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02 見えない希望

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「ははは、笑える。
 俺は知っているんだぞ。
 お前は攻撃魔法が使えないんだろう?」

 ジルが、そう言って剣を亜金に向けます。
 ジャキは銃を構え、ベラがムチを唸らせます。

「そうだね。
 でも、戦うことはできるよ」

 亜金が、そういうとジルは合図を出します。

「おう!テメェら!
 さっさとコイツを殺してこの女を売っぱらった金でパーティーをするぞ!」

 亜金は小さく呪文を唱えます。

「ウイング」

 亜金のその言葉とともに周りを囲っていた男たちの足が中に浮きます。

「お?体が浮いたぞ?」

 男たちは、バランスを崩さないように身体を左右に揺らします。

「エアロ!」

 亜金が、そういうとまわりにいた男たちが吹き飛びます。
 ここは、廃墟。
 壁や柱などはたくさんあります。

 男たちはそのまま壁に身体をぶつけると気を失います。
 20人はいた男たちが一瞬で亜金に負けました。

「ああん?
 何負けているんだ!
 こんな雑魚によ!」

 ジルは、ジャキとベルの背中を押していました。
 ジルは魔力を無効化させることができます。
 その能力により亜金のウイングの魔法を無効化させたのです。

「まぁ、そういうわけでサイナラ」

 ジャキが、亜金に向けて銃を放ちます。

 しかし、何故か銃弾はジャキの方に向かって飛んできました。
 ジャキは持ち前の反射神経で、それを避けます。

「凄い反射神経だね」

 亜金は、そういうとベルがムチを伸ばします。
 亜金は、伸びるムチを避けるとそのまま前進。
 ベルの背中を蹴ります。

「女を足でけるなんてサイテーだな!」

 ジルは、そう言って剣で亜金を斬り付けます。
 しかし、ジルの剣の刃は亜金の硬い皮膚により弾かれてしまいます。

「先に手を出したのはそっちだろう?」

 亜金の目に殺気がこもります。
 ジルは、一瞬怯えます。
 蛇に睨まれたカエルのごとく。
 逆らえません。

 そんな殺気をジャキが吹き飛ばすかのように銃を放ちます。

「ウチのリーダーを怯えさせるなよ?」

 ジャキは、手に魔力を込め銃を放ちます。

 銃弾は亜金の肩に命中しました
 肩から血が流れます。

「これで――」

 ジャキがそこまで言いかけたとき。
 亜金の前にひとつの影が現れます。
 ライセンでした。

「助けに来たよ」

 ライセンは、そういうと斧を大きく振り上げます。
 そして、ジャキに当てました。
 ジャキは、銃によりその斧の刃を防いだものの大きく後退しました。
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