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04 5月5日
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「身体中にあるんだね……」
「うん」
はるかさんの言葉に僕はうなずいた。
嫌われたかな。
「そっか……」
「小学生の時さ、下にもあるのかってクラスメイトの好奇心でさ。
無理やりズボンを脱がされた事があって……
その時に、女子に『グロイ』とか『気持ち悪い』とか言われてさ……
そっからかな……
人を好きになれなくなったのは……」
「病気なんだね……
病院には行ったの?
治らない病気なの?」
「病院には行ったよ。
でも、そこでは僕は被験体。
頭に変な線をつないで脳波を調べたり。
医学生たちには、名前ですら呼んでもらえない」
「そっか」
「僕の中にはさ……
人に対する恨みがあるのかもしれない。
どんなことをしてもどんなに償ってもらっても許せないくらいの恨みが」
はるかさんが、つらそうな表情で僕を見ている。
はるかさんの顔が近い。
はるかさんは、僕が気持ち悪くないのかな?
こんな近くにいるのに、はるかさんは僕を気持ち悪るがない。
するとはるかさんが、絞りだすような声で言った。
「少しずつでいいからさ……
人を好きになろう」
はるかさんの声が、僕の心をチクリとさした。
「うん」
はるかさんの言葉に僕はうなずいた。
嫌われたかな。
「そっか……」
「小学生の時さ、下にもあるのかってクラスメイトの好奇心でさ。
無理やりズボンを脱がされた事があって……
その時に、女子に『グロイ』とか『気持ち悪い』とか言われてさ……
そっからかな……
人を好きになれなくなったのは……」
「病気なんだね……
病院には行ったの?
治らない病気なの?」
「病院には行ったよ。
でも、そこでは僕は被験体。
頭に変な線をつないで脳波を調べたり。
医学生たちには、名前ですら呼んでもらえない」
「そっか」
「僕の中にはさ……
人に対する恨みがあるのかもしれない。
どんなことをしてもどんなに償ってもらっても許せないくらいの恨みが」
はるかさんが、つらそうな表情で僕を見ている。
はるかさんの顔が近い。
はるかさんは、僕が気持ち悪くないのかな?
こんな近くにいるのに、はるかさんは僕を気持ち悪るがない。
するとはるかさんが、絞りだすような声で言った。
「少しずつでいいからさ……
人を好きになろう」
はるかさんの声が、僕の心をチクリとさした。
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