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2時間ほど、子守をした。
今の子は、迷子になっている事を気づいているのか、たくましいのか・・・
泣き喚く子が、居なくて少し助かった。

「おつかれさま」

と、少しはなれた所から深雪が俺に手を振ってくれていた。

俺は、その場で大の字になって横になった。
するとユラユラと揺れるヴェールが俺の視界の中に入ってきた。
深雪もそのヴェールを眺めていた。

「ママゴトをやろうか?」

俺は、何故だかそんな事を言っていた。
深雪は、きょとんとした顔で俺を見つめた。

「俺が父親で、深雪は母親、美穂は子供だ」

深雪は、目を潤ませながら、こう言った。

「私達、結婚して無いよ?結婚指輪は?」

これは、あの時のやりとりを思い浮かべながらゆっくりと呟いた。

「手を出して」

深雪は、そっと手を出した。
俺は、ポケットから指輪を取り出し、こう言った。

「結婚してください」

もう、あの時みたいに、三年以内なんて言わない。
今すぐ、幸せになりたい。
今すぐ、幸せにしてあげたい。

深雪は、コクリと頷くと指輪を握り締め涙を流した。
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