~マーメイド~

はらぺこおねこ。

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Scene07 赤月よりも青きもの

93 世界中誰だって

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「小娘が、我をそのような目で見るとは命はないと思え!」

モトフミがピノの方を睨み笑いかける。
すると数匹の犬が現れる。

「……アースベルガー?
 なんでこんなに?」

紫が思わず震える。

「様を付けろ。
 そいつらはただのクローンであり我の奴隷だ」

そう言ってアースベルガーは紫に飛びかかる。

「嫌!!」

紫はアースベルガーを振り払い爆発させようとする。
しかし力は出ない。

「傷がないな。
 どうやった?」

アースベルガーが紫の服を破り肌を舐める。

「どうして力が……?」

「当たり前だろ?
 我を裏切ったのだからその力は没収だ!」

モトフミがそう言って小さく笑う。

「いいのだな?紫を犯しても……」

アースベルガーがモトフミに許しを請う。

「いいぞ、紫、ノノ、ピノ。
 この学園の全てを犯し殺し凌辱し。
 全てを奪い去らせ!」

モトフミは指揮棒で指揮を取る。
するとアースベルガーのクローンが学生たちに襲いかかろうとする。

「そんなことさせると思う?
 この僕が……」

その言葉とともに空から無数のレーザーでアースベルガーのクローンたちを焼き払う。

「誰だ?我が名はモトフミ!
 神ぞ!」

そのモトフミにもレーザーは降り注ぐ。
1撃。2撃。3撃と……

「モトフミ様?」

アースベルガーが顔を上げる。

モトフミは消し炭になった。

「女の上に乗っていいのは、その女に惚れられている男だけなんだぜ?」

そう言って百道が現れアースベルガーの腹部に強力な一撃を浴びせ吹き飛ばす。

「糞が!なんだお前は?」

「俺か?俺の名前は――」

「知ってるかい?ビームは横からも出るんだよ!」

その声とともにアースベルガーがビームで焼き払われる。

「が……?」

アースベルガーの首だけが残る。

「伝えておいて。
 僕がいる間はこの学園には手を出させない」

十三がそう言うとアースベルガーは静かに消えた。

「なんだよ、センセ!
 あんなヤツ、俺1人で十分なのによ!」

百道が十三に言葉を投げる。

「まぁ、クローンだからね」

「え?」

十三の言葉に百道と紫が驚く。

「まさかあのモトフミってやつも?」

ノノが一点の方を見て言う。

「うん?ノノは知っていたのか?」

百道がノノに尋ねる。

「サッチャー生きてるもん」

ノノが苦笑いを浮かべながら言う。

「えー」

指をさす場所にはサッチャーが豪快に笑っていた。

「先生が守ったの?」

紫が尊敬の眼差しで言う。

「サーチのサッチャーがあの程度の軌道を避けれぬ訳がなかろう!」

「うん、僕は何もしていないよ」

「え?え?え?」

紫は混乱する。

「この学園は覚醒者が多いからね」

「そんな……
 ギフトはモトフミさまから貰わないと手に入らないはず」

「それは違うんだ」

「ギフトも呪いも脳の覚醒なんだ」

紫には十三の言葉の意味がわからない。

「全ては神の意志のままに」

百道が言う。

「それはモトフミ様の意思……」

「本物のモトフミの言葉さ」

百道が笑う。
紫には全てがわからなかった。
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