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04 爆弾男の凶行
爆弾男の凶行その4
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「いやいやいや。
待って下さいよ。
ギフト能力者の収容所って言えば能力者が固めているんじゃないのですか?」
王次の質問にエリーが答える。
「全滅だそうだよ……」
「全滅だと?」
和久は思わず加えていたタバコを地面に落とす。
「みんな爆発したらしい。
そしてハワイの一部ビーチももね破壊されたらしい
これを受けてハワイは、厳重警備。
亜金くんも配備されたらしいよ」
「そうか……
犯人は瞬間移動でも持っているのか?」
和久が、そう言うとエリーが首を横に振る。
「いや、複数犯の可能性もあるよ」
「複数犯?
同じギフト能力を持ったヤツが2にもいるのか?」
「可能性はなくはないですね」
和久の質問に王次が答えるとエリーが、再び首を横に振る。
「いや……複数犯である可能性は高いが同じ能力者ではないと思う」
「と言うと?」
「日本での爆発事件は、人間の体内から爆発している。
ハワイでの爆発事件では、火薬反応があったらしい……
つまりふたりは、爆発の能力者ではあるが性質は違うだろう」
「なんかややこしいことになったわね……」
心がため息をつく。
「これは僕の見解だが……
日本で行われた爆発事件。
おそらくマイクロ波による分子振動を利用させた爆発による殺傷だと思う」
「それは、どうしてですか?」
王次がエリーに尋ねる。
「前に一回あるのだよ。
似たような能力者による事件がね。
そのときの事件現場と今の現状が似ているのだ」
「マイクロ波による分子振動……?
そんなんで人を殺せるのか?」
和久が、尋ねるとエリーが答える。
「可能だね。
言ってみれば電子レンジの原理だよ」
「でも、あれって密閉空間がなければ発動しないのではなくて?」
心がエリーに尋ねると、エリーはため息をついた。
「能力者に原理とか関係ないだろう?
僕からしてみれば、亜金のオールウェポンが一番不思議だよ」
「確かに……」
「とりあえずその時に反抗を行ったヤツの家族構成を洗っている。
ギフト能力は親子などにも引き継ぐらしいからね」
「エリーさん、家族構成が洗えました」
そう言って現れたのは、エリーの部下であるカミーユだった。
「報告を頼む」
「検索で引っかかったのは嵐山 弾(あらしやま だん)。
触れるもの全てを爆発させる能力を持ってました」
「『ました?』」
「去年、死刑になりました」
「そうか……」
「しかし、嵐山 弾にはふたりの息子がいましてその息子も能力者らしいです」
「その能力は?」
「はい。
兄の爆の方は、分子摩擦による爆発を自在に操るマイクロウェーブ。
そして弟の烈は、火薬を自在に操るボマーです」
「今、何処にる?」
「そこまでは……」
「そうか……
ありがとう、下がっていいぞ」
「はい!」
カミーユは、エリーに敬礼をすると静かに下がった。
待って下さいよ。
ギフト能力者の収容所って言えば能力者が固めているんじゃないのですか?」
王次の質問にエリーが答える。
「全滅だそうだよ……」
「全滅だと?」
和久は思わず加えていたタバコを地面に落とす。
「みんな爆発したらしい。
そしてハワイの一部ビーチももね破壊されたらしい
これを受けてハワイは、厳重警備。
亜金くんも配備されたらしいよ」
「そうか……
犯人は瞬間移動でも持っているのか?」
和久が、そう言うとエリーが首を横に振る。
「いや、複数犯の可能性もあるよ」
「複数犯?
同じギフト能力を持ったヤツが2にもいるのか?」
「可能性はなくはないですね」
和久の質問に王次が答えるとエリーが、再び首を横に振る。
「いや……複数犯である可能性は高いが同じ能力者ではないと思う」
「と言うと?」
「日本での爆発事件は、人間の体内から爆発している。
ハワイでの爆発事件では、火薬反応があったらしい……
つまりふたりは、爆発の能力者ではあるが性質は違うだろう」
「なんかややこしいことになったわね……」
心がため息をつく。
「これは僕の見解だが……
日本で行われた爆発事件。
おそらくマイクロ波による分子振動を利用させた爆発による殺傷だと思う」
「それは、どうしてですか?」
王次がエリーに尋ねる。
「前に一回あるのだよ。
似たような能力者による事件がね。
そのときの事件現場と今の現状が似ているのだ」
「マイクロ波による分子振動……?
そんなんで人を殺せるのか?」
和久が、尋ねるとエリーが答える。
「可能だね。
言ってみれば電子レンジの原理だよ」
「でも、あれって密閉空間がなければ発動しないのではなくて?」
心がエリーに尋ねると、エリーはため息をついた。
「能力者に原理とか関係ないだろう?
僕からしてみれば、亜金のオールウェポンが一番不思議だよ」
「確かに……」
「とりあえずその時に反抗を行ったヤツの家族構成を洗っている。
ギフト能力は親子などにも引き継ぐらしいからね」
「エリーさん、家族構成が洗えました」
そう言って現れたのは、エリーの部下であるカミーユだった。
「報告を頼む」
「検索で引っかかったのは嵐山 弾(あらしやま だん)。
触れるもの全てを爆発させる能力を持ってました」
「『ました?』」
「去年、死刑になりました」
「そうか……」
「しかし、嵐山 弾にはふたりの息子がいましてその息子も能力者らしいです」
「その能力は?」
「はい。
兄の爆の方は、分子摩擦による爆発を自在に操るマイクロウェーブ。
そして弟の烈は、火薬を自在に操るボマーです」
「今、何処にる?」
「そこまでは……」
「そうか……
ありがとう、下がっていいぞ」
「はい!」
カミーユは、エリーに敬礼をすると静かに下がった。
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