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05 魔法使いの恋人候補

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 そして、俺が、兵庫県への転勤の辞令を受けたのはその後すぐだった。

「持内、兵庫に行って向こうの仕事を手伝って来い」

 部長は何のためらいもなく俺に言った。

 俺は肩をガクリと落とし自分のディスクに戻った。

「お前何かヘマをしたのか??」

 菊池が声を掛けてきた。

「知らねぇよ……」

 田中さんも寂しそうに声を掛けてくれた。

「いつ転勤になるんですか?」

「来週だってさ…」

「折角仲良くなったのに寂しいです……」

「まぁ、会えない距離でもないしさ……
 良かったら、また皆で飲みにでも行こうよ」

「はい」

「へぇ……
 お前でもそんな事が言えるようになったんだな」

 菊池が珍しそうに言った。

「あはは……」

 俺は、笑って適当に誤魔化した。
 笹山さんの方をちらっと見たけど、何食わぬ顔で仕事をしていた。

 昼休み、笹山さんからメールが来る。

  京都楽しみにしてるで。

 俺は、すぐに返事を出した。
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