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僕とおねぇさん
おねぇさんと出会う前のお話をしよう
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僕とおねぇさんは、生まれたときから結ばれる運命なんだよ。
おねぇさんは、信じてくれるかな?
多分また「そうなの? リーシュはロマンチストね」って言われるかな?
でも、これは本当に本当の事なんだ。
あと、僕はおねぇさんと同じ年、同じ日に生まれた。つまりとおねぇさんは同じ年齢。
絶対信じてくれない気がするけど、まあ、それでもいいや。だって僕が子供だから、おねぇさんは一緒にいてくれたんだから。
おねぇさんに出会う前の話をしよう。
妖精界には6人の精霊が住んでいる。
水の精霊、ウンディーネとその伴侶フラウ。
火の精霊、サラマンダーとその伴侶カーム。
土の精霊、ノームとその伴侶スター。
僕は本来、風の精霊シルフの伴侶としてこの世界に生を受けた。
でも、どう言う訳か、僕と同時に生まれる筈のシルフが生まれてこなかった。
風の精霊は自由な気質を持つ、気まぐれな精霊なので、過去にも同じような事があったそうだ。
その時は、伴侶はずっと死ぬまでシルフを探していたんだと聞いた。
僕と同じで……。
精霊の伴侶は、基本的に二つの能力を授かる。一つは名前にちなんだ能力だ。
僕、リーシュは繋ぐ者と言う意味を持つ。色々な縁や物を繋ぐ能力を持っている。
風の伴侶はだいたい「繋ぐ」や「引き寄せる」といった名前を授けられる事が多い。この能力でシルフを繋ぎとめろと言う事なんだと思う。
もう一つの能力は、精霊伴侶共通の能力だ。
妖精を使役し、死んだ妖精を身体に集め取り入れ放出する力。又は、死んだ妖精に命を与え産みだす力。
これは、対の能力で、男には放出する力。女には産みだす力が備わっている。
精霊と伴侶は妖精を産みだす事でお互いの力を循環させて生きている。
循環できない者は、生まれてから1万日で力尽き、後に生まれ変わる。
つまり伴侶がいない僕は、産まれてから1万日で死ぬと言う事だ。
精霊や妖精たちは皆、哀れみ色々手を尽くしてくれた。
水の精霊ウンディーネの伴侶、フラウは未来の可能性を視る力がある。
フラウの力を借りて、何とかシルフを探す事が出来ないかと聞いた。しかし、今見える未来にシルフの姿は見えないと言われた。
結局シルフは見つからず、残り時間は1年を切っていた。
力を循環する為には、伴侶と妖精を生み出す行為をしなければならない。しかし繁殖期は精通以降7年に一度。
つまり、僕は13歳で精通したから、27歳の誕生日までにシルフを見つけないと手遅れになる。
……いつしか僕は静かに、自分の死を受け入れはじめていた。
その日、僕は何故か一日中落ち着かない気分だった。
サラマンダーに頼まれた「仲直り」の薬を作っている時も、力が出せなくてうまく「繋ぐ」力が出てこない。
何をしても、ぼーっとしてしまう。
仕方ないので、今日は早いけど寝てしまおうと寝室の大きなベッドで横になった。
半円形の部屋は、ピンクの壁紙や、天井から吊るす白いカーテンで飾られている。いつかシルフとこの家で過ごす時、少しでも気に入ってもらいたくて、家の内装ももちろん、この部屋は特に気合を入れて作った。
ばかみたい……。
なんでシルフの魂は、どこかにいっちゃったんだろう。
こんな何も無い世界に生まれたくなかったのかな?
それとも、僕が伴侶なのが気に食わなかったのかな?
胸がツキンと痛んだ。
生まれ変っても風の伴侶には、なりたくないって、昔ノームが言ってたけど、僕だって好きで風の伴侶に生まれた訳じゃないんだ。
大人になる事も出来ず、精神も肉体も子供のまま。妖精たちと変わらない。
他の6人が普通に大人になって妖精をたくさん産んでいるのに、風の妖精は何処にも居ない。
最後の風の妖精は、僕が5歳の時に死んだ。
あの妖精の魂は、今も僕の中に眠っている。このまま僕が死ねば、次の妖精の伴侶に引き継がれるのかな?
