みんなのサスペンス～ちょっぴり残酷な物語

Scene07 殺さない殺し屋

63 悪夢が始まる

残酷な世界は残酷なままに。

「調教完了！
　あー楽しかった！」

ユキはそういって触手男の唇にキスをする。
触手男はビクンと体を震わせる。

何度も達したその快感を前に触手男に意思はもうない。

「あああ」

ただうめき声のような声を出すとユキは嬉しそうに笑う。

「貴方は玩具。私の玩具。
　もっと気持ちよくなりたいでしょ？
　だったらいい？」

「気持ちよくなりたい」

触手男がうなずく。

「じゃ、この子を犯しなさい。
　殺してもいいし貴方の玩具にしてもいいわよ」

ユキはそう言って触手男に写真を見せる。

「かわいい」

触手男が嬉しそうに笑う。

「この子のいる学校は武蔵野学園。
　なんならこの学校にいる子。
　全部玩具にしてもいいわよ。
　そうねぇ、この女の子の名前は朝倉　東ひがしちゃんっていうの。
　東ちゃんをこの学校の男子全員にレイプさせるのはどうかしら？
　薬で感度をあげて触るだけで逝くようにして。
　東ちゃんの前でお友だちも犯してあげましょう。
　そして生きたまま……
　ああ、その顔を想像するだけでゾクゾクしちゃうわー」

ユキが楽しそうに笑う。

「犯す殺す自由……」

「そう自由にしていいわよ。
　だって玩具なのだから！」

触手男がユキと共に笑う。

「さぁ、いってらっしゃい」

ユキがそういうと触手男は頷く。
そしてその場を後にした。







チャイムが鳴る。
その音はどこか低く鈍かった。

「授業終わり！帰りはパフェだパフェだ！」

朝倉　東は、今日も明るく元気に笑う。

「東、ほんとにパフェ好きね」

クラスメイトの美樹がそういって苦笑いを浮かべる。

「今日こそは吾郎さんのミラクルフルーツデラックスイチゴクレープを食べるんだー」

東の目が輝く。

しかし、その輝きはすぐに失われることになる。

女子生徒の悲鳴により……

その声は学校中に響き渡る。

校門の前に集まる男女。

そこに意識があるものはいない。

みんな視線を一点に合わせている。

その場所は東。
写真に写っていた少女。
朝倉　東。

そして東を見つけたモノは笑顔を浮かべ走り出す。
こうして武蔵野学園の地獄が始まった。