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Scene.02 漁猫

37 夢か現か幻か

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嫌な声が耳に残る。

「泣いてもいいんだよ」

女の子が言う。

「泣かない」

「どうして?」

「男の子だから」

「でも、莫大な財産が手に入るぞ?」

大人たちの目の色が変わる。

「死んだら終わり」

誰かの言葉で大人たちのテンションが終わる。

「好かれなきゃいいんだよ」

「いじめ抜くか?飯も3日に1回とか」

「そんなんじゃ。
 財産は入らないぞ?」

「……」

静まり返る大人たち。

「じゃ、殺せばいい」

大人たちが自分を見た気がした。

「逃げろー♪」

女の子が僕の手を引っ張る。

「……え?」

戸惑う僕。
戸惑い以外の感情しかない。

だけど僕は逃げるしか出来なかった。
その場にいたら死ぬ。
そう思ったから……

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