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04 爆弾男の凶行

爆弾男の凶行その7

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「断る!」
 玉藻が、怒鳴る。
「右に同じ」
 心は、そう言って男を睨む。
「そう睨むなって……
 俺のビックマグナムで、お前らのあーんな顔やそーんな顔を見るのが楽しみだぜ」
 男は、そう言って指先を玉藻の方に向ける。
「なんの真似だ?」
 玉藻が首を傾げる。
 男はニヤリと笑いこう言った。
「チーン」
 玉藻と心は、耳鳴りに思わず頭を押さえる。
 そして、それと同時に玉藻の後ろにあった木が破裂する。
 その破裂音は、大きな音ではなく弾けるような音がするのみだった。
「な……
 はやり、貴様が……!」
 玉藻が、銃を抜き男のほうを見る。
「そう俺の名前は嵐山 爆(あらしやま ばく)!
 この世界に粛清を与える者さ!」
 男は、そう言って笑う。
「粛清だと?」
「そうさ……
 だが、若い女は俺が飽きるまでは殺さないぜ?
 たっぷり楽しんで、飽きるまで楽しんでそれから殺す。
 これからお前たちは、俺に飽きられぬよう努力をすることだ!」
 男は、そう言って嬉しそうに笑った。
 そして、騒ぎを駆けつけた王次と和久、そしてエリーと一般の警察官たち数十名がその場に集まり、爆を包囲する。。
「なんだ?この騒ぎは!」
 和久が、そう言うと爆はつまらなさそうに腕を上にあげて言葉を放つ。
「男は、いらん死ね!
 チーン」
 爆のその一言で、何人かの警察官が破裂した。
「な!何をした?」
 エリーが、爆を睨む。
 爆は嬉しそうに笑う。
「何をしたかって?破裂させたのさ……
 俺の名前は、嵐山 爆。
 本当は爆発させるのが好きなのだが、俺はモノを破裂させる能力。
 なかなかイカスだろう?」
「じゃ、コイツがこの一連の爆破事件の犯人なのか?」
 和久が、そう言うと爆が和久を睨む。
「俺は、爆だ!コイツじゃない!」
 爆は、そう言って和久を睨み返し、そして和久の方に指を向ける。
「あん?」
「和久さん逃げて下さい!
 そいつは――」
 玉藻が、そう言おうとした時、爆の体がピタリと止まる。
「コイツが一連の事件の首謀者で能力者なんだろう?」
 和久が、得意気に笑う。
 爆の体が煙に包まれる。
 そして口も塞ぐ。
「よし!このまま能力封じの術式を書く!」
 エリーもそう言って呪文を唱え始めそして最後にこう言った。
「神よ!彼の者の能力を封じ給え!」
 エリーがそう言うと、爆の体が光りに包まれ和久の煙を吹き飛ばした。
「完了か?」
 和久が、エリーに尋ねる。
「ああ、成功したよ」
 エリーが、そう言うと和久は静に息を吐いた。
「おつかれさん」
「なんだ?
 貴様!俺に何をした!」
 爆が、そう言ってエリーに指先を向けた。
「能力を封じただけだ」
「今すぐ解除しろ!」
「どうして僕が、君の言葉を聞かねばならない?」
「じゃ、死ねや!チーン!」
 爆がそう言ったが誰も破裂しなかった。
「なぜだ?チーン。お前ら全員チーン!」
 爆が何度も指先をしたに降ろすが何も起きない。
「とりあえずお前は逮捕だ」
 玉藻が、そう言って爆に手錠をかけた。
「女!覚えていろよ!貴様は必ず犯して、そして殺してやる」
「もう能力はないんだ。
 お前にそれは出来ない」
「俺が出来ないのなら俺の弟がやってくれるだろう」
「弟?」
「さぁ、楽しいショータイムの始まりだ!」
 爆は、そう言って玉藻に体当たりをした。
 そして、そのまま姿を消した。
「消えただと?
 ギフト能力は消したはずなのに……」
 エリーが、そう言うと王次が答える。
「単独犯じゃなかったようですね。
 ワープ系の能力者もいるのでしょう」
 王次が、そう答えると殉職し肉片になった警察官に手を合わせた。

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