子どもができた

第08章 青い空

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携帯で時間を確かめる。
時間は9時58分。
ギリギリだ。

いや、時計によっては遅刻扱いになるかもしれない。

「本当に来たんだな」

後ろから、声を掛けられる。

「キミこそ、よく俺の電話番号がわかったね」

「こう見えても、金持ちなんだ。
　あの後、お前の後を着けて住所を調べたら簡単に電話番号を調べる事が出来た」

「まるで、ストーカーだね。」

俺が、振り向こうとしたら、男は俺の顔を殴った。

「うるさい」

俺は、その男の目を睨みつけ言った。

「裕也君だっけ？
　いきなり殴るなんて、まるで子供だね」

「うるさい、うるさい、うるさい！」

裕也は、怒鳴るような声で叫んだ。

「子供が出来たからなんだ！
　俺はわるくない」

「それは、昨日聞いたよ」

「なぜ、今更の前に現れたの？」

裕也は、涙を浮かべて言った。

「俺は、君のことを責める事は出来ないよ」

裕也は何も答えない。

「キミに、迷惑を掛けることはしないよ」

「･･･嘘だ」

「俺が育てる」

「嘘だ！後から金を請求するんだろ？」

「そんな事は、しない」

「だいだい、本当に俺の子なのか？
　本当は、お前の子じゃないのか？」

「俺と港は、そんな関係にはなってないよ」

「でも、お前が子供を育てるんだろ？」

俺はゆっくりと口を開く。