……ごめんね、すぐに生まれさせる事が出来なくて。
しばらくして、水の妖精が僕に話しかけてきた。
『りーしゅ! ぱぱが、よぶ。はやく、おきるっ』
カタコトの妖精言葉に何の用があるのかと、ベッドの縁に腰掛ける。水の入ったコップを手元に呼び出した。
僕たち精霊は、どんなに離れていても媒介を通して声を伝える事が出来る。
「なに? フラウどうしたの?」
「……リーシュ! お前無事か?」
僕が話しかけると、水の表面がポコポコ揺れてフラウの慌てた声が聞こえた。
「僕は無事だけど、何か見えたの?」
未来の可能性を視る力で何か見えたのかもしれない。フラウの力は未来の方向性が高い確率で流れを作った瞬間に見えるので、いつも、こんな感じで突然話しかけてくるし、いつもだいたい慌ててる。
「視えた事には視えた! けど良く分からない。眩しい光が襲ってきて、風が消滅する……あ、ちょっとまて。これ、人界の出来事なのかも……」
「人界? それが何で僕に関係あるの?」
フラウは「ちょっとまて。今視てる」と沈黙した。
何が何だか分からず、とにかくコップから声が出るのを待った。
「風の気配だからリーシュかと思ったら、これシルフだ」
「へ? シルフは人界にいるの?」
「リーシュ、お前の繋ぐ力でシルフをもってこい。たぶん、人界でシルフの肉体が壊れて、放置したら冥府まで、シルフの魂がもってかれる」
なんだって? 僕たち妖精や精霊の魂は、妖精界で循環するものなのに……?
「え、なんで冥府? シルフ……死ぬの?」
「シルフは何でか知らないが、人界に産まれたみたいだ。だから」
「ご、ごめん。ちょっと混乱してきた。とにかく、シルフが冥府に行く前に繋いでこっちに引っ張ればいいんだね? わかった。なんかシルフの目印ってある? 近くに媒体とか。人界なんて……妖精たちが悪戯をしに行った時の話でしか知らないんだけど……人間がいっぱいいるんでしょ?」
妖精界と人界は、物理法則が違うので、質量の小さな妖精は行き来できるし、時々悪戯して小さな物をこちらに持ってきたりするけど、質量の大きな精霊は媒体を通さないと干渉できない。
「前に貸した人界の本! あれがあった場所の近くにいる。今オレの妖精を送った。あと……シルフはおっぱいがでかい!」
「あの、女の人の絵がいっぱいある、ツルツルしたやつ? え、おっぱ……ちょ、人の伴侶に向かって何いってるの?」
ベッドの下に隠していた人界の本から、ツルツルした表紙の、小さな布しか身に付けていない女の人が微笑んでいる表紙を見つけて、床に座り膝の上に乗せる。
媒体の本を通して人界に切り離した意識を送り、そこで僕は小さな光の粒になった。
人界の媒体(本)があった場所は、夜なのに昼間みたいに明るくて、背の低い棚が均等に置いてある。小さなピカピカした箱やカラフルな袋がたくさん棚に並んでいて、騒がしい場所だった。
時々甲高い音楽が鳴って「らっしゃいませー」と人間が声を出す。室内に入ってくる人間は、それを無視して青い籠を手に、棚の間をうろうろしていた。
片側の壁一面がガラス張りで、外の様子が良く見える。
『りーしゅ、こっち』
フラウの妖精(こども)が僕を外に導こうとした。
でも、あまり良い媒体ではなかったので、僕はガラスを通り抜ける事が出来ない。
先程青い籠を持っていた人間が、今度は白いカサカサする袋を持って外に出ようとしていた。それについて行けば外に出れると思って、ピタっと人間の袖にくっついた。
妖精は人間が歩く方向を指し示しているので、そのまま袖にしがみついていると、人間が「うわ! あぶなっ」っと大声で叫んだ。何事かと袖から離れると、眩しい白い光が、凄い勢いで僕の前を通り過ぎた。
光の先を見ると……そこに、僕の伴侶がいる。
その光る物体が不快な音を立てて彼女に迫った。
眩しい光が襲ってきて、風が消滅する。
フラウの言葉が脳裏を過ぎる。
僕は力の限り彼女を繋ぐ力を使った。
衝撃を受けて、僕の身体は後方へ飛ばされ硬い物にぶつかった。
「いったぁ……」
背中をさすりながら、呆然と周りを見渡す。そこは先程と変わらない寝室の床の上。ぶつかったのは、ベッドの縁だった。
「リーシュ! 大丈夫か? シルフはどうなった?」
コップの水からフラウの焦った声が聞こえる。
部屋に一人でいると言うことは……僕はシルフを繋げて、こっちに引っ張れなかったって事?
