喫茶★失恋

はらぺこおねこ。

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05 にょ

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 女の人はダルそうに体を起こすと博くんの顔を見た。

「もしかして、博?」

 博くんは、コクリと頷きました。

「髪の毛どうしたの?
 病院は??」

「薬の副作用で全部抜けちゃった……」

「……」

「もう、出てきたの?」

 女の人は、そう言うと煙草に火をつけた。

「お母さんに会いに来たんだ」

 博くんは、少し照れながら言った。

「病院に帰りなさい」

 博くんのママは、冷たく言った。

「今日、手術があって……」

「いいから帰りなさい!」

「……」

 博くんは、悔しそうに歯を食いしばりました。

「にょ?」

「……突然来てごめんなさい」

「私は、貴方を捨てたの……
 だから、私は貴方を孤児院に預けた
 先生との約束で、月に一回は会いに行っているけど……
 本当は嫌なの……
 アンタに、それわかる?」

「……」

 博くんは、何も答えない。
 博くんのママは、カッターシャツを着ると財布からお札を取り出した。

「これ、あげるから、これで帰りなさい」

 渡されたのは全部で3万円。
 それを博くんママは、博くんの手に無理やり握らせた。

 博くんは、悔しそうにうなずくと私の手を握った。

「帰るぞ、瞳」

 私は、コクリと頷いた。
 博くんのママは、冷たい声で言った。

「またね」

 博くんは、何も答えなかった。
 博くんは、くしゃくしゃのお札をさらに握りつぶし。
 そして涙を堪えているのが私にもわかった。

「にょにょにょ……」

『泣いても良いよ』

 そう言いたかったけど……
 言葉に表す事が出来なかった。
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