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03 増えない友達

増えない友達その3

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――午後5時30分


「さて、亜金くん。
 君は、もうあがってもいいよ」
 王次がそう言って亜金の方を見る。
「あ、はい」
 亜金が、頷く。
「デート楽しんできてね」
「で、デートですか?」
 亜金の頬が少し赤らむ。
「違うのかい?」
 王次がそう言うと亜金は「お、おつかれさまでした」と言って足早にその場を去った。
「青春だねぇー」
 和久が、そう言って笑う。
「もう青春って歳でもないわ……
 これは純愛よ」
 心がそう言ってコーヒーを口に運んだ。
「そうあって欲しいよ。
 あの子も過去に色々あったみたいだからね」
 王次が、そう言ってため息をつく。
「色々?どんなことなのかしら?」
 心が、興味津々の目で王次を見る。
「それは言えないかな……
 いずれ亜金くんの口から出ると思う」
「それって、拝司が言っていたことと関係有るのかしら?
 例えば、亜金くんが人から愛されないとかってやつとか……」
 心の問に王次が、驚く。
「流石、心ちゃん勘がいいねぇー
 でも、あの子の闇はもっと深いよ」
「あら?そうなの?
 その話、非常に興味が有るわね」
 心がそう言った時、アナウンスが流れる。
「平仮名市商店街にて殺傷事件発生!
 犯人は現在も平仮名商店街にて今もなお人を襲っています!」
「……無駄話はそこまでだ。
 現場に行くぞ!」
王次たちは、頷くとすぐに現場に向かった。


――平仮名商店街

「ひゃははっはは!
 俺以外に生きる価値のあるヤツはいねぇ!」
 男が、ナイフを振り回し逃げまとう人々を襲っていた。
「何をしている!」
 そこにたまたま居合わせた、玉藻が男に尋ねる。
 男の名前は、源 静。
「タイプの女発見!」
 静は、そう言って玉藻にナイフを向ける。
 それを亜金が、チョップで男のナイフを落とす。
「なんだ?テメェは!」
 静が亜金を睨む。
「なにって……」
「警察だ!」
 玉藻が、答える。
「ふーん‥…で、この男は彼氏?」
 静が、玉藻に尋ねた。
「違うよ」
 亜金が、そう答えると静が舌打ちを打つ。
「お前には聞いてないんだよ!」
 静がそう言って亜金の首を別のナイフで斬った。
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