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10 さよならのあめ
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そう僕はあの日は、泣いていた。
何もできない自分が悔しかった。
悔しくて悔しくて涙が止まらなかった。
このとき僕は、声を出さずに泣く技を覚えた。
瞳は、まだ泣いている。
「泣くなよ…」
「だって、愛が!愛が……!」
「大丈夫……
病院に行けばすぐに元気になるよ……」
「でも、いっぱい血を吐いていたよ?」
「大丈夫、大丈夫だから……」
僕は、自分にも言い聞かせた。
「絶対大丈夫だから……」
「うん……」
瞳は、そううなずくと涙を止めた。
一晩待った……
眠らずに待った。
眠らない夜ほど長いものはない。
僕らの元に先生と愛が帰ってくることはなかった。
何もできない自分が悔しかった。
悔しくて悔しくて涙が止まらなかった。
このとき僕は、声を出さずに泣く技を覚えた。
瞳は、まだ泣いている。
「泣くなよ…」
「だって、愛が!愛が……!」
「大丈夫……
病院に行けばすぐに元気になるよ……」
「でも、いっぱい血を吐いていたよ?」
「大丈夫、大丈夫だから……」
僕は、自分にも言い聞かせた。
「絶対大丈夫だから……」
「うん……」
瞳は、そううなずくと涙を止めた。
一晩待った……
眠らずに待った。
眠らない夜ほど長いものはない。
僕らの元に先生と愛が帰ってくることはなかった。
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