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Scene03 麦わら帽子はまだ早い
49 曇り空
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「桜咲いたら一年生♪」
海夜が歌う。
すると子どもたちも歌う。
「ひとりでいけるかな」
続けて海夜が歌う。
「隣に座る子いい子かな」
海夜の歌に子供たちが幸せそうに歌う。
「上沼さんも子供に好かれるんだね」
恋次が百道にいう。
「海夜はいいやつだからな。
子供には好かれやすい」
「そっか」
恋次は少し羨ましいなって思った。
「……ってかお前も好かれてないか?」
「そっかな?」
恋次の背中には女の子が。
恋次の膝の上には女の子が。
恋次の左手で遊ぶ女の子。
恋次の右手の下には女の子。
「モテモテだな」
「10年後に期待する」
恋次はそう言って目を潤ませた。
「10年後のお前が10年後のコイツラに手を出しても犯罪だからな」
「……怖いこと言うね」
「10年経っても未成年だからな」
「うん」
「じゃ20年後……と言いたいけど。
20年経ったら僕はおじちゃんだね」
「だな」
「うん、20年後の僕たちは何をしているんだろうな」
そういった恋次の目は少しだけ曇っていた。
海夜が歌う。
すると子どもたちも歌う。
「ひとりでいけるかな」
続けて海夜が歌う。
「隣に座る子いい子かな」
海夜の歌に子供たちが幸せそうに歌う。
「上沼さんも子供に好かれるんだね」
恋次が百道にいう。
「海夜はいいやつだからな。
子供には好かれやすい」
「そっか」
恋次は少し羨ましいなって思った。
「……ってかお前も好かれてないか?」
「そっかな?」
恋次の背中には女の子が。
恋次の膝の上には女の子が。
恋次の左手で遊ぶ女の子。
恋次の右手の下には女の子。
「モテモテだな」
「10年後に期待する」
恋次はそう言って目を潤ませた。
「10年後のお前が10年後のコイツラに手を出しても犯罪だからな」
「……怖いこと言うね」
「10年経っても未成年だからな」
「うん」
「じゃ20年後……と言いたいけど。
20年経ったら僕はおじちゃんだね」
「だな」
「うん、20年後の僕たちは何をしているんだろうな」
そういった恋次の目は少しだけ曇っていた。
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