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Scene02 無理心中と幼い子ども

17 幼い喪主

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「大輔くん。
 ナイフは持ち歩いたら銃刀法違反になるよ?」

昭三がそういうと大輔は笑う。
そしてナイフの先を指先に当てる。
するとナイフが凹む。

「おもちゃ?」

隼人がそういうと大輔がうなずく。

「うん。
 あー、怖かった」

大輔がそういって大きく息を吐いた。

昭三はなにかを感じた。
だがなにも言わなかった。

「ああん?おもちゃのナイフだったのか?
 ビビらせやがって!こっちは今度は3人だ!
 今度は耳を揃えて3億円払ってもらうぞ!」

先程の闇金の男が他に2人を連れて現れた。

「はい?」

昭三が首を傾げる。

「さっさと返せや!」

闇金の男が昭三の胸ぐらをつかむ。

「私の聞いた話だと隼人くんは相続を放棄したはずだが……」

「んなもん、知るか!
 今すぐ返せ!」

「それに借りたお金は300万円だろう?
 それにその金額は返済しているよね。
 これはどう見ても法律違反だ」

「そんなんで俺らがビビると思っているのか?
 ああん?」

すると昭三がその闇金の男を掴みそのまま地面に叩きつけた。

「なんなんだお前は……!?」

闇金の男のひとりがそういうと昭三がいった。

「元警察官さ……」

「サツ!?やばい逃げるぞ!」

闇金の男ふたりは、残された男を置いて逃げようとしたとき。
りのあと小十郎が現れふたりの男を捕まえて背負投をした。

そして、男3人はあとから来た警察の男に捕まり逮捕されることになった。

「えっと……
 どういうこと?」

隼人が、状況を把握できず戸惑っていた。

「もう、隼人くんには借金の取り立ては来ないよ。
 隼人くんの家族を滅茶苦茶にした悪い人たちはおじさんたちが、全部捕まえてみせるから」

昭三がそういうと 隼人は安心したような表情でうなずいたあと悲しい表情で言葉を続けた。

「そっか……
 もしかして、警察に相談していればお父さんやお母さん、マコは死ななくて住んだのかな?」

「そうだね。
 彼らの行為は明らかな違法行為だ。
 もしかしたら力になれたかもしれないね……」

昭三は悔しそうにいった。
大輔には言葉が浮かばない。
だけどこれだけはいいたかった。

「これからは僕が君を護るよ」

「うん」

そうして、葬儀が終わる。

 少ない人数。
 少ない口数。
 喪主は、6歳の隼人。

まだ幼い隼人に喪主を任せるのはあまりにも酷だと大輔は思った。
しかし、隼人の強い意志と誰もやりたがらないため仕方がないかも知れない考えた。
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