~マーメイド~

はらぺこおねこ。

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Scene08 デモニックになった日

102 鳴る電話

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2023年12月20日午後18時30分

そのニュースは車のラジオの臨時ニュースで流れた。

美智子は車を運転し壱が助手席で資料に目を通していた。

「え?」

壱はその流れたニュースに驚く。

「引き返しましょう」

美智子がそういうと壱は頷いた。

「うん」

「……東道皿馬。
 どうしてあそこが……?」

美智子が考える。

「もしかして僕の槍マンの動画にゆかりさんが写っていたとか?」

「いえ、私も動画を確認しましたが、ゆかりさんの顔は写っていませんでした」

「そうだよね」

「考えるのは後です」

「いや、僕らは今、考えなければいけないことがもうひとつある」

「え?」

「どうしてこの犯行が、東道皿馬の犯行だということをマスコミが知っているかということだよ」

「確かに……
 特定が早すぎますね」

すると壱のスマホに十三から着信が来る。

「斎藤です」

壱は電話にさっとでた。

「久留里です。
 臨時ニュースはみたかい?」

「あ、はい。
 ラジオで聞きました」

「多分、あそこにウチのクラスの生徒の百道くんがいるっぽい」

「え?」

「喧嘩で運ばれたらしくてさっきLINEを送ってくれて、それで僕が警察に報告したんだ。
 マスコミがどうやって知ったかまではわかんないけど……」

「なるほど……
 でも、百道くんはどうして犯人の名前を?」

「犯人が館内放送で自分の名前を流したらしい。
 『田村ゆかりを出せ』ってね。
 まぁ、そんなわけで紫さんや百道くんは今のところ無事だよ。
 ただピノさんとノノさんとは別行動らしくて」

「そうですか。
 僕たちも今すぐ向かいます」

「うん、僕も向かってるよ。
 では、病院の前で合流しよう」

そうして電話を切れた。
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