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05 夏休み

09

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 そして、ふたりでスーパーに向かった。
 今日作ってくれるのは麻婆豆腐。
 材料を買って、僕の家に帰る。
 誰にも絡まれない平和な帰路……
 そして、軽く雑談を交わし。
 川名さんと一緒に料理を作った。

「美味しそうですね」

「うん」

 そして、これから食べよう!ってときに僕のスマホが鳴った。
 誰だろう。
 そう思ってスマホを見ると美姫のお母さんからだった。

「美穂のお母さんからだ……」

「旅行の件、バレちゃったんじゃないでしょうか?」

 川名さんの意見に僕も同じ意見だ。
 ちょっと嫌だったけど僕は電話に出た。

「はい。斎藤です」

 すると美姫のお母さんの慌てた声でこう言っていた。

「美姫と護くんが刺されたの……」

 僕の頭のなかが真っ白になった。

「な……ん……で?」

 僕は言葉が出ない。

「さっき北海道の空港で……」

 僕は慌ててテレビをつける。
 するとニューステロップが流れていた。

【北海道の◯×空港にてナイフを持った男が男女二人を刺す。
 男は現在も逃走中】

「どうしたんですか?」

 川名さんが、泣き崩れる僕の肩を撫でる。

「美姫と護が刺されたって……」

「……え?」

 川名さんが驚いている。
 そして、テレビのチャンネルをニュースに変える。
 すると美姫と護の件のニュースが流れていた。

 頭には入ってこない。

 美姫と護が死ぬ?

 どうして、僕のジンクスがある限り美姫はしあわせでいれるはずなのに……
 どうして?
 僕の頭のなかはまっしろ。
 何も考えれなかった。
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