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隣の家は地獄

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「取り急ぎは、中身を出さなきゃ・・。」

彼が、すいっと胸から胎まで一気にナイフを入れた。
まだ温かいであろう私の体からは、赤い鮮血が溢れだす。

「この傷も後で綺麗に直すから、ごめんね。僕の最高傑作にしてみせるから。」

そう・・私は皿でなく人形になるのね。

綺麗にしてくれるっていってるから、感謝した方がいいのかしら・・。

淡々と私の中身を取り出しては、足元のバケツに投げこんでいく。

ぐちっ。
ぶちっ。
ぶちゃ。
びしゃっ。

どれも聞いた事のない音だわ。

あら・・父の様子が・・。

父は彼にとびかかっていった。
掴みかかっているけど、すり抜けていくばかり。
凶行を止められないと悟った父は、終いには血の涙を流しながら、声なき絶叫をあげ顔を掻きむしりだした。

あははっ。
なんだ・・隣の家も地獄なんじゃない。

あはははっ。

血だまりの中私は笑い続けるのだった。
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