~マーメイド~

はらぺこおねこ。

文字の大きさ
上 下
6 / 130
Scene01 出会い

06 壊れかけのマーメイド

しおりを挟む
そして、梨麻りおが壱の家にやってきた。
梨麻は、言った。

「マーメイドなんて、思い切りでヤッたらいいんすよー
 俺ならどんなマーメイドでも抱ける自信あるっすよ?」

梨麻が、そう言ってニコニコと笑いながら壱の玄関に入ってくる。
その後ろを梨麻の所持するマーメイドのひとり菜々緒ななおも、ゆっくりと入ってきた。

「あ、菜々緒ちゃん、こんにちは」

菜々緒は元気よく返事をする。

「壱さん、おっす!」

するとリビングの方から梨麻の声が響く。

「アウトだ!」

壱は、ゆっくりとリビングに向かいため息混じりに言った。

「でしょ?」

「ってか、返品するのも可愛そうっすよね」

梨麻が、頭を押さえながら言った。

「うん」

「壱、この人だれ?」

ピノが不安そうに壱の方を見ている。

「ああ、この人は僕の部下の舟橋 梨麻だよ」

「梨麻?」

「そう、梨麻っすよ」

梨麻が、苦笑いを浮かべて答える。

「そっちのお姉さんは?」

「私は、菜々緒だよ!
 ピノちゃん……でいいのかな?
 よろしくね!」

「うん!ピノ!よろしくするー」

ピノが嬉しそうに笑う。
そして、壱の方を見て言葉を続ける。

「その……
 4人でするの?」

「え?何を……?」

壱は、首を傾げる。
その意味をなんとなく理解していた。
だけど、その幼い容姿から発する言葉に少し不安になった。

「えっちなこと」

「え?」

「するんだよね?
 私は、マーメイドだもん」

梨麻は、ピノを見てすぐに直感した。

「この子、中古っすね。
 多分」

「中古?」

「はい。
 何ていうか、調教された可能性大アリっすね。
 首に首輪の跡、手にも何か錠のようなものがつけられた跡があるっす」

梨麻は、人一倍観察力が高かった。
そして、マーメイドとの関係を持った数も多いため、マーメイドのことは一目見ればすぐにわかる。
そこまでの知識があった。

「しないの?
 ピノに痛いことする?」

ピノは、死んだ魚のような目で壱の方を見る。
すると壱は、ピノに視線を合わせて言った。

「痛いことはしないよ?
 大丈夫、ピノは何も心配しなくていいよ」

「ホントに?」

「うん」

壱は、小さく笑うとピノの頭を優しく撫でた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

いけめんほいほい

はらぺこおねこ。
恋愛
僕の周りはイケメンだらけ。 イケメンパラダイスって漫画があったけど。 そんなの比じゃないくらい僕の周りはイケメンが多い。 なんていうか。 なんていうか。 なんていうんだ。 ちっぽけすぎる僕がどうあがいてもそんな人達には追いつけない。 追いついたところですぐに追い抜かされる。 なにをやってもうまく行かない。 これはそんな僕の小さな物語。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

今日の授業は保健体育

にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり) 僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。 その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。 ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

処理中です...