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04 奏でる音色

03

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「女心より貴方は学校の勉強をすることね」

 宮崎さんが、そう言ってノートを数冊僕の机の上に置いた。

「これは?」

「貴方が休んでいた間の授業のまとめよ」

「……え?
 いいの?」

 僕は、ノートをペラペラと見てみると、とてもわかりやすい。

「感謝するのね。
 学年トップのノートが見れるのだからね!
 返さなくてもいいわよ?私の分はあるから」

「わぁ!宮崎さんありがとう!」

「べ、別に貴方の為にやったんじゃないんだからね!」

 宮崎さんが、少し頬を赤らめている。
 僕のためじゃなければ誰のためにやってくれたのだろう?

「そっか」

 だけど、僕は否定しない。
 なんか否定したら怒られそうだ……

「あー。
 もしかして、俺はお邪魔か?」

 護が、そう言って現れる。

「あ、護おはよう」

 僕が、挨拶をするとみんなも挨拶をした。
 護の後ろには、美姫がいた。

「あれれ?
 一は、二股してるの?
 いつから、そんなオモテさんになったのかな?」

 美姫の表情がとても嬉しそうだ。

「そんなんじゃないよ」

 僕が、そう言うと川名さんがややこしいことを言い出す。

「宮崎さんは、斎藤さんにノートいっぱいのラブレターを書いたんですよ」

 それを聞いた護が驚く。

「すげーなー
 俺、そんなに長いラブレターの文章が思いつかないぞ?」

 驚くところそこ?
 美姫は美姫で……

「何冊くらい書いたの?」

「えっと10冊は書いたわね」

 そして、宮崎さんは否定しない。

「……えっと」

 僕はコメントに困る。

「あとで見せてもらってもいい?」

 美姫が、そう言い出す。

「いいわよ?」

 宮崎さんが許可を出す。

「俺もいいか?
 学年トップのノートなんてなかなか見れないしな」

 護が、そう言って僕からノートを一冊取るとペラペラとメクる。

「凄いな……
 バカな俺でもなんとなく頭に入るぜ」

「……なんなら今度の休みの日にでも勉強会する?」

 宮崎さんが照れながらそう言った。

「いいのか?」

 護が喜ぶ。
 美姫も目を輝かせている。

「もちろんよ」

 宮崎さんがうなずくと川名さんの方を見る。
 そして、言葉を続ける。

「貴方も来るのよ?」

 その言葉を聞いた川名さんは少し驚いていた。
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