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第六章 悲恋の始まり
姉妹のデート
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舞華と恋は、日に日に仲良くなっていった。
まぁやんが仕事で家を空ける時は、必ずお泊まりに来ていた。
それはまぁやんが不在中に舞華に何かあったらと心配しての事だった。
「ちょっとぉ!恋ちゃん!今の反則だよー」
「いーえ!正当な攻撃です!」
「じゃあも一回!」
「何回でもどうぞ!」
ふたりはまぁやん宅でゲームをしていた。
「よっしゃー!勝ったー」
「負けたぁ!まい姉、どんどん上達してるね」
まぁやんの家には色んなものがあった。
ゲームはもちろん、ツイスターゲームなんかあった。
よく、みんな家に集まって、龍弥と康二でツイスターゲームをしていた。
これが非常に盛り上がる。
「龍弥、左手を青」
「マジかよ~!」
「すごい龍弥君、身体柔らか!」
「次、康二、右足を赤」
「うぐぐぐぐ…」
「ついてないよ!お兄ちゃんズルしてる」
「おま!れ…恋…よくみろ!」
「次、龍弥、左足を黄色」
「う~あ…も…だめ…ドタ!」
「おっしゃ勝った!鰻重ね」
負けたやつが全員の鰻重を奢るシステムだった。
こういうゲームをまぁやんの家では行われて、みんな盛り上がっていた。
「ねぇ、まい姉。明日ってなんか用事ある?」
「明日は特にないかな。どして?」
「じゃあさ、デートしない?」
「デート?」
「うん!ちょうどまい姉に見てもらいたい服があって、わたしに似合うかわからなくて」
「恋ちゃんの顔色に合う服ね!いいよ!行こう!」
「やった~!」
ふたりは本当に仲良しの姉妹になった。
舞華は大手の広告代理店に在籍し、体調のことを考慮して在宅ワークになっていた。
自宅のパソコンで原稿やデザインを作成して入稿していたのだった。
舞華が仕事している姿も、恋は側でみていた。
有名な某飲料メーカーの広告も手掛けていた。
「まい姉、仕事楽しい?」
「うん!この仕事大好きなんだ」
「わたしね、まだやりたい事が見つからないんだ」
「そんなに焦らなくてもいいと思うよ。きっと恋ちゃんがやりたいって思える仕事があるはずだよ」
「まい姉はどうしてこの仕事を選んだの?」
「んーそうだなぁ。私ね、病気で入退院繰り返してたんだけどね、その時によく雑誌を読んでたの」
「雑誌?ファッション雑誌とか?」
「それもあるけど、普通の週刊誌なんかもね。その時に雑誌に載ってた広告に目が止まってね。私も人が引き込まれる広告なんか作りたいって思ったの」
「そうなんだ…」
「うん!だから天職だよ!こうやって在宅ワークなんかも認めてくれるし」
「いい会社だね」
「そ!いい会社!」
舞華の仕事ぶりは、会社にも定評あり、舞華の作った広告はたくさん世にでた。
デート当日。
待ち合わせ場所に恋が到着した。
しかし時間になっても舞華は来なかった。
(どうしたんだろ?まい姉…)
電話を掛けても出ないので、心配になって家まで向かった。
『ピンポン』
「まい姉?いるの?」
玄関のドアには鍵が掛かっていなかった。
恋が玄関を開けると、舞華が倒れていた。
「まい姉!まい姉!大丈夫?」
「う…えっ…れ…恋ちゃん?」
「まい姉!今救急車を!」
携帯を取り出そうとした時、舞華がそれを阻止した。
「だ…大丈夫…リビングの…テーブルに…薬…ある」
「テーブルね!わかった」
恋は走ってリビングに向かい、吸入器を渡した。
舞華はその吸入器を吸い込んだ。
「まい姉?立てる?ベッド行こう?」
恋は舞華を支えて、ベッドへ運んだ。
「恋…ちゃん…ごめんね…デート…行けなくて…」
「そんなのいいんだよ!それよりまぁ兄に連絡したほうがいいよ」
「だめ!言わないで!」
「どうして…」
「今…まぁやん…大阪だ…から…言ったらすぐ戻って…来ちゃうで…しょ?お仕事…ほっぽって…」
「でも…」
「お願い!…い…言わないで…」
