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皮肉な話

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で父は母をどうしたかと言うと。

登り窯で作品と一緒に焼いちゃった。

母と焼いた大皿は大きな賞をとった。

それからは熱心な顧客が付き、父の作品は常に予約待ちの状況だ。

皮肉な話だ。

私は、なじり合い揉める両親、殺される母、登り窯に引きずられる母、燃え盛る炎の中でグズグズと崩れていく母。

一連の流れを父の側でずっと見ていた私は、結果言葉を失った。
失語症と言うらしい。

世間的には、母が私を捨てて家を出ていき、行方不明になった事でショックを受けたから・・て事になってる。

本当は、逃げ出す事は叶わず、あれから父の寝室に大事に飾られているので、ずっとお家にいるんだけどね。

元々寡黙な父と喋れない私。
二人きりの静かな生活だ。

あれから10年、学校に通う事もなくこの家で暮らしている。
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