「フラウ……どうしよう……シルフが死んじゃった……」
自分で言った言葉に驚いて、心臓が激しく鼓動を刻み、手足がじーんと震えてきた。
カタカタ震えながら、コップを睨みつけていると、フラウが唸り出す。
「おかしいな、オレには今、風の妖精がたくさんいる未来が見えるんだけど……」
「……それは……きっと、次の風の精霊が産んだんだよ……」
重苦しい空気が流れる。
なぜ繋げる力がちゃんと働かなかったんだろう……今日は調子が悪かったから、そのせいかな? なんで今日に限って……一生で一番大事な時に……!
「なんじゃこりゃー!」
突然家の外で大声が聞こえた。
聞いたこと無い声だ! まさか……。
転げるように床を蹴って階段を駆け下り、玄関から外に出ると……そこには一人の女性が立っていた。月明かりに照らされた彼女の顔は、ついさっき見たあの顔。
僕の伴侶だ!
そして、僕とおねぇさんは一緒にこの家で暮らすことになった。
おねぇさんは、信じてくれるかな?
多分また「そうなの? リーシュはロマンチストね」って言われるかな?
でも、これは本当に本当の事なんだ。
あと、僕はおねぇさんと同じ年、同じ日に生まれた。つまりとおねぇさんは同じ年齢。
絶対信じてくれない気がするけど、まあ、それでもいいや。だって僕が子供だから、おねぇさんは一緒にいてくれたんだから。
おねぇさんに出会う前の話をしよう。
妖精界には6人の精霊が住んでいる。
水の精霊、ウンディーネとその伴侶フラウ。
火の精霊、サラマンダーとその伴侶カーム。
土の精霊、ノームとその伴侶スター。
僕は本来、風の精霊シルフの伴侶としてこの世界に生を受けた。
でも、どう言う訳か、僕と同時に生まれる筈のシルフが生まれてこなかった。
風の精霊は自由な気質を持つ、気まぐれな精霊なので、過去にも同じような事があったそうだ。
その時は、伴侶はずっと死ぬまでシルフを探していたんだと聞いた。
僕と同じで……。
精霊の伴侶は、基本的に二つの能力を授かる。一つは名前にちなんだ能力だ。
僕、リーシュは繋ぐ者と言う意味を持つ。色々な縁や物を繋ぐ能力を持っている。
風の伴侶はだいたい「繋ぐ」や「引き寄せる」といった名前を授けられる事が多い。この能力でシルフを繋ぎとめろと言う事なんだと思う。
もう一つの能力は、精霊伴侶共通の能力だ。
妖精を使役し、死んだ妖精を身体に集め取り入れ放出する力。又は、死んだ妖精に命を与え産みだす力。
これは、対の能力で、男には放出する力。女には産みだす力が備わっている。
精霊と伴侶は妖精を産みだす事でお互いの力を循環させて生きている。
循環できない者は、生まれてから1万日で力尽き、後に生まれ変わる。
つまり伴侶がいない僕は、産まれてから1万日で死ぬと言う事だ。
精霊や妖精たちは皆、哀れみ色々手を尽くしてくれた。
水の精霊ウンディーネの伴侶、フラウは未来の可能性を視る力がある。
フラウの力を借りて、何とかシルフを探す事が出来ないかと聞いた。しかし、今見える未来にシルフの姿は見えないと言われた。
結局シルフは見つからず、残り時間は1年を切っていた。
