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02 破壊の音色

16 IGさん

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 するとすぐにセロのスマートフォンにボマーの座標データー届く。

「あ、玲音さん。
 仕事早いなぁ―」

 セロは、そう言って座標データーを開く。

「どこですますの?」

 オトネがセロのスマートフォンを覗く。

「んー。
 そろそろこの辺に来るっぽい」

「へ?」

 萌が驚きのあまり声を出す。
 するとカランコロンと店のドアの鈴の音だけが響く。

「ん?どうかしたっすか?」

 太郎と清空がゆっくりと現れる。
 すると萌がいう。

「え?太郎くんがボマーなの?」

 太郎が不思議そうな表情で萌を見る。

「ボマー?
 爆弾のことっすか?」

「違うか……だよねー」

 萌が嬉しそうに笑う。

「うん?」

 太郎は現状が理解できていないようだった。

「あー
 来ますね」

 オトネがそういうと爆音とともに何かがパン屋の前を通り過ぎる。

「……暴走族でちゅね!めーなのよ!」

 桃が頬を膨らませて怒る。

「じゃ、行ってきます!」

 セロがそう言って店のドアを開けて走る。
 オトネもそれに続く。

「あれ?なにがあったんっすか?」

 太郎が、萌に尋ねる。

「さっきねー
 愛人さんから電話があったんだー」

 桃がそういうと太郎が悩む。

「愛人?」

「そうでちゅよー」

 桃が嬉しそうに笑う。

「あー、IGからっすか」

 そして、すぐにわかった。

「で、そのIGがどうしたんだ?」

 清空が尋ねる。

「あ、はい。
 覚醒者が出たのです。
 高校生の……しかも強い子みたいで……
 ヒーローも何人か負傷がいるみたいです」

 萌がそういうと清空がうなずく。

「うむ。
 私も行ったほうがよさそうだな。
 して、そやつの能力とかはわかるかのぅ?」

「触れたものを爆発させる能力だそうです」

「ほほう。
 触れられなければいいのではないのか?
 ヒーローも弱くはないからそれぐらい気づくだろうに」

「そのへんはわかりませんが……
 きっと強いんだと思います。
 闇が深ければ深いほど覚醒者は、強くなれますから」

「そうだな。
 でも、ま……
 爆発が相手ならセロだけで十分だな。
 技を使わなくてもやつなら勝てるだろう」

 清空が白い歯を見せて笑った。
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