「…わかった…」
「ありがとう…」
「今日はわたし…ずっと付いてるからね?何かあったら言ってね」
「ありがとうね…恋…ちゃん…」
恋は舞華の看病をして、お粥を作って少し食べさせて、薬を飲ませた。
薬が効いたのか、舞華はスヤスヤと眠りについた。
恋は舞華の頭を撫でながら、寝顔を眺めていた。
「まい姉…お願いだから…生きてね…」
それから数日後、舞華の体調も回復して、改めて恋とのデートをすることになった。
「まい姉、無理しないでよ」
「うん!もう大丈夫!この通り」
舞華はマッスルポーズをして元気をアピールした。
「恋ちゃん、今日はどこに行こうか?」
「んとね、まい姉に見てもらいたい服があるんだ」
「じゃ、そこ行こっか!」
ふたりは恋が気になるお店に入った。
「まい姉、これなんだけど…どう?」
「んーそうだなぁ。デザインは可愛いけど、その色だと恋ちゃんの顔色にちょっと合わないかな」
舞華は店内を見て廻って
「恋ちゃん、これ当ててみて?」
「可愛いぃ~!どお」
「うん!似合う!ばっちりだよ」
「じゃあこれ買っちゃう」
「あとね、このスカートと併せるといいよ」
「まい姉すごいね。すぐ見つけてくれる」
「あとね、首元寂しいから、ネックレスとか併せるともっと可愛くなるよ」
「うん!ありがとうお会計してくるね」
「あっ!一緒に行くよ」
『お支払いは…』
「恋ちゃん、大丈夫!カードでお願いします」
「ちょっと!まい姉!いいよ!」
「ううん。この間助けてくれたから、プレゼント」
「ほんとに?ありがとう!大事にするね」
ふたりは街をぷらぷら歩いた。
「まい姉の病気って治らないの?」
「難しいかなぁ~。先天性の病気だからかな」
「そうなんだ…まい姉」
「ん?なぁに?」
「絶対長生きしてね」
「恋ちゃん…」
「わたし、まい姉とはずぅ~っと一緒に姉妹でいたい」
「私もだよ。ずぅ~っと仲良しの姉妹でいようね」
ふたりの絆は強かった。
同じ男性に惚れたふたりだが、お互いを認めあって、お互いを敬える存在となった。
ーだが…そんなふたりを…
病魔が引き裂こうとしていたー
まぁやんが仕事で家を空ける時は、必ずお泊まりに来ていた。
それはまぁやんが不在中に舞華に何かあったらと心配しての事だった。
「ちょっとぉ!恋ちゃん!今の反則だよー」
「いーえ!正当な攻撃です!」
「じゃあも一回!」
「何回でもどうぞ!」
ふたりはまぁやん宅でゲームをしていた。
「よっしゃー!勝ったー」
「負けたぁ!まい姉、どんどん上達してるね」
まぁやんの家には色んなものがあった。
ゲームはもちろん、ツイスターゲームなんかあった。
よく、みんな家に集まって、龍弥と康二でツイスターゲームをしていた。
これが非常に盛り上がる。
「龍弥、左手を青」
「マジかよ~!」
「すごい龍弥君、身体柔らか!」
「次、康二、右足を赤」
「うぐぐぐぐ…」
「ついてないよ!お兄ちゃんズルしてる」
「おま!れ…恋…よくみろ!」
「次、龍弥、左足を黄色」
「う~あ…も…だめ…ドタ!」
「おっしゃ勝った!鰻重ね」
負けたやつが全員の鰻重を奢るシステムだった。
こういうゲームをまぁやんの家では行われて、みんな盛り上がっていた。
「ねぇ、まい姉。明日ってなんか用事ある?」
「明日は特にないかな。どして?」
「じゃあさ、デートしない?」
「デート?」
「うん!ちょうどまい姉に見てもらいたい服があって、わたしに似合うかわからなくて」
「恋ちゃんの顔色に合う服ね!いいよ!行こう!」
「やった~!」
ふたりは本当に仲良しの姉妹になった。
舞華は大手の広告代理店に在籍し、体調のことを考慮して在宅ワークになっていた。
自宅のパソコンで原稿やデザインを作成して入稿していたのだった。
舞華が仕事している姿も、恋は側でみていた。
有名な某飲料メーカーの広告も手掛けていた。
「まい姉、仕事楽しい?」
「うん!この仕事大好きなんだ」
「わたしね、まだやりたい事が見つからないんだ」
