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Scene07 殺さない殺し屋
68 灰
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――夜の繁華街
「運命なのか偶然か。
時の流れは残酷で……」
ひとりの青年が歌っている。
すると目の前にひとりの少女がホストに絡まれている。
「ねぇー彼女、俺らとイイコトしない?」
「嫌です」
少女が嫌がる。
「いいから来いよ」
ホストがそういうと複数の男たちが少女を囲う。
「おい、嫌がっているぞ」
青年が歌をやめホストたちに近づく。
するとホストのひとりがびっくりして飲んでいた水をこぼす。
「なに?おっさんのせいで服濡れたんだけど?」
「そうか、それは申し訳ない」
青年がそういって小さく笑う。
「なにがおかしいんだよ」
別のホストが青年の胸ぐらを掴む。
すると服が濡れたホストの体が炎に包まれた。
「あ、すまない。少し乾かすつもりが体中の水分を乾かしてしまったようだ」
「あ?なんだ?なにをしたんだてめぇ!」
ホストが青年の体を突き放す。
「なんだお主の水分も乾かしてやろうか?」
ホストはニヤリと笑う。
「その前に俺がお前を殺してやんよ」
「お主が余をか?」
「何様のつもりだ?
俺は天下無敵の――」
ホストはその言葉を最後まで言う前に灰になった。
「余はモトフミクライヌシノオオミカミ。
まぁ、主らの言う神の中の神だ」
全てのホストが燃え上がる。
少女とモトフミだけが残される。
「……あ」
少女は畏れる。
人が燃える。
それは日常ではありえない光景だからだ。
「モトフミさま。
亜金が館の方に来たそうです」
フィサフィーがそういって現れる。
「わかった。
戻ろう」
「この少女はいかがなさいます?」
「ただの戯れだ。
放っておけ。
おい娘、逃げていいぞ」
「あ。はい」
少女は逃げる。
しかし……
少女は燃える。
「まぁ、戯れじゃて」
フィサフィーはそういって笑った。
「殺したのか?」
モトフミの問にフィサフィーは答える。
「そうか……」
モトフミは残念そうにうなずいた。
「運命なのか偶然か。
時の流れは残酷で……」
ひとりの青年が歌っている。
すると目の前にひとりの少女がホストに絡まれている。
「ねぇー彼女、俺らとイイコトしない?」
「嫌です」
少女が嫌がる。
「いいから来いよ」
ホストがそういうと複数の男たちが少女を囲う。
「おい、嫌がっているぞ」
青年が歌をやめホストたちに近づく。
するとホストのひとりがびっくりして飲んでいた水をこぼす。
「なに?おっさんのせいで服濡れたんだけど?」
「そうか、それは申し訳ない」
青年がそういって小さく笑う。
「なにがおかしいんだよ」
別のホストが青年の胸ぐらを掴む。
すると服が濡れたホストの体が炎に包まれた。
「あ、すまない。少し乾かすつもりが体中の水分を乾かしてしまったようだ」
「あ?なんだ?なにをしたんだてめぇ!」
ホストが青年の体を突き放す。
「なんだお主の水分も乾かしてやろうか?」
ホストはニヤリと笑う。
「その前に俺がお前を殺してやんよ」
「お主が余をか?」
「何様のつもりだ?
俺は天下無敵の――」
ホストはその言葉を最後まで言う前に灰になった。
「余はモトフミクライヌシノオオミカミ。
まぁ、主らの言う神の中の神だ」
全てのホストが燃え上がる。
少女とモトフミだけが残される。
「……あ」
少女は畏れる。
人が燃える。
それは日常ではありえない光景だからだ。
「モトフミさま。
亜金が館の方に来たそうです」
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「わかった。
戻ろう」
「この少女はいかがなさいます?」
「ただの戯れだ。
放っておけ。
おい娘、逃げていいぞ」
「あ。はい」
少女は逃げる。
しかし……
少女は燃える。
「まぁ、戯れじゃて」
フィサフィーはそういって笑った。
「殺したのか?」
モトフミの問にフィサフィーは答える。
「そうか……」
モトフミは残念そうにうなずいた。
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