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05 亜金の戦い
亜金の戦いその1
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――数日前・ハワイギフト能力養成所
亜金は、緊張した様子で部屋の一室にいた。
誰もいない部屋に亜金は、ポツンと座っていた。
「どうやら、貴方が一番最初に到着したみたいですね……」
そう言って亜金に声をかけたのは、セーラー服を着た紅い瞳の少女だった。
「君は?」
「私の名前は、柊 万桜。
貴方たちと同じ訓練生です」
「え?
どう見ても10代……」
「そうですね……
私は、16歳だから亜金さんとは一周り違います」
「若いね……」
亜金が、ため息混じりにそう言うと万桜は小さく笑う。
「でも、こう見えて私も結構強いんですよ?」
「へぇー」
亜金が、興味なさげにうなずく。
「あー。
信用してないでしょう?
私の能力を聞いて驚け!
私の能力は、空を飛ぶことです!」
万桜は、そう言って地面から足を浮かし宙を舞う。
「へぇー」
亜金は、万桜から目をそらす。
「あとは、物質強化!」
万桜は、そう言ってセーラー服のスカーフを真っ直ぐに伸ばして刃のような形に変えた。
「あ、物質強化は戦闘向きだね」
亜金が、小さく笑う。
「でしょ?
亜金さんも凄いんですよね?」
「んー
ってか、その前にひとつ質問してもいい?」
「あ、はい。どうぞ……」
「なんで俺の名前知ってるの?」
「だって有名人じゃないですか」
「え?そんなに有名人じゃないですよ……」
「気づいてないだけですよ。
不食王の亜金と言えば知らない人はいません」
「不食王って……」
亜金が、再びため息をついた。
「あ、またため息……
幸せが逃げちゃいますよー」
「逃げない逃げない。
むしろ負のオーラを出しているんだよ」
「えー!
まさかそのため息に当たると不幸になるとか?」
「ならないと思うなぁー」
亜金は、苦笑いを小さく浮かべた。
亜金は、緊張した様子で部屋の一室にいた。
誰もいない部屋に亜金は、ポツンと座っていた。
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そう言って亜金に声をかけたのは、セーラー服を着た紅い瞳の少女だった。
「君は?」
「私の名前は、柊 万桜。
貴方たちと同じ訓練生です」
「え?
どう見ても10代……」
「そうですね……
私は、16歳だから亜金さんとは一周り違います」
「若いね……」
亜金が、ため息混じりにそう言うと万桜は小さく笑う。
「でも、こう見えて私も結構強いんですよ?」
「へぇー」
亜金が、興味なさげにうなずく。
「あー。
信用してないでしょう?
私の能力を聞いて驚け!
私の能力は、空を飛ぶことです!」
万桜は、そう言って地面から足を浮かし宙を舞う。
「へぇー」
亜金は、万桜から目をそらす。
「あとは、物質強化!」
万桜は、そう言ってセーラー服のスカーフを真っ直ぐに伸ばして刃のような形に変えた。
「あ、物質強化は戦闘向きだね」
亜金が、小さく笑う。
「でしょ?
亜金さんも凄いんですよね?」
「んー
ってか、その前にひとつ質問してもいい?」
「あ、はい。どうぞ……」
「なんで俺の名前知ってるの?」
「だって有名人じゃないですか」
「え?そんなに有名人じゃないですよ……」
「気づいてないだけですよ。
不食王の亜金と言えば知らない人はいません」
「不食王って……」
亜金が、再びため息をついた。
「あ、またため息……
幸せが逃げちゃいますよー」
「逃げない逃げない。
むしろ負のオーラを出しているんだよ」
「えー!
まさかそのため息に当たると不幸になるとか?」
「ならないと思うなぁー」
亜金は、苦笑いを小さく浮かべた。
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