力を循環する為には、伴侶と妖精を生み出す行為をしなければならない。しかし繁殖期は精通以降7年に一度。
つまり、僕は13歳で精通したから、27歳の誕生日までにシルフを見つけないと手遅れになる。
……いつしか僕は静かに、自分の死を受け入れはじめていた。
その日、僕は何故か一日中落ち着かない気分だった。
サラマンダーに頼まれた「仲直り」の薬を作っている時も、力が出せなくてうまく「繋ぐ」力が出てこない。
何をしても、ぼーっとしてしまう。
仕方ないので、今日は早いけど寝てしまおうと寝室の大きなベッドで横になった。
半円形の部屋は、ピンクの壁紙や、天井から吊るす白いカーテンで飾られている。いつかシルフとこの家で過ごす時、少しでも気に入ってもらいたくて、家の内装ももちろん、この部屋は特に気合を入れて作った。
ばかみたい……。
なんでシルフの魂は、どこかにいっちゃったんだろう。
こんな何も無い世界に生まれたくなかったのかな?
それとも、僕が伴侶なのが気に食わなかったのかな?
胸がツキンと痛んだ。
生まれ変っても風の伴侶には、なりたくないって、昔ノームが言ってたけど、僕だって好きで風の伴侶に生まれた訳じゃないんだ。
大人になる事も出来ず、精神も肉体も子供のまま。妖精たちと変わらない。
他の6人が普通に大人になって妖精をたくさん産んでいるのに、風の妖精は何処にも居ない。
最後の風の妖精は、僕が5歳の時に死んだ。
あの妖精の魂は、今も僕の中に眠っている。このまま僕が死ねば、次の妖精の伴侶に引き継がれるのかな?
……ごめんね、すぐに生まれさせる事が出来なくて。
しばらくして、水の妖精が僕に話しかけてきた。
『りーしゅ! ぱぱが、よぶ。はやく、おきるっ』
カタコトの妖精言葉に何の用があるのかと、ベッドの縁に腰掛ける。水の入ったコップを手元に呼び出した。
僕たち精霊は、どんなに離れていても媒介を通して声を伝える事が出来る。
「なに? フラウどうしたの?」
「……リーシュ! お前無事か?」
僕が話しかけると、水の表面がポコポコ揺れてフラウの慌てた声が聞こえた。
「僕は無事だけど、何か見えたの?」
未来の可能性を視る力で何か見えたのかもしれない。フラウの力は未来の方向性が高い確率で流れを作った瞬間に見えるので、いつも、こんな感じで突然話しかけてくるし、いつもだいたい慌ててる。
「視えた事には視えた! けど良く分からない。眩しい光が襲ってきて、風が消滅する……あ、ちょっとまて。これ、人界の出来事なのかも……」
「人界? それが何で僕に関係あるの?」
フラウは「ちょっとまて。今視てる」と沈黙した。
何が何だか分からず、とにかくコップから声が出るのを待った。
「風の気配だからリーシュかと思ったら、これシルフだ」
「へ? シルフは人界にいるの?」
「リーシュ、お前の繋ぐ力でシルフをもってこい。たぶん、人界でシルフの肉体が壊れて、放置したら冥府まで、シルフの魂がもってかれる」
なんだって? 僕たち妖精や精霊の魂は、妖精界で循環するものなのに……?
