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03 増えない友達
増えない友達その9
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「じゃー。
亜金くん、私が狙っちゃおうかな―」
ユキがそう言うと玉藻は表情を変えずに言った。
「亜金が幸せになるのならそれでいいです」
「本当に?」
「はい。
ガンガン行ってやってください。
アイツは自分に自信がない上に人間不信のところもあります。
だから、こっちから責めて行ってやらないとすぐに離れようとするところがあります」
「亜金くんのことよく知ってるんだね」
ユキが、嬉しそうに玉藻の顔を覗く。
「亜金は覚えていませんが、小さい時に出会っているんです」
「そうなの?」
ユキが目を丸くさせる。
「小さいころって言っても小学生のころですけどね」
「まさか、玉藻ちゃんの初恋の相手?」
「初恋……ではないですね」
「そっか……
玉藻ちゃんの初恋は何歳?」
ユキが
「え?」
玉藻はユキの質問に少し驚く。
「あら、それは私も気になるわね」
心もそう言って入ってくる。
「わ、私のことより心さんの初恋のほうが気になります」
玉藻はそう言って心のほうを見た。
「女は秘密が多いほうが魅力的なのよ」
心は、そう言ってチューハイを一口飲んだ。
「あっちの方はかなり出来上がっているな」
和久が、王次にそう言うと日本酒に口をつける。
「そうだね。
まぁ、女子トークをこうやって遠くで聞くのもいいさ」
王次は、麦茶に口をつける。
「係長は、相変わらず酒は飲まないんだな」
「ああ、家で子供が待っているんだからね」
「そうだな。
桜ちゃんだっけ?娘さんの名前……」
「うん。
今年で6歳になるよ」
「そっか……
もう6年か……」
「うん。
あっという間だったよ」
「確かに早いな」
和久は、しみじみと日本酒を口に運んだ。
「時間がさ、解決してくれるって誰が言ったんだろうね。
僕の中ではあの事件から全く変わってないよ。
ただ、忘れようとすると百恵子(もえこ)に悪い気がしてね」
「そうだな。
忘れないことはいいことだ、だが忘れれないことはつらいことだ。
こういうのは刑事をやっていると沢山感じる」
「うん」
王次は、静かに頷いた。
「まさか百恵子が自殺するなんて思ってもみなかった」
「そうだな……」
「でも、僕はまだ……
いや、なんでもない」
「ん?気になるな」
「気にしなくていいよ」
「わかった。
言いたくなったらいつでも言ってくれ」
「はい……」
王次は、ゆっくりと亜金の方を見た。
亜金は、照れ笑いを浮かべている。
4年前の亜金とはまるで別人のようだった。
そんなことを思っていた。
亜金くん、私が狙っちゃおうかな―」
ユキがそう言うと玉藻は表情を変えずに言った。
「亜金が幸せになるのならそれでいいです」
「本当に?」
「はい。
ガンガン行ってやってください。
アイツは自分に自信がない上に人間不信のところもあります。
だから、こっちから責めて行ってやらないとすぐに離れようとするところがあります」
「亜金くんのことよく知ってるんだね」
ユキが、嬉しそうに玉藻の顔を覗く。
「亜金は覚えていませんが、小さい時に出会っているんです」
「そうなの?」
ユキが目を丸くさせる。
「小さいころって言っても小学生のころですけどね」
「まさか、玉藻ちゃんの初恋の相手?」
「初恋……ではないですね」
「そっか……
玉藻ちゃんの初恋は何歳?」
ユキが
「え?」
玉藻はユキの質問に少し驚く。
「あら、それは私も気になるわね」
心もそう言って入ってくる。
「わ、私のことより心さんの初恋のほうが気になります」
玉藻はそう言って心のほうを見た。
「女は秘密が多いほうが魅力的なのよ」
心は、そう言ってチューハイを一口飲んだ。
「あっちの方はかなり出来上がっているな」
和久が、王次にそう言うと日本酒に口をつける。
「そうだね。
まぁ、女子トークをこうやって遠くで聞くのもいいさ」
王次は、麦茶に口をつける。
「係長は、相変わらず酒は飲まないんだな」
「ああ、家で子供が待っているんだからね」
「そうだな。
桜ちゃんだっけ?娘さんの名前……」
「うん。
今年で6歳になるよ」
「そっか……
もう6年か……」
「うん。
あっという間だったよ」
「確かに早いな」
和久は、しみじみと日本酒を口に運んだ。
「時間がさ、解決してくれるって誰が言ったんだろうね。
僕の中ではあの事件から全く変わってないよ。
ただ、忘れようとすると百恵子(もえこ)に悪い気がしてね」
「そうだな。
忘れないことはいいことだ、だが忘れれないことはつらいことだ。
こういうのは刑事をやっていると沢山感じる」
「うん」
王次は、静かに頷いた。
「まさか百恵子が自殺するなんて思ってもみなかった」
「そうだな……」
「でも、僕はまだ……
いや、なんでもない」
「ん?気になるな」
「気にしなくていいよ」
「わかった。
言いたくなったらいつでも言ってくれ」
「はい……」
王次は、ゆっくりと亜金の方を見た。
亜金は、照れ笑いを浮かべている。
4年前の亜金とはまるで別人のようだった。
そんなことを思っていた。
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