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Scene.02 漁猫

54 始動!漁猫!

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「さて、こうやって部員全員が揃ったことだしさ。
 アレしない?」

葉月がニッコリ笑う。
蜜柑の表情が曇る。

「パンツの見せっこですか?」

「え?」

一が戸惑う。

「そんな布の見せ合いっ子して楽しいのかよ」

百道が苦笑いを浮かべる。

「……!」

蜜柑が百道を睨む。

「じゃ、先輩。
 パンツ見せてください」

「何を言っているんだ?
 パンツを見ていいのはパンツを見せる覚悟があるものだけだ」

「!!!!」

蜜柑は気づく。
そして一の方を見る。

「一さん!パンツ見せてください!」

そう言ってベッドの中に蜜柑は入る。

「え?」

そして、蜜柑は一のズボンを下ろす。

「ぎゃああああああ!」

一の悲鳴とともにゾウさんがパオ~ンした。

「ああああああ」

パニックになる蜜柑。
パニックになる一。
パニック全開。
パニック全開。

それが世界だ。

「まぁ、まぁ。
 それは置いておいてバンド名を決めよう」

葉月が言う。

「置いておかないでー」

一がゾウさんをブラブラさせながら言う。

「ゾウさんが鼻をブラブラさせてる……きゃはっは!」

蜜柑の頭が真っ白になった。

みさきがそっとズボンを上に上げる。

「しまっておけよ。一。
 ゾウさんがオーバーソウルする前に」

「……」

一は言葉を失った。

「狩りをするやんちゃな子猫……」

やっと出た言葉がそれだった。

「狩りをする猫って普通」

葉月が言う。

「ズボンを漁る猫」

「ギク!」

蜜柑の良心が痛む。

「漁る猫……」

百道が何かを考える。

「漁猫だ!」

「すなどり?」

蜜柑が首を傾げる。

「漁をする猫の品種だ」

「じゃ、それで行こう!」

葉月がそう言ってバンド名が決まった。

「それにしても……」

みさきが言う。
そして言葉を続ける。

「私の位置からじゃちゃんと見れなかった……」

みさきはそう言って窓の外を見た。
飛行機雲が流れていた。
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