさん跪いてちゃったよ?
僕が小さいから、目線合わせてくれたのかな?
いやぁ、周りの空気がざわついてる気配がするから、どうも違うっぽい。
「・・夜空殿。」僕の手を取る。
「はい。」どうしたらいいの、これ?
ケネスさんは、迷いなく僕の手の甲に口づけた。
「夜空殿がこの様に愛らしい方だとは思ってもみませんでした。数多の求婚のお申し出がありますでしょうが、是非私もその末席に加えて頂きたい。」
・・・要約すると・・え?
求婚?
えぇー嘘ぉ!
動揺しすぎて真っ赤なのが自分でもわかる。思わず獣化しそう。
え?僕お嫁さんなの?お婿さんなの?
いや違うそうじゃなくて、どうしたらいいの?誰か助けて!
そうだ・・ロベリアに・・。
はっ!・・でも、この事ロベリアが知ったら、「うちの子はやらん!」とか言って、単身シーアに殴り込み駆けそうな気が・・・・。
それは不味い!
周りの見渡せば、クリアゼの皆も一瞬同じ事を考えたのだろう蒼白になってる。
シーアの人達も突然の事に大慌てだ。
「ケッ、ケネス様!何を!」
「何とは?見ての通り求婚を申し込んでいる。この様な清廉な魔力の夜空殿を好ましく思っての事だが?どの国に属さない賢者殿相手に貴族的な根回しと手順など意味がなかろう。」
わあ理論整然、ド直球。
あの・・とりあえず手は離してもらっていいですか・・?
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