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Scene04 あおはる

90 臭う世界

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菜花の髪が短いのには理由がある。
菜花が自分のことを俺と呼ぶのには理由がある。

でも、それは菜花と一部の存在しか知らない。

「あ……姉ちゃんが男連れてる」

中学生っぽい男の子がそう言って現れる。

「油菜……その言い方」

「誰?」

恋次は菜花の方を見る。

「コイツは弟の油菜」

「油菜くん?」

「そそ」

油菜がニッコリと笑う。

「よ、よろしく。
 釜戸恋次です」

恋次が笑顔で返す。

「恋次さんだね。
 よろしく!」

油菜はそう言って手を出す。
恋次は握手する。

油菜は優しく笑ったあと言った。

「恋次さん。
 初対面で言うのもあれだけど。
 臭うね。お風呂入ってけば?」

「あはははは……」

恋次は笑って誤魔化した。
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