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Scene03 麦わら帽子はまだ早い

60 ラジオの力

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「お前の子供は預かった。
 返してほしければどんぐりを1200万個用意しろ」

そこから始まる歌……
恋次は静かに聞く。
知らない歌だ。

子どもたちもそのラジオを聞く。

そしてその歌を知っているのか翔太も歌う。

「それは恋か愛か鋼鉄のハートで。
 ズババン、スババン
 炎で敵を燃やせ
 指の指輪は僕たちの約束!
 スケバンスケバン
 立ち上がれ妻のため
 大空焦がすぜ
 泣き声甘え声
 無敵の光だ
 ツルピカビーム
 ハートを掴めデビルボイス
 ベビーフェイス
 勝利の雄姿さ!おまえの出番だ!
 待っていたぜデビルボイス
 ベビーフェイス
 その勇気で世界を守っていくんだ
 ベビーフェイス」

翔太くんが熱唱する。

「翔太くん熱い男……」

自由がニッコリと笑う。

「燃える脂肪が
 俺たちのエネルギー――」

「……」

「スケバンスケバン
 吹き飛ばせコレステロール――」
 
「すごい歌詞のアニソンですね」

司会の女性が笑いながら次の曲が流れる。

「えんぴつがいっぽん。
 えんぴつがいっぽん」

すると翔太が歌う

「僕のふでばこにー」

「えんぴつがいっぽん
 えんぴつがいっぽん」

子どもたちも歌う

「僕のふでばこにー」

おじいちゃんおばあちゃんも歌う。

「青い空も かきくけこ
 真赤な空も かきくけこ
 黒い頭の えんぴつはかきくけこ」

「かわいいうたですね」

ラジオの向こうで女性がケラケラ笑う。

「ではお相手は久保ユリ力と五寸釘沼子でした」

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