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06 君なき日々
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僕が、職員室に訪れると担任が僕の方を見て笑う。
「そろそろくるところだと思っていたよ」
「え?」
担任は、ゆっくりと僕に近づきそして指導室へと案内される。
「川名みさきさんのことだろう?」
「はい」
「あの子は今……
バイト先の工場で休まず働いているよ」
「バイトですか?」
「学校も辞めるそうだ」
「どうして……?」
「あの子も君と同じ苦しみを持っていたんだ。
あの子のジンクス【好きになった人は必ず死ぬ】というやつにね」
「川名さんもジンクス持ちなのですか?」
「そうだよ。
君もだろう?斎藤一くん」
「……先生はどうしてそれを?」
「僕は、どんなジンクスも効かないジンクスを持っているんだ。
それに見分ける方法なんていくらでもある。
教えはしないけどね」
「……そうですか」
「行かないのかい?」
「何処へですか?」
「彼女の元へさ。
今ごろ泣いているかもしれないよ。
ひとりぼっちのさみしさは、君が一番良く知っているんじゃないのかい?」
「そうですね」
先生は一枚の紙を僕に渡す。
「ここに彼女はいるよ。
今すぐ行って抱きしめてこい」
担任は、そう言って笑う。
僕は、先生にお辞儀をしたあとその場を去った。
行くんだ。
そして、僕も打ち明けよう自分がジンクス持ちであることを……
そして、護も美姫もジンクス持ちだったってことを……
「そろそろくるところだと思っていたよ」
「え?」
担任は、ゆっくりと僕に近づきそして指導室へと案内される。
「川名みさきさんのことだろう?」
「はい」
「あの子は今……
バイト先の工場で休まず働いているよ」
「バイトですか?」
「学校も辞めるそうだ」
「どうして……?」
「あの子も君と同じ苦しみを持っていたんだ。
あの子のジンクス【好きになった人は必ず死ぬ】というやつにね」
「川名さんもジンクス持ちなのですか?」
「そうだよ。
君もだろう?斎藤一くん」
「……先生はどうしてそれを?」
「僕は、どんなジンクスも効かないジンクスを持っているんだ。
それに見分ける方法なんていくらでもある。
教えはしないけどね」
「……そうですか」
「行かないのかい?」
「何処へですか?」
「彼女の元へさ。
今ごろ泣いているかもしれないよ。
ひとりぼっちのさみしさは、君が一番良く知っているんじゃないのかい?」
「そうですね」
先生は一枚の紙を僕に渡す。
「ここに彼女はいるよ。
今すぐ行って抱きしめてこい」
担任は、そう言って笑う。
僕は、先生にお辞儀をしたあとその場を去った。
行くんだ。
そして、僕も打ち明けよう自分がジンクス持ちであることを……
そして、護も美姫もジンクス持ちだったってことを……
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