73 / 130
Scene07 赤月よりも青きもの
73 セからはじまるいいこと
しおりを挟む
ひと気のない裏路地。
小柄な少女が若い男たちに絡まれている。
「ねぇー、彼女!俺らと良いことしない?」
「いいこと?」
「そうそう」
「なに?それは?最初の文字はなにかな?」
「それは『セ』だよ」
男たちがケラケラと笑う。
「いいよ」
少女が男の胸に顔を埋める。
「え?」
抱きつかれた男の顔が赤くなる。
「なになになに?君、この男がタイプと――」
別の男がそういいかけて言葉をやめた。
なぜなら抱きつかれた男がそのまま燃えたからだ。
「『セ』から始まることは楽しいね」
小柄な少女の名前は紫。
ある日テオスに破壊の能力を授けられ。
そして全てを破壊することを誓った。
破壊の条件は至ってシンプル。
触れるだけ。
それだけで全てを破壊する。
男たちは逃げる。
「鬼ごっこ?私も負けないよ」
紫は男たちに追いつきそして触れる。
死ぬ。ただそれだけ。
男のひとりが大通りに出る。
助かったと思った。
助かると思った。
「捕まえた」
紫は男の手を握りしめる。
「殺さないで……」
男の声は虚しく小さく破壊され消えた。
小柄な少女が若い男たちに絡まれている。
「ねぇー、彼女!俺らと良いことしない?」
「いいこと?」
「そうそう」
「なに?それは?最初の文字はなにかな?」
「それは『セ』だよ」
男たちがケラケラと笑う。
「いいよ」
少女が男の胸に顔を埋める。
「え?」
抱きつかれた男の顔が赤くなる。
「なになになに?君、この男がタイプと――」
別の男がそういいかけて言葉をやめた。
なぜなら抱きつかれた男がそのまま燃えたからだ。
「『セ』から始まることは楽しいね」
小柄な少女の名前は紫。
ある日テオスに破壊の能力を授けられ。
そして全てを破壊することを誓った。
破壊の条件は至ってシンプル。
触れるだけ。
それだけで全てを破壊する。
男たちは逃げる。
「鬼ごっこ?私も負けないよ」
紫は男たちに追いつきそして触れる。
死ぬ。ただそれだけ。
男のひとりが大通りに出る。
助かったと思った。
助かると思った。
「捕まえた」
紫は男の手を握りしめる。
「殺さないで……」
男の声は虚しく小さく破壊され消えた。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる