37 / 50
愛でるもの
しおりを挟む
「あれはカラスの次期棟梁候補か。それに豹頭も・・彼が表に出てくるとは、珍しい事もあるものだ。」
フードコートを見下ろす上階のフロアには若旦那の姿があった。
「・・不本意ながら狼の選んだ服が一番似合っていたよね。百々はどう思う?」
「は・・その様かと・・。」
ふむ、今日のお声かけは止めておいた方が良さそうだな。
どうして中々、美和さんの周りは侮れない者ばかりだね。
もう少し側で眺めていたかったけれど、外つ国の理で動くあの魔女と私は・・負ける気はしないが・・少しばかり相性が良くない。
それに・・今日は特に子ガラスの守りがあちこちと多く紛れているしね。
子煩悩の一族だ。
子に対して過剰なまでに過保護なのは、相変わらずの様だな。
『若があんなに自然体で会話をしているぞ。』
『おお。これは喜ばしい。』
『あれは、どちらのご令嬢だ?』
なんてカラスの共の姦しい声を耳に拾ってしまい、腹の内がぐらりと煮え大層癪に触る。
奴らの羽でも落としてやりたい所だが、荒事はなるべく避ける事にしよう。
私としても、美和さんに迷惑かけるのは本意ではないからね。
「今日は引くよ。・・そう言えば、あの招待の件どうなってる?」
「その事ですが・・千牙が仕切ると言い出しまして、私の手から離れました。申し訳ございません・・。」
「千牙?あぁあの子倅か。まぁ私は結果がでれば構わないよ。」
そう興味なさげに呟けば、百々が苦い顔をした。
あの子倅の出来がどんなに悪くとも一族の序列に逆らえないか・・。
ご苦労な事だ。
しかし・・今日は本当に楽しかった。
あの試着の度に諦観の表情になっていく美和さんたら・・ふふっ可愛かったな。
そうだ・・私も着物を贈るとしよう。
うんそれがいい。
あぁ、どれがいいかな?迷うな。
フードコートを見下ろす上階のフロアには若旦那の姿があった。
「・・不本意ながら狼の選んだ服が一番似合っていたよね。百々はどう思う?」
「は・・その様かと・・。」
ふむ、今日のお声かけは止めておいた方が良さそうだな。
どうして中々、美和さんの周りは侮れない者ばかりだね。
もう少し側で眺めていたかったけれど、外つ国の理で動くあの魔女と私は・・負ける気はしないが・・少しばかり相性が良くない。
それに・・今日は特に子ガラスの守りがあちこちと多く紛れているしね。
子煩悩の一族だ。
子に対して過剰なまでに過保護なのは、相変わらずの様だな。
『若があんなに自然体で会話をしているぞ。』
『おお。これは喜ばしい。』
『あれは、どちらのご令嬢だ?』
なんてカラスの共の姦しい声を耳に拾ってしまい、腹の内がぐらりと煮え大層癪に触る。
奴らの羽でも落としてやりたい所だが、荒事はなるべく避ける事にしよう。
私としても、美和さんに迷惑かけるのは本意ではないからね。
「今日は引くよ。・・そう言えば、あの招待の件どうなってる?」
「その事ですが・・千牙が仕切ると言い出しまして、私の手から離れました。申し訳ございません・・。」
「千牙?あぁあの子倅か。まぁ私は結果がでれば構わないよ。」
そう興味なさげに呟けば、百々が苦い顔をした。
あの子倅の出来がどんなに悪くとも一族の序列に逆らえないか・・。
ご苦労な事だ。
しかし・・今日は本当に楽しかった。
あの試着の度に諦観の表情になっていく美和さんたら・・ふふっ可愛かったな。
そうだ・・私も着物を贈るとしよう。
うんそれがいい。
あぁ、どれがいいかな?迷うな。
0
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
先生!放課後の隣の教室から女子の喘ぎ声が聴こえました…
ヘロディア
恋愛
居残りを余儀なくされた高校生の主人公。
しかし、隣の部屋からかすかに女子の喘ぎ声が聴こえてくるのであった。
気になって覗いてみた主人公は、衝撃的な光景を目の当たりにする…
男女比1:10000の貞操逆転世界に転生したんだが、俺だけ前の世界のインターネットにアクセスできるようなので美少女配信者グループを作る
電脳ピエロ
恋愛
男女比1:10000の世界で生きる主人公、新田 純。
女性に襲われる恐怖から引きこもっていた彼はあるとき思い出す。自分が転生者であり、ここが貞操の逆転した世界だということを。
「そうだ……俺は女神様からもらったチートで前にいた世界のネットにアクセスできるはず」
純は彼が元いた世界のインターネットにアクセスできる能力を授かったことを思い出す。そのとき純はあることを閃いた。
「もしも、この世界の美少女たちで配信者グループを作って、俺が元いた世界のネットで配信をしたら……」
【R18】エリートビジネスマンの裏の顔
白波瀬 綾音
恋愛
御社のエース、危険人物すぎます───。
私、高瀬緋莉(27)は、思いを寄せていた業界最大手の同業他社勤務のエリート営業マン檜垣瑤太(30)に執着され、軟禁されてしまう。
同じチームの後輩、石橋蓮(25)が異変に気付くが……
この生活に果たして救いはあるのか。
※サムネにAI生成画像を使用しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる