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Scene02 そんなこんなで卒業式

34 帰る

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青春だな。
いいな。

そう思う恋次なのであった。

「さて……
 そろそろ帰るか」

当たり前のごとく。
外は暗く。

翔太は眠っている。

「んじゃ、俺。
 翔太をおんぶしていくから百道は海夜を送ってやれ」

滋がそう言って翔太を背負った。

「あら、ありがとう」

道子が小さくお礼を言った。

「おうよ」

滋が優しく微笑む。

「じゃ、海夜帰るか」

「うん」

百道と海夜はそのまま帰る。

残されるのは恋次とおじさまとしゃも爺。

「恋次くんは僕と帰ろうか?」

おじさまがそう言って小さく笑う。

「あ、はい」

そうして恋次はおじさまに家まで送ってもらうことになった。
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