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09 謳うものと唄われるもの

89 参上そのあとに

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「ジル……動かない。
 死んだ?」

ガイルが源を睨む。

源はその少女水野真美の体を引き寄せる。

「先生?」

「コイツは危ない。
 ささくさとここから逃げますよ」

源はそう言ってジルの体も持ち上げる。

「ニンゲン、ジルをおいていけ」

ガイルの目が怒りに満ちる。

源はスマホをガイルに向けて投げる。

「当たらないぞ」

「コール・ミー」

源の言葉とともにガイルの姿が消えた。

「なにをしたのです?」

真美が源に尋ねる。

「片方のスマホを東京湾の底に置いているんです」

「あー」

真美はなにかを理解した。

「今頃、ガイルは東京湾の底っすね」

「なんで東京湾なんですか?
 大阪湾のほうが近いじゃないですか」

「東京湾のほうが遠いからですよ。
 それに特殊な箱に入っているので封印って感じです」

「ガイルっておとぎ話じゃないんですか?」

「リアルっすよ」

源がそう言って苦笑いを浮かべた。
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