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深雪は俺の腕を組み、引っ張る様に迷子センターの方に向かった。

「覚えていてくれたんだね♪
 私、嬉しいな♪」

深雪はそう言いながら、迷子センターの扉を開けた。

「おはようございます。皆様!
 20年前の今日、ここでお世話になったバカな二人です♪」

深雪は、大きな声であいさつした為、迷子センターの人達は、きょとんとしていた。

「深雪ちゃん、久しぶりだねぇ~
 その子が、例の子かい?」

と、中年の男性の人が声を掛けてきた。

「あれ?深雪の知り合い?」

俺が、深雪に尋ねると深雪は頬を膨らませて、俺にこう言った。

「も~、あの時
 お世話になった迷子センターの人だよ~
 覚えてないのー?」

すると男性は、ニコニコ笑いながら嬉しそうに話しかけてくれた。

「伸二君だよね?
 まさか、二人とも本当に来るとは思わなかったよ・・・」

すると、奥の方から中年の女性のスタッフが現れた。

「もしかして、あの時の二人?
 懐かしいわねぇ・・・」

俺には何の事かわからなかった。
顔に【?】マークを浮かべていると、女性の人が教えてくれた。

「あら?あの時、貴方言ったのよ?
 覚えてない?
 『お世話になりました。
  今すぐお礼をする事は出来ませんが・・・
  大人になったら・・・
  大人になった二十年後の今日、二人でまたここに遊びに来ます』って。」

「あの時、ませている餓鬼だなって思ったけど、本当に来るとは思わなかったよ・・・」

「そう?私は来ると思ったわよ?
 あの時の、貴方の目、真剣だったもの
 だから、私、若い子に無理言ってシフトを交換してもらっちゃったんだもの♪」

少し思い出した気がする・・・
俺は何故だか恥ずかしいやら可笑しいやらで、笑ってしまった。
それを、誤魔化すように俺は言葉を続けた。

「迷子は居ますか?遊び相手になりますよ?」

おじさん達は嬉しそうに笑った。

「ああ、居るよ。
 泣いている子が一人居るから、よかったら励ましてやってくれ。」

おじさん達に連れられて、俺たちはその子の居る所へ向かった。
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