上 下
37 / 186
Scene03 麦わら帽子はまだ早い

37 やってみた

しおりを挟む
「あげられるものはなにもなくてもしあわせ♪
 愛情プラス笑顔で骨抜きさ♪」

海夜が歌う。

すると男が現れる。

「ねぇねぇ彼女かわいいね。
 俺と御飯食べない?」

すると海夜が言う。

「なんで棒読みやねん」

海夜はそう言って男を殴る。

「痛いぞ。海夜」

「なんで名前出すねん。
 知り合いってばれるやん」

「だいたいこんなことをして――」

百道がそこまでいいかけると金髪の男に殴られる。

「だっさ」

金髪の男がそう言って笑う。

「お前誰だ?」

百道が金髪の男を睨む。

「お?やんのか?
 俺はてめぇみたいなやつが嫌いなんだ」

「奇遇だな、俺も突然殴るやつは嫌いだ」

「お前みたいなチェリーボーイに何ができる?」

「何ができるって?現行犯逮捕だ」

「ああん?」

金髪の男は周りに気づく。

「おい、逃げるぞ」

近くにいた金髪の男の仲間が現れる。

「おまわりさんここです」

百道はそう言って指をさす。

「糞が!!!」

金髪の男はそう言って海夜に掴みかかる。

「海夜キックや!」

そう言って海夜は金髪男の頭に踵落としを喰らわせた。

「ぐ……」

「痛そう」

百道はそう言ってため息を付いた。

「総員確保!!」

そう言って周りにいた私服警官たちが金髪男を取り押さえる。
仲間は逃げた。

「以上、連続婦女暴行の犯人を即興で捕まえてみたでした」

海夜はYouTuber。
即興で【やってみた】をやる歌って踊るアイドルだ。
しおりを挟む

処理中です...