~マーメイド~

はらぺこおねこ。

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Scene07 赤月よりも青きもの

78 形勢は常に逆転する

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「なんで……?どう……して……」

紫の声が細くなる。
意識が遠くなる。

そして――
紫は眠りについた。
静かに静かに……

「スー、スー」

「寝たの?」

壱が驚く。

「傷が癒えるまではおやすみなの」

ピノが紫の頭を撫でる。

「え?傷は癒えたんじゃないの?」

十三が驚く。

「私が治せるのは体の傷……
 心の傷は無理なの」

ピノの目の色が深くなる。

「ピノ?」

壱はピノの異変に気づく。

咄嗟に拳を構える。
それは十三とハイジも同じだった。

「あらあらあら。
 裏切り者が眠っている」

聖杯を持った美しい女性が現れる。

「コイツは!!!」

ハイジは手に汗をかく。

「知ってるの?
 もしかして元カノ……とか?」

壱がハイジに尋ねる。

「貴婦人マスティマ!
 テオスの幹部のひとり!」

マスティマはクスリと笑うと聖杯を傾ける。
すると水で出来た狼が数体現れる。

「行きなさい、オオカミたち。
 美味しい美味しい血肉を食べなさい」

マスティマの号令とともに十三はビームで焼き払う。

「え?」

驚くマスティマ。

「やっぱり水だから熱で蒸発しちゃうね」

「えい」

マスティマはもう一度聖杯を傾ける。
今度は同時に10体召喚した。

「ふふふふふ……
 仕切り直しよ」

「やぁ」

十三がその狼もすぐにビームで溶かした。

「な、なんで……?」

戸惑うマスティマ。

そこへひとりの少女が現れる。

「ノノちゃん?」

「どうしたの?ピノちゃん。
 そんな顔をして……」

「どうやってここに来たの?」

「親切なおじさんに連れてきてもらったの!」

ノノがそういうとマスティマが勝ち誇った顔をした。
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