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Scene03 麦わら帽子はまだ早い

64 そして……

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「川本真琴さん、初日は遅刻と」

十三が笑う。

「えー、初日くらい大目に見てよ」

「まぁ、初日だから多めにみるよ」

「やった!」

「1時間遅刻と」

「え?10分も遅刻してないじゃん」

「多めに見たよ」

「いや、私が見てほしいのは多目であって多めじゃないよ」

「まぁまぁ席に座って」

「……え?本当に遅刻?え?本当に?」

「……」

そしてチャイムが鳴る。

「えーえーえーえ?」

真琴の目が潤む。

「大丈夫、遅刻扱いにしないから……ね?」

十三の目が優しく微笑む。

「え?本当に?」

「だからね?わかるでしょ?」

「え?もしかして体?」

「いや、席に座ろう」

十三が苦笑いを浮かべて言う。

「あ、そうだよね」

真琴も苦笑いを浮かべる。
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