「そんなに焦らなくてもいいと思うよ。きっと恋ちゃんがやりたいって思える仕事があるはずだよ」
「まい姉はどうしてこの仕事を選んだの?」
「んーそうだなぁ。私ね、病気で入退院繰り返してたんだけどね、その時によく雑誌を読んでたの」
「雑誌?ファッション雑誌とか?」
「それもあるけど、普通の週刊誌なんかもね。その時に雑誌に載ってた広告に目が止まってね。私も人が引き込まれる広告なんか作りたいって思ったの」
「そうなんだ…」
「うん!だから天職だよ!こうやって在宅ワークなんかも認めてくれるし」
「いい会社だね」
「そ!いい会社!」
舞華の仕事ぶりは、会社にも定評あり、舞華の作った広告はたくさん世にでた。
デート当日。
待ち合わせ場所に恋が到着した。
しかし時間になっても舞華は来なかった。
(どうしたんだろ?まい姉…)
電話を掛けても出ないので、心配になって家まで向かった。
『ピンポン』
「まい姉?いるの?」
玄関のドアには鍵が掛かっていなかった。
恋が玄関を開けると、舞華が倒れていた。
「まい姉!まい姉!大丈夫?」
「う…えっ…れ…恋ちゃん?」
「まい姉!今救急車を!」
携帯を取り出そうとした時、舞華がそれを阻止した。
「だ…大丈夫…リビングの…テーブルに…薬…ある」
「テーブルね!わかった」
恋は走ってリビングに向かい、吸入器を渡した。
舞華はその吸入器を吸い込んだ。
「まい姉?立てる?ベッド行こう?」
恋は舞華を支えて、ベッドへ運んだ。
「恋…ちゃん…ごめんね…デート…行けなくて…」
「そんなのいいんだよ!それよりまぁ兄に連絡したほうがいいよ」
「だめ!言わないで!」
「どうして…」
「今…まぁやん…大阪だ…から…言ったらすぐ戻って…来ちゃうで…しょ?お仕事…ほっぽって…」
「でも…」
「お願い!…い…言わないで…」
「…わかった…」
「ありがとう…」
「今日はわたし…ずっと付いてるからね?何かあったら言ってね」
「ありがとうね…恋…ちゃん…」
恋は舞華の看病をして、お粥を作って少し食べさせて、薬を飲ませた。
薬が効いたのか、舞華はスヤスヤと眠りについた。
恋は舞華の頭を撫でながら、寝顔を眺めていた。
「まい姉…お願いだから…生きてね…」
それから数日後、舞華の体調も回復して、改めて恋とのデートをすることになった。
「まい姉、無理しないでよ」
「うん!もう大丈夫!この通り」
舞華はマッスルポーズをして元気をアピールした。
「恋ちゃん、今日はどこに行こうか?」
「んとね、まい姉に見てもらいたい服があるんだ」
「じゃ、そこ行こっか!」
ふたりは恋が気になるお店に入った。
「まい姉、これなんだけど…どう?」
「んーそうだなぁ。デザインは可愛いけど、その色だと恋ちゃんの顔色にちょっと合わないかな」
舞華は店内を見て廻って
「恋ちゃん、これ当ててみて?」
「可愛いぃ~!どお」
「うん!似合う!ばっちりだよ」
「じゃあこれ買っちゃう」
「あとね、このスカートと併せるといいよ」
「まい姉すごいね。すぐ見つけてくれる」
「あとね、首元寂しいから、ネックレスとか併せるともっと可愛くなるよ」
「うん!ありがとうお会計してくるね」
「あっ!一緒に行くよ」
『お支払いは…』
「恋ちゃん、大丈夫!カードでお願いします」
「ちょっと!まい姉!いいよ!」
「ううん。この間助けてくれたから、プレゼント」
「ほんとに?ありがとう!大事にするね」
ふたりは街をぷらぷら歩いた。
「まい姉の病気って治らないの?」
「難しいかなぁ~。先天性の病気だからかな」
「そうなんだ…まい姉」
「ん?なぁに?」
「絶対長生きしてね」
「恋ちゃん…」
「わたし、まい姉とはずぅ~っと一緒に姉妹でいたい」
「私もだよ。ずぅ~っと仲良しの姉妹でいようね」
ふたりの絆は強かった。
同じ男性に惚れたふたりだが、お互いを認めあって、お互いを敬える存在となった。
ーだが…そんなふたりを…
病魔が引き裂こうとしていたー
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