「え、なんで冥府? シルフ……死ぬの?」
「シルフは何でか知らないが、人界に産まれたみたいだ。だから」
「ご、ごめん。ちょっと混乱してきた。とにかく、シルフが冥府に行く前に繋いでこっちに引っ張ればいいんだね? わかった。なんかシルフの目印ってある? 近くに媒体とか。人界なんて……妖精たちが悪戯をしに行った時の話でしか知らないんだけど……人間がいっぱいいるんでしょ?」
妖精界と人界は、物理法則が違うので、質量の小さな妖精は行き来できるし、時々悪戯して小さな物をこちらに持ってきたりするけど、質量の大きな精霊は媒体を通さないと干渉できない。
「前に貸した人界の本! あれがあった場所の近くにいる。今オレの妖精を送った。あと……シルフはおっぱいがでかい!」
「あの、女の人の絵がいっぱいある、ツルツルしたやつ? え、おっぱ……ちょ、人の伴侶に向かって何いってるの?」
ベッドの下に隠していた人界の本から、ツルツルした表紙の、小さな布しか身に付けていない女の人が微笑んでいる表紙を見つけて、床に座り膝の上に乗せる。
媒体の本を通して人界に切り離した意識を送り、そこで僕は小さな光の粒になった。
人界の媒体(本)があった場所は、夜なのに昼間みたいに明るくて、背の低い棚が均等に置いてある。小さなピカピカした箱やカラフルな袋がたくさん棚に並んでいて、騒がしい場所だった。
時々甲高い音楽が鳴って「らっしゃいませー」と人間が声を出す。室内に入ってくる人間は、それを無視して青い籠を手に、棚の間をうろうろしていた。
片側の壁一面がガラス張りで、外の様子が良く見える。
『りーしゅ、こっち』
フラウの妖精(こども)が僕を外に導こうとした。
でも、あまり良い媒体ではなかったので、僕はガラスを通り抜ける事が出来ない。
先程青い籠を持っていた人間が、今度は白いカサカサする袋を持って外に出ようとしていた。それについて行けば外に出れると思って、ピタっと人間の袖にくっついた。
妖精は人間が歩く方向を指し示しているので、そのまま袖にしがみついていると、人間が「うわ! あぶなっ」っと大声で叫んだ。何事かと袖から離れると、眩しい白い光が、凄い勢いで僕の前を通り過ぎた。
光の先を見ると……そこに、僕の伴侶がいる。
その光る物体が不快な音を立てて彼女に迫った。
眩しい光が襲ってきて、風が消滅する。
フラウの言葉が脳裏を過ぎる。
僕は力の限り彼女を繋ぐ力を使った。
衝撃を受けて、僕の身体は後方へ飛ばされ硬い物にぶつかった。
「いったぁ……」
背中をさすりながら、呆然と周りを見渡す。そこは先程と変わらない寝室の床の上。ぶつかったのは、ベッドの縁だった。
「リーシュ! 大丈夫か? シルフはどうなった?」
コップの水からフラウの焦った声が聞こえる。
部屋に一人でいると言うことは……僕はシルフを繋げて、こっちに引っ張れなかったって事?
「フラウ……どうしよう……シルフが死んじゃった……」
自分で言った言葉に驚いて、心臓が激しく鼓動を刻み、手足がじーんと震えてきた。
カタカタ震えながら、コップを睨みつけていると、フラウが唸り出す。
「おかしいな、オレには今、風の妖精がたくさんいる未来が見えるんだけど……」
「……それは……きっと、次の風の精霊が産んだんだよ……」
重苦しい空気が流れる。
なぜ繋げる力がちゃんと働かなかったんだろう……今日は調子が悪かったから、そのせいかな? なんで今日に限って……一生で一番大事な時に……!
「なんじゃこりゃー!」
突然家の外で大声が聞こえた。
聞いたこと無い声だ! まさか……。
転げるように床を蹴って階段を駆け下り、玄関から外に出ると……そこには一人の女性が立っていた。月明かりに照らされた彼女の顔は、ついさっき見たあの顔。
僕の伴侶だ!
そして、僕とおねぇさんは一緒にこの家で暮らすことになった。
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