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Scene02 そんなこんなで卒業式

15 色んな意味の卒業式

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「流れる季節の中で」

そう恋次たちはやりました。

コブクロの卒業のメロディーでレミオロメンの3月9日を歌う。

難しい。
とても難しい。

でも彼らはそれをやった。
卒業式という荒波の中。

彼らはそれをやった。

担任の顔はキョトンとしている。

狐につままれるとはこのことだ。

何が起きているのかわかっていない。

でもクオリティが高すぎた。

他のクラスの生徒達から歓声を浴びせられる。

歌い終わったことには拍手喝采。

3月11日。

恋次は中学校を卒業し。
紘は童貞を卒業した。

恋次は聖子と紘がそういう関係になったことを少し羨ましく感じた。
でも、それはどうすることもできない。
愛し合うってそういうことなのだから……
好きになって結ばれるってそういうことなのだ。

紘からも聖子からもセックスしたと報告のLINEが来た。

なんとなく悲しくなって。

恋次はこっそり涙した。

そんなこんなで卒業式。
無事に終わった……
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