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Scene07 赤月よりも青きもの
76 夢だから冷めた
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紫は笑う。
何故か壱に話したくなった。
全てを話したくなった。
「言えるわけないじゃない」
でも言えなかった。
言うことができなかった。
「いじめ……だね?」
壱の言葉に何故か救われる。
理由はない。
救いとはそういうことなのだ。
「どうして?」
「理屈じゃない。
僕もいじめられていたからね」
ハイジも十三も何も言わない。
「いいじゃない。
私は傷つけられた。
だからやり返した。
ただそれだけ!なのにこの扱いは何?」
「理由はどうであれ君は沢山の人を傷つけた」
一度傾きかけた心が離れる。
紫は傷つけやすいが傷つきやすかった。
孤独が怖い。
孤独の怖さを知っている。
「だったら私はどうすれば救われたの?」
「殴られたら殴り返していいんだよ」
「え?」
「でも、殴られてすぐじゃなきゃダメ。
強くなったら殴ったらダメ。
殴っていいのは弱い人の特権なんだ」
「……でも強くなければ殴れない」
「弱かったらこっそり殴っても大丈夫。
なぜなら強い人は弱い人に殴られたことを恥とする」
「ダメね。
優しくされると私は弱い。
でもモトフミ様はもっと優しかった。
モトフミ様は誰よりも優しく。
そしてフィサフィー様は誰よりも残酷」
「フィサフィー?」
「貴方ともう少し早く出会いたかったな」
紫はそういって小さく笑う。
機械の音が鳴り響く。
「……僕は君を救いたい」
「無理よ。私はモトフミ様の名前を出した。
だからペナルティーをして死ぬ。
そういう機械が埋め込まれているの」
「……」
「さようなら」
そして機械は爆発した。
壱は小さく笑う。
「え?」
紫の身体に変化はない。
「僕を誰だと思っているの?」
十三が小さく笑う。
「久留里十三、世界一の科学者」
「うん」
十三は小さく笑う。
「そんな残酷な機械。
3秒あれば取り除けるよ」
「そんなはずは!だってテオスは神の力で――」
紫は動揺する。
「神さまの力なんてなかった。
そういうことさ」
壱は優しく微笑んだ。
何故か壱に話したくなった。
全てを話したくなった。
「言えるわけないじゃない」
でも言えなかった。
言うことができなかった。
「いじめ……だね?」
壱の言葉に何故か救われる。
理由はない。
救いとはそういうことなのだ。
「どうして?」
「理屈じゃない。
僕もいじめられていたからね」
ハイジも十三も何も言わない。
「いいじゃない。
私は傷つけられた。
だからやり返した。
ただそれだけ!なのにこの扱いは何?」
「理由はどうであれ君は沢山の人を傷つけた」
一度傾きかけた心が離れる。
紫は傷つけやすいが傷つきやすかった。
孤独が怖い。
孤独の怖さを知っている。
「だったら私はどうすれば救われたの?」
「殴られたら殴り返していいんだよ」
「え?」
「でも、殴られてすぐじゃなきゃダメ。
強くなったら殴ったらダメ。
殴っていいのは弱い人の特権なんだ」
「……でも強くなければ殴れない」
「弱かったらこっそり殴っても大丈夫。
なぜなら強い人は弱い人に殴られたことを恥とする」
「ダメね。
優しくされると私は弱い。
でもモトフミ様はもっと優しかった。
モトフミ様は誰よりも優しく。
そしてフィサフィー様は誰よりも残酷」
「フィサフィー?」
「貴方ともう少し早く出会いたかったな」
紫はそういって小さく笑う。
機械の音が鳴り響く。
「……僕は君を救いたい」
「無理よ。私はモトフミ様の名前を出した。
だからペナルティーをして死ぬ。
そういう機械が埋め込まれているの」
「……」
「さようなら」
そして機械は爆発した。
壱は小さく笑う。
「え?」
紫の身体に変化はない。
「僕を誰だと思っているの?」
十三が小さく笑う。
「久留里十三、世界一の科学者」
「うん」
十三は小さく笑う。
「そんな残酷な機械。
3秒あれば取り除けるよ」
「そんなはずは!だってテオスは神の力で――」
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「神さまの力なんてなかった。
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壱は優しく微笑んだ。
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